柔道整復師の就職先とは?就職先での働き方についても解説
柔道整復師という職業名を耳にすると「マッサージをする仕事」「町の接骨院」などをイメージする人が多いでしょう。これらは柔道整復師の仕事として間違ってはいませんが、柔道整復師の資格を活かせる仕事は、ほかにもさまざまあります。
そこで今回は、柔道整復師の就職先について詳しく解説していきます。柔道整復師の就職先を知っておくと、就職先を選ぶ際の参考になるでしょう。
幅広い活躍が期待できる柔道整復師の就職先
柔道整復師の活躍の場は、年々広がりつつあります。リハビリやトレーニングなどでは柔道整復術が役に立つシーンが多いので、柔道整復師国家試験に合格すると進路の選択肢がぐっと広がる可能性は高いといえるでしょう。
全国の柔道整復師は平成30年に7万人を突破
厚生労働省が発表した「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、柔道整復師の数は7万人を突破し、柔道整復の施術所は全国でおよそ5万か所ある事が分かっています。
どちらの数値も平成20年から右肩上がりとなっており、柔道整復師の需要は高まっているといえるでしょう。
柔道整復師の就職先
接骨院や整骨院は柔道整復師の代表的な就職先ですが、病院や介護施設などでも柔道整復師を募集している事があります。
接骨院・整骨院
接骨院や整骨院で雇われている人もいますが、なかには独立開業をして自身の施術所を持つ人も多くいます。
病院(整形外科・リハビリ科)
病院の整形外科・リハビリ科に就職する事も可能です。病院は、さまざまな症例に触れられる、医療分野が異なる看護師や理学療法士と働けて視野が広がるといった魅力があります。柔道整復師を目指す学生にとって、病院は人気の高い就職先の1つといえます。
介護施設・デイサービス
介護施設やデイサービスに就職する場合は、機能訓練指導員として仕事をおこないます。高齢者に対して治療をしたい場合は、介護施設などへの就職も良いでしょう。
スポーツトレーナー
柔道整復師がスポーツトレーナーになる場合には、スポーツチーム・選手・企業などと契約するほかに、トレーニングジムやスポーツジムなどに就職するケースが多く見られます。スポーツトレーナーはケガの処置のほかに、ケガの予防や競技復帰に向けたリハビリなどをおこないます。
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柔道整復師の就職先1.接骨院・整骨院
柔道整復師の代表的な就職先として、接骨院・整骨院があげられます。
接骨院・整骨院とはどういったところなのか、柔道整復師としてどのように働けるのかを見ていきましょう。
接骨院・整骨院とは?
接骨院・整骨院は名称こそ違いますが、どちらも柔道整復師の国家資格を持った人が開設している施術所です。これらの施術所では外科手術は一切せず、手技で骨折や脱臼・捻挫・打撲などのケガに対する治療をおこないます。
柔道整復師の就職先
柔道整復師の就職先として、最も割合が多いのが接骨院・整骨院です。比較的、規模の小さい接骨院・整骨院に就職すると、患者さんとコミュニケーションをとりながら治療できる事が最大の魅力です。
地域に根差した接骨院などに就職すると、柔道整復師としての必要な技能はもちろん、高度なコミュニケーション能力も身につける事ができるでしょう。経験豊富な柔道整復師から直接技術や知識を学ぶ事で、より高度なスキルを身につけられるようになります。
接骨院・整骨院で技術を学べば独立の道も
接骨院・整骨院に就職する人のなかには、独立開業する事を将来の目標にしている人も多くいます。
独立して自分の接骨院や整骨院を持つためには、経営力があるかどうかも重要なポイントの1つです。個人の接骨院や整骨院は院長との距離が近いため、そういったところに就職して独立開業のノウハウを学べば、独立開業も夢ではないでしょう。
海外で働く方法は?
柔道整復師の資格をそのまま海外で用いる事は、残念ながらできません。しかし、都道府県社団法人の柔道整復師会に入会すれば、海外協力や柔道整復術の普及事業などに参加する事が可能です。
柔道整復師の就職先2.病院(整形外科・リハビリ科)
柔道整復師が病院の整形外科やリハビリ科に就職すると、大学や専門学校で学んだ知識を活かせるシーンがさまざまあります。
整形外科・リハビリテーション科
整形外科は運動器の疾患を取扱う診療科であり、リハビリテーション科は病気やケガにより失われた機能の回復・改善を目指す診療科です。柔道整復師がこれらの診療科に配属される場合、スポーツや日常生活で負ったケガに対して適切な処置をおこなう事になります。
もともと、柔道整復師は整形外科で働く事が中心でしたが、近年では整形外科以外にもさまざまな科で活躍しています。
病院での柔道整復師の働き方
柔道整復師として整形外科で働く場合は、医師・理学療法士から指示を受けて脱臼や骨折の治療をしたり、リハビリをおこなったりするのがおもな仕事内容です。勤務体系は勤務先によって異なり、病院によっては休憩時間が長めに設定されているケースもあります。
柔道整復師として働きながらも安定した収入を求めるなら、病院に勤務するという選択肢も1度は検討してみると良いでしょう。ただし、受付が終わったあとに症例報告会・カンファレンス・書類作成などをおこなう事が多く、定時で帰宅をするのが難しい可能性があります。
柔道整復師の就職先3.介護施設・デイサービス
介護施設・デイサービスに勤める柔道整復師は、機能訓練指導員として高齢者のケアをおこなう事になります。
機能訓練指導員とは
機能訓練指導員とは、介護保険法によって指定された職種の1つです。機能訓練指導員は、患者一人ひとりの状態に合わせた機能訓練をおこない、日常生活を送れるようにサポートをします。
機能訓練指導員として介護施設に勤めるには、柔道整復師を含め、看護師・言語聴覚士・理学療法士・作業療法士・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師のうち、いずれかの資格を取得していなければなりません。日本の高齢化は今後もさらに進む事が見込まれるため、高齢者の生活をサポートする機能訓練指導員の需要は非常に高まっています。
機能訓練指導員としての柔道整復師
柔道整復師が機能訓練指導員となる場合は、介護施設・デイサービス・老人ホームなどで勤務し、身体やメンタルのケアをおこないます。そのほかに、生活補助などの介護業務もおこないますが、食事・入浴・排せつの介助に携わる事は基本的にありません。
柔道整復師の就職先4.トレーニングジム・スポーツクラブ
柔道整復師のスキルを活かして、トレーニングジムやスポーツクラブで働くという選択肢もあります。
スポーツトレーナーとしての働き方
スポーツトレーナーとして働く場合も、複数の働き方があります。例えば、スポーツジムに就職し、身体のケアやケガの処置をおこなう事も可能です。
そのほかには、スポーツチームに所属したり、選手の専属トレーナーになったりするなどして、スポーツ選手の心身のケアをするという働き方もあります。選手の専属トレーナーになる場合は、選手のスケジュールに沿って仕事をするのが一般的です。
スポーツトレーナーとしての活躍の幅
スポーツトレーナーとして専門的なスキルを高めると携わる仕事の幅が大きく変わり、ケガの予防だけではなく、トレーニング方法や機能向上を目指す指導を担当する事もあります。
いずれにせよ、実際に現場で働くときには、ケガに関する知識やテーピング技術などを持っておく事は欠かせません。柔道整復師としてスポーツ施設やスポーツチームなどで働きたいのであれば、柔道整復師に加えて、アスレティックトレーナーなどの民間資格も取得しておくと良いでしょう。
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まとめ
柔道整復師には、整骨院をはじめとして病院・介護施設・トレーニングジムなどさまざまな就職先があり、就職先によって携わる業務はまったく異なります。そのため、就職先を選ぶ際には、仕事内容について正しく理解しておく事が大切です。
柔道整復師の資格を活かして、将来は独立開業やスポーツトレーナーとして働く事もできます。このような働き方を視野に入れているのであれば、現場で多くの事を経験するのはもちろん、最新の技術に目を向けようとする意欲も求められるでしょう。
柔道整復師は、今後ますます活躍の場が広がっていく事が予想される仕事です。自分の希望に合った就職先を選んだうえで、スキルアップを目指しましょう。