健康運動指導士とは?仕事内容や資格取得の流れを解説!

高齢化が進む現代において、健康づくりのサポートを担う専門職への注目が高まっています。

その中でも、運動を通じて人々の健康を支える「健康運動指導士」は、医療や介護、フィットネスなど幅広い現場で活躍できる資格です。運動に関する正しい知識と技術を活かし、対象者の身体状況に応じた安全かつ効果的な運動プログラムを提供できる点が、大きな特徴といえるでしょう。

この記事では、健康運動指導士の資格概要や具体的な仕事内容、試験内容、資格取得までの流れについてわかりやすく解説します。これから健康運動指導士を目指す方や、興味がある方はぜひ参考にしてください。

健康運動指導士とは

健康運動指導士は「公益財団法人 健康・体力づくり事業財団」が認定する民間資格です。運動による健康づくりの専門家として個人の身体状態や心のコンディションに応じた、安全かつ効果的な運動プログラムの作成と実践指導計画の立案・調整を担います。

1988年には厚生労働大臣の認定事業としてスタートし、2005年には財団が有識者や大学、フィットネス業界関係者とともに検討会を設け、専門性を一層高めるための見直しが進められました。

また、医療制度改革や生活習慣病予防の重要性が再認識された2006年以降、より高度な知識とスキルを求められる資格へと進化しました。2007年にはカリキュラムや取得方法が見直され、現在は財団独自の制度として講習会の開催や養成校の認定、認定試験の実施などが行われています。

令和2年10月1日現在、日本国内では18,294人が健康運動指導士として登録されており、運動施設やフィットネスクラブのアドバイザーのほかに、介護施設・病院などでも活躍しています。

※「公益財団法人 健康・体力づくり事業財団」:健康・体力づくりの普及啓発のために、出版・調査・研究・資格試験の主催・研修会の開催などの事業をおこなう団体です。昭和53年に設立された「財団法人 健康づくり振興財団」を母体とし、少子高齢社会を迎えた現在でも、国民の健康・体力づくりのために重要な役割を担っています。

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健康運動指導士の仕事内容

健康運動指導士の仕事内容は次のとおりです。

  • 対象者に対して、目的や課題に合った個々の運動プログラムを作成する
  • 実践する指導計画の調整をおこなう
  • 対象者の進捗状況をチェックして、必要に応じて運動指導をおこなう

健康運動指導士は、老若男女あらゆる対象者の健康・体力づくりを目的とし、おもに一人ひとりのプログラム作成と進捗管理をおこなっています。生活習慣病の一次予防だけでなく二次予防のためにも、健康と運動の専門家として必要性が高まっています。

※一次予防:健康な人に対して、病気の原因となるものを事前に除去し予防する事
※二次予防:病気になった人に対して、早期発見・早期治療し病気の進行を抑える事

健康運動指導士と健康運動実践指導者の違いは?

健康運動指導士に似た資格に健康運動実践指導者があります。本項では両者の違いについて解説します。

健康運動指導士と健康運動実践指導者の違い下記の通りです。

・担当範囲が違う
・求められるスキルが違う

それぞれ解説します。

担当範囲が違う

健康運動指導士と健康運動実践指導者は、担当する業務の範囲に違いがあります。

健康運動指導士は、対象者の身体的・精神的な状態を把握したうえで、個別に最適な運動メニューを立案し、全体の指導計画の作成から実施、進行管理までを一貫して担います。生活習慣病の予防や健康維持を目的とした運動指導の「企画・設計・管理」の役割を担う存在です。

一方、健康運動実践指導者は、すでに作成された運動プログラムにもとづき、現場での運動指導を実施する役割を持ちます。医学や運動生理学の知識を基盤に、対象者に対して安全かつ効果的な運動のやり方を直接伝える「実践指導」に特化した資格です。

両者はそれぞれの専門性を活かしながら連携し、対象者が安心して継続できる運動環境を整えていきます。健康づくりを効果的に支援するためには、両者の協力が欠かせません。

求められるスキルが違う

健康運動指導士と健康運動実践指導者に求められるスキルの違いは、以下のとおりです。

  • 健康運動指導士

一人ひとりの状態に合わせてプログラムを作成しなくてはならないため、高いレベルの医学的知識が求められます。あわせて、身体のつくりや栄養などに関する幅広い専門知識と、対象者に一人ひとりに合ったプログラムを作成する能力も必要です。

  • 健康運動実践指導者

運動指導を実践しなくてはならないため、現場での指導スキルが求められます。手本となるようにわかりやすく運動をして見せて、対象者一人ひとりが正しく運動できるように指導する能力が必要です。

健康運動指導士が活躍する場所

健康運動指導士は、医療・介護・福祉・フィットネスといった多岐にわたる分野で活躍しています。

例えば、病院やクリニックでは医師や看護師と連携し、生活習慣病の予防や改善を目的とした運動プログラムの立案と指導を担当します。また、介護施設では高齢者の身体機能維持を目的とした運動支援を行い、介護予防にも貢献します。

さらに、フィットネスクラブやスポーツジムも健康運動指導士が活躍できる場所です。一般のお客様に対し、安全かつ効果的な運動指導を行います。他にも、自治体の健康増進事業や企業の健康経営プログラムに参加することもあり、地域住民や社員の健康づくりにも関わります。

このように、健康運動指導士は人々の健康維持・増進を支える専門職として、さまざまな現場で求められています。

健康運動指導士になるには?

健康運動指導士になるためには、認定試験に合格する事が必要です。この試験は誰でも受けられるものではなく、健康運動指導士養成講習会を受講する、もしくは健康運動指導士養成校で学ぶ事で受験資格を得られます。

なお、養成講習会を受講するためにも、以下のいずれかを満たす事が必要です。受講するコースは、以下のうちどの条件に該当するかで変わります。

  • 4年制の体育系大学を卒業した人(卒業見込みも含む)
  • 4年制以上一般大学を卒業し、医療・栄養に関する国家資格(歯科医師・看護師・理学療法士・作業療法士・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師など)を保有する人
  • 健康運動実践指導者の称号を保有する人
  • 医師・管理栄養士・保健師のうち、いずれかの資格を保有する人

また、5年ごとに講習会を受講し更新する必要があります。養成校として認定されている学校は、以下のリンクを参考にしてください。

参考:健康運動指導士養成校/公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

健康運動指導士養成講習会の受講要件・受講費用

受講要件

健康運動指導士養成講習会には40単位コース、51単位コース、70単位コース、104単位コースの4種類があり、コースごとに受講要件が異なります。

コースごとの受講要件は以下の通りです。

40単位コース
下記のいずれかの資格保有者
・スポーツプログラマー
・アスレティックトレーナー
・フィットネストレーナー
・GFIエグザミナー
・GFIディレクター
・健康運動実践指導者

51単位コース
・4年制体育大学(教育学部体育学系を含む)卒業者(卒業見込みを含む)

70単位コース
下記のいずれかの国家資格保有者
・医師
・保健師
・管理栄養士

104単位コース
①~③のうちいずれかを満たす必要があります。

①下記のいずれかの国家資格保有者で、4年制大学卒業者
・歯科医師
・看護師
・准看護師
・助産師
・薬剤師
・栄養士
・あん摩マッサージ指圧師
・はり師
・きゅう師
・柔道整復師
・理学療法士
・作業療法士
・臨床検査技師

②①と同等以上の能力を有すると健康・体力づくり事業財団が特別に認定した者

③40単位コース、51単位コース、70単位コースの受講資格全てを満たしている者

受講費用

受講費用は以下の通りです。※全て教材費込み

40単位コース 137,500円
51単位コース 165,000円
70単位コース 220,000円
104単位コース 291,500円

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健康運動指導士の試験形式・合格率

健康運動指導士の試験形式は4択のマークシート方式でコンピューターを使って行われます。

試験の合格率は養成校修了者かどうかや養成講習会のコースによって異なります。令和6年度試験の具体的な合格率は以下の通りです。

・健康運動指導士養成校修了者 75.7%※152人中115人合格
・40単位コース 70.2%※47人中33人合格
・51単位コース 83.3%※12人中10人合格
・70単位コース 100.0%※8人中8人合格
・104単位コース 100.0%※4人中4人合格

まとめ

健康運動指導士は、運動による健康づくりの専門家として、一人ひとりの身体や目的に応じた安全で効果的な運動プログラムを作成し、実践指導計画の立案・調整を行う職種です。医療・介護・福祉・フィットネスなど、活躍の場は多岐にわたり、健康づくりを支える存在として注目されています。

資格を取得するには、公益財団法人 健康・体力づくり事業財団が実施する認定試験に合格する必要があります。試験を受けるには、指定された養成校の修了、または養成講習会の受講が必要です。

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