スポーツ科学とはどのような学問?学ぶ場所や就ける仕事について解説!
スポーツ科学とは、スポーツに関するさまざまな知識や技能を身につける学問です。しかし、どのような内容を学ぶのか具体的にイメージしにくいと感じている人も少なくありません。
そこで今回は、スポーツ科学の基礎知識や学べる場所・就ける仕事をご紹介します。スポーツ科学を学ぶ事で取得が有利になる資格も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
スポーツ科学とは?
近年、健康意識の高まりや高齢化が進む社会背景から、スポーツ科学が注目されていますが、具体的にはどのような内容を学ぶ学問なのでしょうか。ここでは、スポーツ科学で学ぶ内容やスポーツ科学を学んで身につくスキルを解説します。
スポーツ科学とは
スポーツ科学とは、スポーツに関する心理学をはじめ、栄養学・生理学・社会学やマネジメントスキルなど多角的な知識を用いて、スポーツを研究する学問です。
スポーツを科学的に研究するという事は「身体がどうなっているのか」「なぜそうなるのか」を明確にする事です。トレーニング効果を向上させたり、ケガのリスクを減らしたりと、アスリートのパフォーマンス向上のための科学的なサポートを実現できます。
スポーツ科学で学ぶ内容
スポーツ科学で学ぶ内容は幅広く、スポーツ哲学・スポーツ社会学・スポーツ心理学・スポーツ生理学などの「基礎的スポーツ科学」をはじめ、体力学やスポーツ医学・スポーツ経営学などの「実践的基礎スポーツ科学」トレーニング学やコーチング論などの「実践的スポーツ科学」などのように体系化されています。
スポーツ科学でスポーツに関する総合的な知識を得る事で、プロアスリートやトレーニングを必要としている人へのサポート力はもちろん、大会開催やイベントなど「客に満足してもらえる企画運営」をおこなえるマネジメントスキルまで、身につける事ができます。
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スポーツ科学に関連する資格
一口に「スポーツ科学」といっても、スポーツ科学の範囲は哲学から医学・栄養学・コーチング論まで幅広いのが特徴です。
その分スポーツ科学が役立つシーンも多く、スポーツ科学を学ぶ事で取得が有利になる資格があります。ここでは、スポーツ科学に関連する資格をご紹介します。
公認障がい者スポーツ指導者
公認障がい者スポーツ指導者は、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会が運営する資格です。公認障がい者スポーツ指導者とは、障がいを持つ人が安心してスポーツを楽しめる環境作りやサポートをおこなう指導員の事です。
障がい者スポーツの振興を支え発展させる事を目的としており、地域のスポーツ大会に参加したり、トップレベルのアスリートを目指す人を支えたりと、活躍の場はさまざまです。
公認障がい者スポーツ指導者には、障がい者一人ひとりの背景をしっかりと意識した指導が求められます。
スポーツ科学を学び、スポーツに関する総合的な知識を高められれば、資格取得にもつながるでしょう。
大学や専門学校などによっては、公認障がい者スポーツ指導者の資格取得認定校に指定されているところもあり、カリキュラムを履修する事で「初級スポーツ指導員」または「中級スポーツ指導員」の資格を取得できます。
社会福祉主事任用資格
社会福祉主事任用資格は厚生労働大臣の指定する社会福祉科目を履修し、卒業すると取得できる国家資格です。都道府県や各市区町村の福祉事務所に配置され、社会福祉によるサポートをおこなう職員を、社会福祉主事といいます。社会福祉主事に就くための資格が、社会福祉主事任用資格です。
社会福祉主事は福祉事務所にて生活保護申請者の受付や、職業安定所などに訪れた人のサポートなどに従事する現業員と、生活保護の申請確認や資格受給の調査や、現業員の指導などをおこなう査察指導員に分けられます。
一見スポーツ科学とはあまり関係のなさそうな社会福祉主事任用資格ですが、スポーツ研究の成果は福祉の分野でも大いに活かされています。
実際に、日本にある多くのスポーツ科学科では、社会福祉主事任用資格の資格取得が可能となっています。
参考:厚生労働省
公認コーチングアシスタント
公認コーチングアシスタントは日本スポーツ協会が発行している資格になります。スポーツグループなどで上位資格者を補佐し、基礎的なスポーツ指導や運営をおこなうための資格です。学校で部活動の顧問を任されている教員からも注目されています。
スポーツ科学を学んで幅広い知識を身につけておくと、資格取得に役立つでしょう。
公認コーチングアシスタントの認定者が、競技別指導者資格の「コーチ1」を取得する際には共通科目の一部が免除されるので、今後ステップアップを考えている人の初めの1歩としてもオススメです。
スポーツ科学を学べる場所
スポーツ科学を学べる場所は「4年制大学」「短期大学」「専門学校・専門スクール」があり、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、スポーツ科学を学べる場所のそれぞれの特徴を紹介します。
4年制大学
スポーツ科学を学べる場所としてよく知られているのは、4年制大学です。
4年制大学を卒業すると「学士」の学位が得られるため、専門学校や短期大学などに比べて就職活動の面で有利になる事もあります。
4年間の在学期間があるので、範囲の広いスポーツ科学を存分に学ぶ事ができます。希望によっては自分が専攻する分野以外の授業も選択でき、学びの幅が広がりやすいメリットがあります。
短期大学
短期大学の多くは2年制のカリキュラムで、スポーツ科学で必要な知識を効率よく学ぶのに適しています。4年制大学の半分の期間で卒業できる事から「短期集中派」「できるだけ早く社会に出たい」という人に人気です。
短期大学は4年制大学に比べると学生数が少なく、授業時や就職活動の際により手厚いサポートが期待できるでしょう。
専門学校・専門スクール
専攻以外の知識を学べる機会が多い4年制大学、短期集中型で必要な知識を学べる短期大学に対して、専門学校・専門スクールで学ぶという選択肢もあります。専門学校・専門スクールには「授業が資格取得や就職に直結している」という特徴があります。
専門学校では資格取得対策に優れているところが多く、実際にスポーツ科学を仕事に活かしている社会人による講演なども盛んです。
講師陣も実際に現場で働いていた経験者が多く、よりリアルな情報収集ができるでしょう。
スポーツ科学を学んで就ける仕事とは?
スポーツ科学を学んで就ける仕事の一例をご紹介します。
スポーツメーカー
スポーツメーカーの仕事は、運動器具やスポーツ用品に関わる事が中心です。
例えば、より足に負担が少ないランニングシューズや、水圧の影響を受けにくい水着などの開発に携わります。
スポーツを科学的に考える視点は、計測データに基づいて新製品を開発する、スポーツメーカーの分野で大いに役立ちます。
スポーツジャーナリスト
スポーツジャーナリストは、スポーツ実況をしたり、スポーツ評論家としてメディアで解説したりと、スポーツファンに有益な情報を届ける仕事です。
情報社会の現代では、スポーツに関するメディアはテレビや雑誌・ラジオだけでなく、インターネット・SNSなど多岐に渡る事から、スポーツジャーナリストの活躍の場も増えていると考えられます。
スポーツ科学で培ったスポーツに関する基礎知識は、ジャーナリストとして、人々により説得力のある情報発信をするための土台となってくれるはずです。
トレーナー
トレーナーの仕事内容は所属する団体や就職先によって異なり、アスリートを目指す人のサポートから、健康作りのためにジムでトレーニングに励む人の指導まで、さまざまです。
しかし、スポーツ科学の基礎知識であるスポーツ心理学、スポーツ生理学、スポーツ栄養学、コーチング学などは、どのトレーナーの仕事にも直結しているため、しっかりと学んでおきたい知識です。
スポーツトレーナーとして活躍できる場所は、スポーツジム・アスリートの専任トレーナー・地域のスポーツ振興課など幅広くあります。
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まとめ
スポーツ科学で学ぶ内容は、スポーツ心理学・スポーツ医学・スポーツ栄養学・スポーツコーチング学など幅広く、これらの知識を活かせる仕事も充実しています。
一人ひとりの体質や問題点を考慮しなければならないトレーナーにとって、スポーツ科学の知識を有している事は非常に重要です。
スポーツ科学は、スポーツ関連以外の分野でも役立てる事ができる、実用性の高い学術といえるでしょう。