スポーツ生理学とは?トレーニングへの活かし方や取得できる資格、オススメの本を紹介!
トレーナーのための
スポーツ生理学
パーソナルトレーナーは運動やトレーニングの内容だけでなく、身体の仕組みもよく理解しておく必要があります。実は、身体を動かす事で体内でどのような反応が起き、筋肉の機能やパフォーマンスにどのような影響を与えるかといった知識は、トレーニング指導による効果を引き上げる上で非常に重要です。
そこで今回の記事では、スポーツ生理学とはどのような学問なのかをはじめ、関連する資格やスポーツ生理学の知識を活かせる仕事、学習に役立つオススメの本も紹介します。
体育系の大学や専門学校に既に通っている方や独学トレーナーを目指している方でも、知っておくべき情報をまとめておりますので是非参考にしてください。
スポーツ生理学とは?
スポーツ生理学とは、スポーツやトレーニングによって体内に起こる生理的な反応や変化などを研究する学問です。
身体を動かすと呼吸状態をはじめ、水分・血液やリンパなどの体内循環が変わります。運動時・運動後の疲れ具合や筋肉のこわばり、代謝の状況などもこれらの変化の影響を受けています。
どれだけ疲労しているか、あるいは回復できているかは、運動やスポーツのパフォーマンスに大きな影響を与えます。そのため、身体の仕組みを理解しておく事は、スポーツやトレーニングを指導する上で不可欠な要素です。
実際にスポーツ生理学の知識を得る事で、以下4点が分かるようになります。
・トレーニング効果を高める方法
・ケガや病気の予防法
・運動パフォーマンスを高める方法
・調子が落ちた原因と回復に向けた対策
トレーナーエージェンシーでは、
・トレーナーとして必要な素養
・具体的なトレーナーの働き方
・おすすめの資格
・トレーナー資格試験の力試し模擬問題
・うまく行く人/いかない人の違い
などをまとめた「【完全版】未経験からトレーナーになるための攻略ガイドブック」を”無料でプレゼント“しております。(内容の一部を先んじて見せちゃいます!)
下記ボタンからダウンロードできますので、ぜひご確認いただいた上で、ご自身の学習にお役立てください。
スポーツ生理学を学ぶことで分かること
スポーツ生理学を学ぶと分かることについて、
・トレーニング効果を高める方法
・ケガや病気の予防法
・運動パフォーマンスを高める方法
・調子が落ちた原因と回復に向けた対策法
以上の4つを詳しく解説します。
トレーニング効果を高める方法
スポーツ生理学の知見は、トレーニング効果を高める方法や、個別のアスリートに合わせたパーソナライズドトレーニングに活用されています。たとえば、股関節周りの筋肉が不足しているアスリートには、特にその部位を重点的に鍛えるメニューがスポーツ生理学の面からは最適です。
また、スポーツ生理学の研究によって、怪我のリスクを減らすための予防的なアプローチも進化しています。筋力トレーニングと併せて、柔軟性を高めるストレッチや、バランスを向上させるトレーニングも行われるようになりました。
このように、スポーツ生理学で得られた知見は、パフォーマンスを向上させるためだけでなく、怪我を予防し、アスリートが長期にわたって健康を維持しながら競技を続けるためにも広く役立てられています。
ケガや病気の予防法
スポーツトレーニングに熱心に取り組んでいるにもかかわらず、逆に病気になったり、怪我をしやすくなったりと、不健康な状態に陥る人がいます。こうした現象の原因を明らかにすることも、スポーツ生理学の重要な役割です。
例えば、「女性アスリートの三主徴(Female Athlete Triad)」などが有名です。
これは、過度なトレーニングと極端なカロリー制限によって、身体が修復や成長に必要なエネルギーを十分に確保できなくなる「利用可能エネルギー不足」を引き起こし、結果として骨密度の低下や月経異常が生じるというものです。
スポーツ生理学を通じて、極端な食事制限や過度なトレーニングのリスクについても学べます。
運動パフォーマンスを高める方法
スポーツ生理学の視点を持つことで、パフォーマンス向上のヒントを得ることができます。
たとえば、投球が速いピッチャーとそうでないピッチャーを比較すると、肩周りの筋肉量に大きな差があることが明らかになっています。このことから、強い投球をするためには肩周りの筋肉量を増やすことが重要だという結論に至ります。
さらに、なぜ肩周りの筋肉が重要なのか、そのメカニズムを解明することもスポーツ生理学の重要な役割です。速いボールを投げるためには、肩の回旋動作で強力な筋力を発揮する必要があります。この筋力は、筋肉量が多いほど強く発揮されるため、優れたピッチャーは肩周辺の筋肉が特に発達していることがわかります。
このように、スポーツ生理学によって人間の身体の内部に目を向けて、運動パフォーマンスを高める方法が分かります。
調子が落ちた原因と回復に向けた対策法
トレーニングは、量をこなせばこなすほど効果が上がるわけではありません。過度な負荷をかけすぎると、かえってトレーニングの効果が損なわれてしまうことがあります。
過剰なトレーニングによって、パフォーマンスが持続的に低下してしまう状態は「オーバートレーニング症候群」と言われています。スポーツ生理学の分野ではオーバートレーニング症候群のメカニズムを解明し、予防策を提案するための研究が進められています。
スポーツにおけるパフォーマンスには、トレーニングの内容だけでなく、食事やメンタルの状態、さらには性別や年齢といった多様な要因が影響を与えます。これらの要因を一つずつ解き明かすことによって、スポーツ現場でよりパフォーマンスを向上させるための方法が見つかります。
スポーツ生理学に関連する資格
スポーツ生理学を学ぶとスポーツトレーナー関連の資格を取得する際に役立つでしょう。
スポーツ生理学に関連する資格から3つの資格を取り上げ、それぞれの特徴を紹介します。
・理学療法士
・EP-C(エクササイズフィジオロジスト)
・公認スポーツ指導者
理学療法士
理学療法士は国家資格で、受験するには国が指定した指定学校での修学や技能習得など、一定の要件が設けられています。
仕事内容は、ケガや病気によって心身に障害を抱える人に対する基本的な運動・動作能力を回復させるためのリハビリテーションの指導などです。
将来的に心身障害が発生しそうな人にも予防と運動能力の維持のための指導を実施します。
EP-C(エクササイズフィジオロジスト)
日本であればACSM(アメリカスポーツ医学会)主催のEP-C資格が受験できます。こちらは民間資格です。
EP-Cとは、「Certified Exercise Physiologist」の略で、ケガや病気を予防する予防医学の観点から運動やトレーニングのプログラムを構成・指導する能力を証明できます。
認定大学(運動科学専攻)卒業または最終学期に在籍中である事、心肺蘇生法やAEDの資格保持者である事が受験要件です。
参考:アメリカスポーツ医学会
公認スポーツ指導者
公認スポーツ指導者は、日本スポーツ協会が認定する資格です。指導する場所や対象者、レベルによって18におよぶ種類や役割に分かれています。
まずはスポーツ指導者基礎資格を取得し、競技別指導者資格やフィットネス資格などに幅を広げるといいでしょう。いずれも資格取得に向けた講義受講が必要です。
それぞれ資格取得が可能な年齢が異なり、専門性が高い資格は別途要件が設けられています。
スポーツ生理学を学んで就ける仕事とは?
スポーツ生理学を学ぶ事で、運動やスポーツに関連した職業に役立てる事ができます。
代表的な3つの勤務先を取り上げ、仕事の概要をご紹介します。
・病院
・リハビリ施設
・スポーツジム
病院
病院の患者さんの筋力維持・向上やリハビリテーション、もしくはケガの予防のための指導をおこなう仕事があります。職種としては、健康運動指導士・理学療法士・作業療法士などがあるでしょう。
リハビリ施設
お年寄りや介護が必要な人、ケガや病気で一時的に身体が不自由になった人などの回復を目指して、リハビリ指導をする仕事もあります。病院と同じく、健康運動指導士・理学療法士・作業療法士などが多いでしょう。
スポーツジム
スポーツジムやスポーツ施設などで、筋力強化やパフォーマンスの向上を目指して指導をおこなう仕事があります。
職種としては、ケガの予防や応急処置・健康管理などをするアスレティックトレーナー、アスリートの体調管理やトレーニングメニューの作成などをおこなうスポーツトレーナーなどが挙げられます。
お客様の身体の状態や条件に合わせてトレーニングメニューを組む、パーソナルトレーナーのニーズも高まっています。
スポーツ生理学を学ぶ際にオススメの本
スポーツ生理学を基礎から学ぶ際に、読んでおきたいオススメの本を紹介します。トレーナー関連の仕事をしている人や将来携わりたいと思っている人に役立つ内容が、わかりやすくまとめられています。独学で学びたいと思っている人も、情報収集の一環としてぜひチェックしてみてください。
健康スポーツ生理学
スポーツ医学を独学で学びたい人向けに作成された参考書です。健康増進に向けた運動処方やアスリートに必要な幅広い生理学の内容が紹介されています。
スポーツ生理学分野に特化した本はそれほど多くないので、基礎から学びたい人の入門書としてオススメです。
究極のトレーニング 最新スポーツ生理学と効率的カラダづくり
自分で運動や筋肉トレーニングをおこなう人に向けて、効率的に身体づくりができるよう解説された指南書です。もちろん、スポーツ生理学の原理原則もしっかり盛り込まれています。
重要ポイントやパフォーマンス・トレーニングの改善点などもわかりやすく説かれています。専門用語がやや多めなので、トレーナーや関連職種を目指して学習中の人に適しているでしょう。筋繊維や筋肉・素質・体質などさまざまな視点から学べる一冊です。
スポーツ生理学を学べる場所
スポーツ生理学を学ぶには、大きく3つの選択肢があります。各手段の学びの特徴を見ていきましょう。
・独学
・大学・専門学校
・一流講師の在籍するトレーナー育成スクール
独学
スポーツ生理学に特化した資格はないため、専門書や参考書などを使用して、独学での学習も可能です。
知識が深まるほど、スポーツトレーナー関連の資格取得の可能性も高められるでしょう。情報源に注意しながら、信頼のおける情報を収集してください
大学・専門学校
スポーツ学を学べる学部や学科などを持つ大学・短大であれば、スポーツ生理学の学習も含まれます。
大学や短大では学術的な専門知識をはじめ、周辺領域の知識や幅広い教養を学ぶ事ができるのが特徴です。
高い効果の見込めるトレーニング方法や高いパフォーマンスを引き出す指導法を習得します。
トレーナー育成スクール
スポーツ生理学に精通した講師がいるスクールで学ぶのも良い方法です。
その場合は医学的な知見から生理学を知っていて、さらにスポーツ現場にも詳しい人を探すと良いでしょう。
トレーナーエージェンシーでは、
・トレーナーとして必要な素養
・具体的なトレーナーの働き方
・おすすめの資格
・トレーナー資格試験の力試し模擬問題
・うまく行く人/いかない人の違い
などをまとめた「【完全版】未経験からトレーナーになるための攻略ガイドブック」を”無料でプレゼント“しております。(内容の一部を先んじて見せちゃいます!)
下記ボタンからダウンロードできますので、ぜひご確認いただいた上で、ご自身の学習にお役立てください。
まとめ
スポーツ生理学とは、運動やスポーツが身体におよぼす影響や、パフォーマンスへの影響などを研究する学問です。
スポーツ生理学は、そのものに特化した資格こそありませんが、パーソナルトレーナーや理学療法士などにとっては不可欠な知識です。医療・福祉・トレーナー関連の仕事に就き仕事をするうえで、大いに役立つでしょう。
トレーナーエージェンシーではパーソナルトレーナーの認定資格であるNSCAの完全攻略ガイドをお配りしていますので、ぜひダウンロードしてください!