健康運動指導士とは?仕事内容から資格取得までの方法を解説!
スポーツ関連や健康関連の仕事・資格のなかで、近年少しずつ注目度が高まっているのが健康運動指導士です。健康運動指導士は、病院や福祉施設・フィットネスクラブ・学校・保健所などで運動指導をおこないます。対象者一人ひとりに対して課題や目的に合ったプログラムを作成していきます。
この記事では、健康運動指導士の概要や資格の詳細、健康運動実践指導者との違いを解説します。健康運動指導士の資格取得を目指す人・資格の活かし方を調べている人は、ぜひ参考にしてください。
健康運動指導士とは?
健康運動指導士とは、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定する民間資格です。
認定機関である公益財団法人健康・体力づくり事業財団は、国民の健康や体力づくりの普及・啓蒙のために、文部科学省や厚生労働省の施策に沿って資格の認定・調査・研究・出版・研修会の開催などをおこなっている団体です。
このため、この資格を取得していると、厚生労働省が認定している施設で働く事が可能になります。
健康運動指導士の資格は、養成校を修了するか、あるいは指定の講習会の受講のあとに認定試験に合格し、登録手続きをすれば取得できます。健康運動士資格取得後は5年ごとに登録更新手続きをおこなう必要があります。
令和2年3月1日の時点で、登録されている健康運動指導士の人数は18,332名です。健康運動指導士は、パーソナルトレーニングジムやフィットネスクラブなどのトレーナー・医療施設・介護施設・学校などの教育関連機関など、幅広い分野で活躍しています。
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健康運動指導士の仕事内容
健康運動指導士の具体的な仕事内容を解説します。健康とスポーツとの関連性はとても高く、行政の方針として重視されている背景もあり、健康運動指導士には幅広い活躍の場が設けられています。
対象者へのヒアリング
パーソナルトレーニングジム・医療・介護の現場で、対象者に生活習慣改善の必要性や運動指導などをおこなうために、面談を実施します。ヒアリングから面談者のライフスタイルを把握し、目標を設定しながらアドバイスをおこないます。
運動プログラムを作る
面談結果と目標を照合せて、具体的な運動プログラムを作成します。課題の解決が実現できるように、一人ひとりの心身の状態に合わせたプログラムを作成します。時にはプログラムの達成や心身の状態を確認し、指導していきます。状況によって内容の調整・変更も必要です。
運動プログラムの作成は、高い専門性が求められますが、大きなやりがいを感じられる仕事です。
運動指導
健康運動指導士は、作成した運動プログラムに基づいて、直接運動指導をおこないます。プログラムが適切におこなわれていなければ効果がでないため、対面で正しい運動の仕方を伝えるのはとても大切です。
対象者の健康状態や経過をヒアリングしながら、計画どおりに運動がおこなわれているかをチェックする役割も担います。
ヒアリング、プログラム作成、運動指導をセットとし、対象者の健康状態改善に向けて継続的にサイクルを回していきます。
健康運動指導士が活躍する場
健康運動指導士は、以下のようにさまざまな現場で活躍しています。公益財団法人健康・体力づくり事業財団のホームページにて、令和2年3月1日時点での活躍の場が公開されています。
職業 | 人数 |
パーソナルレーニングジム(フィットネス関連) | 4,124人 |
診療所・病院など | 2,930人 |
介護老人保健・福祉施設など | 1,223人 |
保健所など | 1,418人 |
学校 | 1,113人 |
健康保険・一般企業(健康管理部門) | 329人 |
フリーでの活動 | 2,343人 |
上記以外(学生など) | 4,945人 |
健康と運動は老若男女問わず全国民にとって重要なポイントであるため、健康運動指導士が携わる職務の範囲は広くなります。近年では医療や介護の現場での健康運動指導士のニーズが高まっています。
フリーの活動のなかには、行政機関の依頼による健康・運動セミナーの講師やトレーナーなどの仕事が含まれています。
健康運動指導士の資格を取得するには?
健康運動指導士の資格を取得するための手順や方法を解説します。
受験資格
健康運動指導士になるには、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が実施する認定試験に合格しなくてはなりません。認定試験は、以下のいずれかの受験資格を満たす必要があります。
- 健康運動指導士養成講習会の全日程を修了もしくは認定試験実施日までに修了予定
- 健康運動指導士養成校にて認定講座を修了し、かつ卒業見込み
※既卒者であっても受験資格はありますが、受験資格が認められるのは卒業後4年以内です。また、資格試験は年に3回実施されています。
養成校は、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定した4年制大学の体育関連学科です。認定講座の講座名称は大学により異なります。
認定試験に合格した場合、登録をすれば健康運動指導士として活動できるようになります。登録後は、5年に1度、資格更新のために講習を受ける必要があります。
受講内容
認定コースは、保有している資格や肩書によって受講必要なカリキュラム数が異なります。
コース | 対象者 |
104単位コース | 歯科医師、看護師、准看護師、助産師、薬剤師、栄養士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師 |
70単位コース | 医師、保健士、管理栄養士 |
51単位コース | 4年制体育系大学卒業者 |
40単位コース | 健康運動実践指導者の資格保有者、日本スポーツ協会公認資格(スポーツプログラマー、アスレチックトレーナー、フィットネストレーナー)の資格保有者、日本フィットネス協会認定資格(GFIエグザミナー、GFIディレクター)の保有者 |
受験資格を満たすためには、漏れなく必要な講座を受講しなくてはなりません。カリキュラムごとにあらかじめスケジュールが組まれているため、全日程の受講ができるかどうかをチェックしてから申込みをしましょう。講座のなかには実技も含まれているため、欠席のないように調整が必要です。
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健康運動指導士と健康運動実践指導者の違いは?
健康運動指導士と混同されやすいのが健康運動実践指導者です。健康運動実践指導者も、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定する資格です。一番の大きな違いは、指導を実践する事にあります。
健康運動指導士が一人ひとりに合った健康・運動プログラムの作成や調整の役割を担う役割であるのに対して、健康運動実践指導者は見本を示しながら指導を実践していく役割です。
どちらも、スポーツや健康に関連する仕事ですが、働き方や担当する職務が異なるため、注意が必要です。資格取得を目指す場合には、目標や希望に合わせてどちらの資格を目指すのかを検討しましょう。なお、関連性の高い資格であるため、両方の資格を取得すると、健康や運動の知識をより深められます。
まとめ
健康運動指導士は、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定している民間資格で、安全で効果的な運動を促すプログラムを作成する仕事です。健康運動実践指導者との大きな違いは、現場での指導よりも一人ひとりの状態に合わせたプログラムの作成に重きを置いている点です。
健康や運動に関連する仕事であり、老若男女問わず必要性が高まっているので、興味のある人はぜひ資格の取得にチャレンジしてください。資格取得を通じて、パーソナルトレーニングジムで働く際にも役立つ知識やスキルを学べます。