栄養学とは?栄養学の歴史や筋肉との関係性について解説

栄養学とはどのような学問で、具体的にはどのような事を学ぶのでしょうか。アスリートのトレーニングやダイエットといった身体づくりにも関連のある栄養学ですが、その歴史や資格、筋肉との関係性などについてはよくわからない、という人も多いかと思います。
ここでは、栄養学の歴史や学問の内容に加え、トレーナーとして栄養学を知っておく事の重要性などについてわかりやすく解説していきます。

栄養学の歴史は90年前からある?

まずは、日本における栄養学の歴史を紐解いてみましょう。

佐伯矩という人物によって確立された栄養学

日本で栄養学が確立されたのは大正13年(1924年)、佐伯矩(さいきただす)によって創設された佐伯栄養学校がそのはじまりであるとされており、およそ90年もの歴史を持っています。

佐伯矩は京都大学で医科学を学び、栄養の研究もおこなっていた人物で、佐伯栄養学校(現在の佐伯栄養専門学校)創設当時は国立の栄養研究所で所長を務めており、国民の健康状態や栄養・食糧などに関する研究の先駆者であったといえます。

国民の食生活改善のために誕生した「栄養士」

戦時中から栄養不足により健康を損なう人々が多かった日本では、敗戦後において食糧不足が深刻な問題となっていました。こうした中で、国民の食生活改善を役割として誕生したのが栄養士であるといわれています。
栄養士や管理栄養士は1947年に制定された「栄養士法」によって定められた国家資格であり、現在も多くの栄養士が活躍しています。

食糧不足の中で食生活を改善する事を目的としていた栄養士は、現在では生活習慣病やダイエット・子どもの成長など、国民の健康な身体づくりをサポートする役割を担っています。

このように、健康な身体づくりのために生まれた栄養学という学問ですが、実際にはどういった事を学んでいるのでしょうか。

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栄養学とはどういった事を学ぶのか?

栄養学では、おもに以下のような内容を学んでいきます。

食品や食品の持つ栄養について研究する学問

栄養学では「食品」と「食品が持っている栄養」について学びます。人間が健康的な生活を送ったり、健やかに成長したりするために必要な栄養素は何か、それが摂取できる食品には何があるのかを学びます。

そして、子どもや青年・中高年といった世代や体質・病ごとに注意するべき食生活についての知識を学び、研究をする学問が栄養学です。

学ぶ分野は多岐にわたる

栄養学では、上記のように食品が持っている栄養について学ぶほか、食品をどのように調理すれば栄養を壊さず、彩りや味わいもよく調理できるかといった「調理学」、食品を肉や野菜・穀物などの種類に分けて種類ごとの特徴を学ぶ「食品学」など、多岐にわたる分野が存在します。

食品の歴史や加工、臨床における栄養なども学ぶ

栄養学で学ぶ分野が広いのは、栄養学が必要となる現場が多いためともいえます。病理学や医科学として栄養学、病院で栄養指導をおこなう際に必要な臨床栄養学や、食品の加工方法についての知識を学ぶ食品加工学なども栄養学に含まれます。

食品が生まれた歴史や社会とのかかわりなど、公衆衛生や環境学のような観点でも栄養学を学びます。

栄養学が役立つ職種は?

栄養学が必要とされる職種には、国家資格を取得して働く栄養士や管理栄養士のほか、シェフ・フードコーディネイター・食品の研究開発・農業などがあります。

そして、スポーツトレーナーやパーソナルトレーナーにも栄養学は必要であるといわれています。トレーナーとして、栄養学のどのような知識が必要とされるのでしょうか。

トレーナーとして栄養学の知識は重要!

さまざまな分野に役立つ栄養学ですが、筋肉や身体づくりをサポートするトレーナーにとっても、以下のような理由から重要な知識とされています。

栄養と筋肉の関係を理解する

人の身体には壊れた筋肉を修復する機能があり、適切なタイミングで休養と栄養摂取をおこなえば、よりしなやかで強い筋肉を再生する事が可能です。

どのような運動をおこなうとどの部分の筋肉が使われるのか、どの程度休養を取る必要があるのかといった知識に加え、どのようなタイミングで食事をし、運動によって壊れた筋肉を再生するためにはどのような栄養が必要かを理解しましょう。

そして栄養学の知識を身につける事で、より効率よく筋肉や身体をつくる事ができるようになります。

筋肉には「運動・休養・栄養」の3本柱が大切

たとえば、負荷の強いトレーニングをおこなって筋肉をつけたり、スポーツに必要な筋肉を増やしたりしたい場合、体重1kgに対して2g程度のたんぱく質を摂取する必要があります。

強い筋肉を作るためには、運動やトレーニングで筋肉の繊維を壊し、それを修復する事によって筋肉が増えていきます。たんぱく質やアミノ酸は筋肉の材料となるため、負荷の高いトレーニングをして筋肉を修復するには「運動・休養・栄養」の3本柱が大切になるのです。

運動や休養について知っているだけでなく、筋肉に必要なたんぱく質やアミノ酸のはたらきに加え、トレーニング時のエネルギーとして必要な炭水化物やカルシウム・ビタミン・ミネラルなど、バランスの取れた食生活の知識があれば、トレーナーとしてより良い身体づくりを指導する事ができます。

トレーニングの成果が上がらない場合でも、プログラムを見直す前に、食生活やサプリメント・食材の選び方などもチェックする事で、新たなプログラムを組まずにスムーズな改善へとつなげる事も可能です。

アスリートの食事や健康的なダイエットを目指す食事、筋力や体力をつける食事といった観点を持てるように、トレーナーを志すのであればさまざまな栄養学について学んでおく必要があります。

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まとめ

栄養学とは食品や食品が含む栄養にはどのような種類があるのか、身体にどのような影響があるのかといった事を学ぶ学問で、日本では90年前に確立された歴史ある学問です。

栄養学の資格には国家資格である栄養士や管理栄養士などがあり、食材とその栄養について学ぶだけでなく、食品の加工・歴史・公衆衛生や病気を持つ人への栄養指導など、学ぶ範囲は多岐にわたります。
シェフや栄養士として働く以外に、筋肉や身体づくりをサポートするトレーナーにとっても栄養学の知識は重要です。
筋肉と栄養の関係性を理解して、運動と休養に加えて栄養面のチェックもできるようになる事が、トレーナーとして必要な資質といえます。

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