フィジークとは?ボディビルとの違いや大会情報も紹介します!
フィジークという競技をご存知でしょうか?簡単に説明すると鍛え抜かれた身体を見せ合う競技なのですが、皆さんご存知のボディビルとは異なります。
ボディビルという競技に関しては誰もが名前だけは聞いた事があるかと思いますが、フィジークという競技に関しては日本でまだほとんど認知されていません。
ここではフィジークとはどのような競技なのか、そしてボディビルとはどう違うのか、また大会情報などもあわせて紹介します。
フィジークとは?
フィジークには体格という意味があり、サッカーや野球などのスポーツで良く使われる「フィジカル」と同じ語源です。2013年にアメリカではじめての大会がおこなわれた、比較的新しい競技で、鍛え抜かれた身体を見せ合う点ではボディビルと共通しています。
詳細はこのあと紹介しますが、ボディビルとの大きな違いの一つが審査基準です。ボディビルでは筋肉量が多いほど高評価される傾向にありますが、フィジークに関しては筋肉をつけすぎると減点の対象になってしまいます。
フィジークは、ボディビルよりもスマートな見た目が重視され、肉体全体のバランスの美しさを競う事になります。
フィジークは鍛え抜かれた筋肉の量や大きさを競うというよりも、スマートでカッコいい身体を目指す競技といえるかもしれません。
ボディビル競技している人をボディビルダーと呼びますが、フィジーク競技をしている人はフィジーカーと呼ばれます。
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フィジークとボディビルの違い
フィジークとボディビル、比較される事の多いこの2つの競技は、鍛え抜かれた身体を見せ合うという部分ではどちらも同じだといえます。そのなかで異なる部分や違いについて解説します。
審査基準
最も大きく異なるのが、審査基準です。ボディビルは筋肉の量や大きさが審査基準となっているため、筋肉の量が多いほど高く評価される傾向にあります。
これに対しフィジークは、筋肉の量や大きさは高評価の対象とはなっておらず、極度に発達している筋肉は減点対象です。フィジークではどれだけ見た目がカッコいいかが高評価の基準となっています。
そのため、フィジークでは筋肉のみならず髪型や表情、サーフパンツのデザインなどもトータルで審査対象となっています。
また、ボディビルで特徴的なムキムキの太腿については、フィジークでは審査で見られる事はなく、審査対象外となっている点も両者の大きな違いです。
筋肉の大きさ
審査基準の項でも少し触れましたが、ボディビルは全身の筋肉の大きさや量を争う競技です。それに対してフィジークは、肩幅から絞ったウエスト、スラッとした下半身のシルエットの美しさや、全体のカッコ良さが重視されています。
フィジークにおいては特にウエストを絞って上半身を意識する点が重視され、上半身の逆三角形具合が審査の大きなポイントです。また、下半身は引き締まって均整の取れた見た目が高評価につながります。
そのため、ボディビルほど筋肉にこだわって鍛え上げる必要はありません。鍛え抜いて筋肉をつけすぎてしまうと減点の対象になってしまいます。フィジークに関して鍛えすぎは禁物です。
大会出場を目指す場合は、審査基準の違いでトレーニング方法も変わってくるため、注意が必要です。
服装
フィジークとボディビルでは服装にも大きな違いがあります。ボディビルでは下半身全体が審査対象なため、ボディビルの服装は太腿などの筋肉が良く見えるようブーメランパンツとなっています。
これに対してフィジークでは、太腿は審査対象外です。そのため太腿の筋肉を見せる必要がなく、フィジークの服装は太腿が隠れるサーフパンツとなっています。
フィジークではこのサーフパンツのデザインも審査対象とされている点も大きな特徴です。
フィジークの階級
フィジークには男性専用のメンズフィジークと女性専用のウィメンズフィジークという2つがあります。さらにメンズフィジークとウィメンズフィジークのなかで、いくつかの階級に分けられています。
ここでは、フィジークの階級について詳しく見ていきましょう。
メンズフィジーク
メンズフィジークとは、文字どおり男性専用の大会です。メンズフィジークの場合は、40歳を境にして2つに分けられており、40歳以下級と40歳超級の2つになります。さらにそのなかで身長別に階級が分かれています。
40歳以下級の場合は「168cm以下級」「172cm以下級」「176cm以下級」「176cm超級」の4つで、40歳超級の場合は「172cm以下級」と「172cm超級」の2つです。
大会ではこの階級ごとに予選が開催され、その階級で優勝するとすべての階級優勝者によるオーバーオールと呼ばれる決勝戦がおこなわれます。つまり、オーバーオールの優勝者が大会の総合優勝という事です。
ウィメンズフィジーク
ウィメンズフィジークもその名のとおり女性専用の大会です。ウィメンズフィジークもいくつかの階級に分けられていますが、メンズフィジークのように年齢で分かれていません。
ウィメンズフィジークの場合は40歳以下級のみとなっており、そのなかで身長別に階級が分けられています。階級は、「158cm以下級」「163cm以下級」「163cm超級」の3つです。
こちらの大会も男性の場合と同じで、オーバーオールの優勝者が大会の総合優勝という事になります。
日本でもフィジークの大会に出られるの?
日本ではまだ認知度の低いフィジークですが、日本国内でもフィジークの大会に出られます。現在日本でフィジークの大会を開催している団体は、次の3つです。
- JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)
1955年に設立されたボディビル団体で、2014年にフィジーク部門も作られています。大会はプロによって審査がおこなわれ、ドーピング検査に対して非常に厳格な団体として有名です。
- NPCJ(National Physique Committee Japan)
2015年に設立された団体で、名前にもあるようにアメリカのNPCの日本版です。大会は初心者部門も用意されており、優勝すればプロへの道も見えてきます。こちらの団体の大会ではドーピング審査がありません。
- SSA(サマースタイルアワード)
俳優の金子賢氏が代表をつとめている団体です。日本のフィジーク団体としては唯一賞金の出る大会を開催しています。
フィジークのトレーニングと食事
フィジークとボディビルでは目指す体型が異なるため、トレーニング方法や食事に関しても変わってきます。ここではフィジークのトレーニングと食事のポイントを紹介しましょう。
フィジークのトレーニングポイント
フィジークで最も重視されるのが、上半身の逆三角形ボディです。そのためには、大円筋、大胸筋、三角筋などを鍛える必要があります。
大円筋を鍛えるトレーニングとしては、膝より低い高さの椅子やベンチとダンベルなどを使用しておこなうダンベルローや、チューブを利用するバックチューブラットプルダウンなどがあります。
大胸筋を鍛えるトレーニングといえば、代表的なのがベンチプレスです。肩甲骨を寄せる事、前腕を地面に対して常に垂直にする事の2点を意識してトレーニングしましょう。
三角筋を鍛える代表的なトレーニングは、ダンベルを使ったサイドレイズです。上半身をやや前傾させ、軽く肘を曲げた状態でおこない、ダンベルは肩より高く持ち上げないように注意しましょう。
フィジークの食事
フィジークの食事は、基本的にボディビルと同じです。高たんぱくな食事をカロリーと脂質に気をつけながら摂取しましょう。
筋肉をつける増量期と、大会前に脂肪を落としていく減量期に分けてコントロールする事が大切です。ただし、フィジークでは脂肪を落としすぎないように注意しましょう。
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まとめ
今回はフィジークとはどのような競技なのか、そしてボディビルとはどう違うのか、また大会情報などについてご紹介しました。
フィジークは筋肉を含めた見た目のカッコ良さを重視した競技です。日本でも大会は開催されており、なかには賞金の出る大会もあります。
審査基準や筋肉のつけ方などはボディビルと異なりますが、鍛え抜かれた身体を見せ合う競技であるという面では共通です。興味のある人は、ぜひフィジーク競技に参加してみてはいかがでしょうか。