鍼灸師 トレーナー向け資格

鍼灸の国家試験の概要(試験日・科目・合格率)とは?

鍼灸師になるには国家試験を受験する必要があります。
しかし鍼灸師という資格は存在せず、はり師・きゅう師という2つの国家資格を取得することで鍼灸師として名乗ることができます。

でははり師・きゅう師の国家試験には受験条件があるのでしょうか?
柔道整復師や理学療法士と同様に、はり師・きゅう師の養成施設で3年以上の養成課程を全て修了することが必要です。

今回は鍼灸の国家試験について試験日・試験科目・受験資格・養成施設などの詳しい内容を紹介します。

国家試験の概要

勉強

鍼灸師になるには「はり師」と「きゅう師」の2つの国家資格を取得する必要があります。
国家資格を取得するには年に1度実施される「はり師国家試験」と「きゅう師国家試験」を受験しなくてはなりません。

それでは「はり師国家試験」と「きゅう師国家試験」の概要を紹介します。
一般的に2つの試験を同時に受験する受験生が多いので、今回は同時に受験した場合について説明します。

試験日

毎年2月下旬の同じ日に「はり師国家試験」と「きゅう師国家試験」の国家試験が実施されます。

試験会場

視覚障がい者とそうでない人で試験会場が異なるのであらかじめ注意しましょう。

一般的には、北海道・宮城・東京・新潟・愛知・大阪・広島・香川・福岡・鹿児島・沖縄の11か所でしか試験を受けることはできません。
しかし視覚障がいを持つ人の場合は各都道府県で受験することができます。

試験時間

「はり師国家試験」と「きゅう師国家試験」を同時に受験する場合、試験時間は午前・午後各2時間の合計4時間です。
ただしどちらか一方のみ受験する場合、午後の試験時間が15分短くなります。

視覚障がいを持つ場合、試験時間は午前・午後各3時間の合計6時間です。
ただしどちらか一方のみ受験する場合、午後の試験時間が20分短くなります。

試験科目

「はり師国家試験」と「きゅう師国家試験」を同時に受験する場合、試験科目ははり理論・きゅう理論・12の共通科目です。
試験内容のうち共通科目が90%以上あり、違いが10問程度しかないためほとんどの人が一緒に受験する。

共通科目は医療概論(医学史を除く。)・衛生学と公衆衛生学・関係法規・解剖学・生理学・病理学概論・臨床医学総論・臨床医学各論・リハビリテーション医学・東洋医学概論・経絡経穴概論・東洋医学臨床論です。

同時に受験する場合、あらかじめ申請することで一方の共通科目の試験が免除になります。
具体的な申請方法は下で説明します。

試験方法

「はり師国家試験」と「きゅう師国家試験」の試験問題は午前・午後各80問の合計160問出題されます。

ただし「はり師国家試験」あるいは「きゅう師国家試験」のどちらか一方を受験する場合、「きゅう理論」の10問もしくは「はり理論」の10問が除かれて、午後の試験問題数が70問になります。

問題用紙と回答用紙

視覚障がいを持つ場合、あらかじめ申請をすることで問題用紙と回答用紙で受験ができます。
基本的にはマークシート形式で出題されます。

問題用紙

  • 普通文字(10ポイント)・拡大文字(16ポイント)・超拡大文字(約22ポイント)・点字による受験
  • 上の方法と併用して試験問題を録音したCDの使用(イヤホン再生のみ。)あるいは試験問題の読上げ受験
    (ただし文部科学大臣が認定した学校の学校長あるいは厚生労働大臣が認定した養成施設の長が必要を認めた者)
  • 照明器具・読書補助具・点字タイプライターなどの持込みと使用

答案用紙

  • 問題用紙に直接解答
  • 点字による解答
  • 白紙に墨字解答

具体的な申請方法は下で説明します。

受験資格

受験資格は「文部科学大臣の認定した学校あるいは厚生労働大臣の認定した養成施設あるいは都道府県知事の認定した養成施設で3年以上、はり師・きゅう師として必要な知識及び技能を修得したもの」とされています。

あるいは「高校に入学できる視覚障がいを持つ場合、文部科学大臣の認定した学校あるいは厚生労働大臣の認定した養成施設で5年以上、はり師・きゅう師として必要な知識及び技能を修得したもの」とされています。

持ち物

  • 受験票
  • 筆記具(HB鉛筆)
  • 消しゴム(砂消しゴムは不可)
  • 昼食
  • 視覚障害者はルーペ・単眼鏡の持込み可能
  • 申請した補助具など
  • 点字タイプライター使用者はタオルなどを持参して消音をはかってください。

受験手続

受験手続にはいくつか書類が必要です。
指定期限までに受験に必要な書類を財団へ持ち込むか、あるいは簡易書留で郵送する必要があります。必要な書類は以下です。

受験願書

財団が配付する受験種類別の受験願書に必要項目を書きます。

共通科目の試験免除を申請する場合、きゅう師国家試験受験願書の指定の箇所に「同時にはり師国家試験を受験したいので、はり師国家試験と共通科目の試験の免除を申請します。」と書きます。
さらにはり師国家試験受験願書の指定の箇所に「同時にきゅう師国家試験を受験予定」と書きます。

視覚障がい者で文字サイズの変更や点字を希望する場合、受験願書の右上に「普通文字受験希望」・「拡大文字受験希望」・「超拡大文字受験希望」・「点字受験希望」のいずれかを書きます。

CDなど音声を希望する場合、「DAISY-CDの使用希望」・「読上げ希望」と書き、配布されている「DAISY-CDの使用等承認書」を添付します。
※DAISY-CDは視覚障がい者向けに貸し出されている音声情報が記録されたマシンです。

視覚障がいをもつ受験者が補助具として照明器具・読書補助具・点字タイプライターなどの持込み使用を希望する場合「補助具使用申請書」に必要項目を書きます。

写真用台紙

6か月以内の帽子を取った状態で正面から上半身を撮影した縦6cm・横4cmの写真を用意します。
裏面に撮影年月日・氏名を書き、財団が配布する受験写真用台紙に貼ります。

入力票

受験に関するさまざまなデータを整理するため必要となる用紙です。
財団が配付している入力票に必要項目を書き、必ず願書に添えて提出してください。
写真用台紙と切り離さないように注意しましょう。

卒業(修業)証明書または卒業(修業)見込証明書

卒業(修業)見込証明書を提出しない場合、試験は無効になります。

受験手数料

1試験ごとに手数料が必要です。
「はり師国家試験」と「きゅう師国家試験」の2試験を受験した場合、2つの試験分の手数料が掛かります。

合格発表

3月下旬に厚生労働省あるいは受験会場で受験番号が掲示されます。
ホームページ上でも合格発表を確認できます。

厚生労働省
公益財団法人 東洋療法研修試験財団

過去5年間の合格率

過去5年間のはり師ときゅう師の合格率の変化をみると、じわじわと合格率が低下して29年度には過去5年間で一番低い合格率になりました。

はり師国家試験

令和元年から5年間の平均合格率は69.6%です。
27年度から合格率がじわじわと低下しましたが、30年度と元年に合格率は70%まで上がりました。

年度 受験者数 合格者数 合格者率
令和元年(第28回) 4,431 3,263 73,6
30年度(第27回) 4,861 3,712 76.4
29年度(第26回) 4,622 2,667 57.7
28年度(第25回) 4,527 3,032 67.0
27年度(第24回) 4,775 3,504 73.4

きゅう師国家試験

令和元年から5年間の平均合格率は71.6%です。
はり師の合格率と同様に27年度から合格率がじわじわと低下しましたが、30年度に合格率が上がりました。

年度 受験者数 合格者数 合格者率
令和元年(第28回) 4,308 3,201 74,3
30年度(第27回) 4,655 3,656 78.5
29年度(第26回) 4,555 2,845 62.5
28年度(第25回) 4,443 3,010 67.7
27年度(第24回) 4,732 3,550 75.0

試験成績等通知書

受験者に試験成績等通知書が郵送されます。

合格証書

合格者に合格証書(試験成績等通知書を含む)が郵送されます。

トレーナーエージェンシーでは、

トレーナーとして必要な素養
具体的なトレーナーの働き方
おすすめの資格
トレーナー資格試験の力試し模擬問題
うまく行く人/いかない人の違い

などをまとめた「【完全版】未経験からトレーナーになるための攻略ガイドブック」を”無料でプレゼント“しております。(内容の一部を先んじて見せちゃいます!)

下記ボタンからダウンロードできますので、ぜひご確認いただいた上で、ご自身の学習にお役立てください。

ダウンロードはこちら

トレーナーエージェンシーでは、

トレーナーとして必要な素養
具体的なトレーナーの働き方
おすすめの資格
トレーナー資格試験の力試し模擬問題
うまく行く人/いかない人の違い

などをまとめた「【完全版】未経験からトレーナーになるための攻略ガイドブック」を”無料でプレゼント“しております。(内容の一部を先んじて見せちゃいます!)

下記ボタンからダウンロードできますので、ぜひご確認いただいた上で、ご自身の学習にお役立てください。

ダウンロードはこちら

鍼灸師になるにははり師ときゅう師の国家資格が必要!

白衣の女性

鍼灸師になるためには、はり師ときゅう師の国家資格が必要なことがお分かりいただけたと思います。
ここで今回の内容を表にまとめました。

一般 視覚障がい
受験地 11か所 47都道府県
補助具の使用 ×
補助具の使用に関する詳細はこちら
「はり師」あるいは「きゅう師」のみ受験
設問数 午前80問,午後70問
試験時間 午前2時間,午後1時間45分(合計3時間45分) 午前3時間,午後2時間40分(合計5時間40分)
「はり師ときゅう師」の両方受験
設問数 午前80問,午後80問
試験時間 午前2時間,午後2時間(合計4時間) 午前3時間,午後3時間(合計6時間)

年に1度しか国家試験が実施されないため、十分な勉強が必要です。
さらに1日に2つの国家試験を受験するためには、体力の維持と集中的が重要でもあります。

合格率の低い国家試験ではないので、計画的に準備をして試験に臨めば合格は目指せます。
また、合格したあとは免許の交付申請も忘れないようにご注意ください。

参考:はり師国家試験の施行|厚生労働省より
参考:きゅう師国家試験の施行|厚生労働省より
参考:【2020年最新版】鍼灸師ってどんな仕事?なるためには?資格や給料、仕事内容などを調査しました | なるほど!ジョブメドレーより
参考:鍼灸師に必要な資格とは? 鍼灸師の国家試験は難しい? 資格取得に必要な費用も解説! | モアリジョブより
参考:鍼灸師の資格を取るためにかかる費用とは|医療のお仕事辞典より
参考:第25回あん摩マッサージ指圧師国家試験はり師国家試験 きゅう師国家試験受験案内より
参考:第27回あん摩マッサージ指圧師国家試験はり師国家試験 きゅう師国家試験受験案内より

PR トレーナー求人情報

※掲載店舗は、一部のみです。ご了承ください

nishio

nishio

トレーナー向け記事ランキングarticle ranking

カテゴリ 一覧

パーソナルトレーナー向け

トレスク講座資料