鍼灸に関連するスクール選びの6つのポイント【総まとめ】
鍼灸の仕事をするには、まず学校で学ぶ必要があります。では、鍼灸に関連する学校を選ぶにはどのようなことをポイントにすれば良いでしょうか。鍼灸資格を取得するため、押さえておきたいこと。それは何かを知って、学校を選ぶようにしましょう。
1)そもそも鍼灸とは?
鍼灸とは、はり・きゅうで治療することで、はり師・きゅう師が行います。はり師・きゅう師ははり・きゅうでアレルギー、頭痛、ぎっくり腰、不妊、認知症、小児喘息など、様々な疾患を治療します。
その行為は、外科的な手術や薬物療法ではなく、補完代替医療・予防医療として位置付けられます。いわゆる、東洋医学です。近年は、スポーツ選手や、美容に関心が高い人など、鍼灸療法での治療を希望する人が増えています。そのための知識や技術を学ぶのが鍼灸に関する学校です。
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2)鍼灸に必要な資格って?
鍼灸は、国家資格が必要な仕事です。そのため、はり師・きゅう師になるには、「はり師」資格、「きゅう師」資格という国家資格を取得する必要があります。はり師・きゅう師は医師以外で独立開業できる数少ない医療資格です。
鍼灸に関連する学校では、このはり師・きゅう師になるためのことを学びます。鍼灸は、人間の身体にある多くのツボに対して鍼や灸を用いて治療します。人間が持つ「自然治癒力」を高め、患部の治療や病気の予防を行います。はり師・きゅう師になるには、厚生労働大臣が認定した養成施設において3年以上、解剖学、生理学、公衆衛生学などの基礎系科目と東洋医学概論、経絡経穴概論、鍼灸理論、鍼灸実技などの専門科目を履修した上で、国家試験に合格する必要があります。
鍼灸は、運動器系疾患だけではなく、消化器系・呼吸器系・眼科系・婦人科系など、いろいろな疾患に対する治療の有効性がWHO(世界保健機関)で認められているのです。
3)鍼灸に関連するスクール選びのポイント6つ
ポイント1:授業人数
授業人数はどのくらいでしょうか。1つの授業で同時に受ける人数が多すぎると、どうしても授業内容が平均的で大味なものになってしまいがちです。できれば、30人以下の少人数制を取っているのが利用的です。少人数であれば、個別指導で苦手科目を克服したり、授業内容も、より密度の高いものになることが期待できます。
ポイント2:担任制であるか
授業は担任制でしょうか。毎回講師が変わってしまうと、授業内容に一貫性が保たれない可能性が出てきます。それに、個人の理解度・進捗に合わせた指導を期待することができません。そのため、担任制であるかどうかは、学校選択の重要なポイントのひとつであると言えます。
ポイント3:実技演習は充実しているか
はり師・きゅう師として活躍するには、知識と技術に加えて経験が必要になってきます。当然、座学だけで身につくことには、限界があります。学校で、実技演習があるのか、臨床体験ができるのかは重要です。現役の治療医院の先生や治療家による演習が珠実していると、卒業後に即戦力として、活躍できる場が広がります。
ポイント4:鍼灸以外のことも学べるか
鍼灸に関する学校を卒業したからといって、全ての人が鍼灸の仕事をするとは限りません。学校によっては、柔道整復師、美容やアロママッサージ、薬膳、それに加えてスポーツトレーナーの技術も学べることところもあります。これら鍼灸以外を学ぶことで、卒業後の仕事の選択肢が大きく広がり、幅広い分野で活躍できる可能性が出てきます。
ポイント5:卒業後サポート制度があるか
鍼灸は生涯技術研鑽していくものです。そのため学校を卒業した後、学校との関わりはそれっきりというのは、非常にもったいないことです。学校によっては、卒業後に臨床経験を積み重ねることができる研修制度を持っているところがあります。その様な学校を選べば、卒業後も継続して、臨床経験を積み重ねていくことができます。
ポイント6:学費サポート制度があるか
もし学費のことに心配がある場合は、学費サポート制度があるかどうかも、学校を選ぶときのポイントにしましょう。お金の心配を持ったままでは、授業に集中できません。公的な奨学金の他、東京都修学資金制度のように自治体によっては一定の条件を満たすことで変換が免除になる制度もあります。
また、学校独自の学費免除制度を設けているところがあります。提携病院や施設から学費が支給される制度もあります。これらの制度が志望する学校にあるのかどうか、制度を利用できる条件を満たすことができるのかどうかを調べて、学校選びのポイントにすると良いでしょう。
4)鍼灸に関連する学校で学ぶこととは?
鍼灸に関連する学校で学ぶことを見ていきましょう。一年次には、基礎医学と実技を学びます。まずは、人体の構造と機能について、東洋医学と西洋医学の両面から学びます。合わせて鍼灸の基礎である、経穴の位置・経路の走行を修得します。
実技では、鍼の刺し方、灸のすえ方の基本技術を身に付けていきます。二年次になると、応用・実践実技を学びます。西洋医学の領域と東洋医学を有機的に結び付け、心身の病的状況とその治療法などについて知識を深めます。鍼や灸による具体的かつ実践的な施術方法を修得するのもこの段階です。
三年次には、総合実践力・国家資格に関する学習を行います。また附属施術所で臨床実習を行う場合もあります。国家試験対策への取り組みが重要課題になります。加えて、希望する職域に合せた専攻も学びます。
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5)鍼灸に関連する学校の学費
鍼灸に関連する学校の学費は、学校により様々ですが、ある学校の鍼灸学科を例に見てみましょう。入学金は、30万円です。授業料は、年間97万円。実習費として別途、年間5万円必要です。合計で、一年次は132万円、二年次以降は102万円必要となります。これ以外には、教科書、教材、教具等の費用が必要となります。
6)鍼灸の学校に関するQ&Aコーナー
【Q1】はり師・きゅう師の国家試験の合格率はどのくらいなの?
はり師・きゅう師の国家試験の合格率はどのくらいでしょうか。全国平均ですが、はり師の国家資格合格率は、74.5%です。きゅう師の国家資格合格率は、75.8%です。学校を選ぶ際に、学校の国家資格合格率が、この全国平均の合格率よりも高ければ、授業内容が充実していて実践的だと言えるでしょう。
【Q2】学校を卒業した後は、どんな仕事に就けるの?
鍼灸に関連する学校を卒業したからといって、全員が鍼灸の仕事をするわけではありません。鍼灸治療院の他に、福祉施設や美容関連サービス業、病院、スポーツ関連施設、プロスポーツチームなど、幅広い職業の選択肢があります。
そのため学校では、鍼灸だけではなく、幅広い分野に関連することを学ぶよう意識しましょう。参考までに、ある学校の進路割合は次の通りです。鍼灸院・鍼灸整骨院・訪問施術所といった施術所への就職割合が58.1%。開業が10.9%。診療所・病院が9.1%。介護保険施設が7.3%。進学が5.5%。研修が3.6%。その他が5.5%です。
【Q3】働きながら鍼灸の学校に通うことはできるの?
鍼灸に関連する学校の中には、夜間部を設けているところもあります。夜間部であれば多くの場合、始業開始は18:00以降に設定されているため、仕事をしながら学校に通うことが可能です。また夜間部は、幅広い年齢層が学んでいるケースが多くあるため、一旦鍼灸以外の道を目指して就職した人だとしても、改めて鍼灸のことを学びたいと思い立ったときに年齢を気にすること無く、学ぶことができます。
【1】鍼灸とは、はり・きゅうで治療することで、はり師・きゅう師が行う。
【2】はり師・きゅう師になるには「はり師」資格、「きゅう師」資格という国家資格を取得する必要がある。
【3】学校選びのポイントは、授業人数、担任制、実技演習、鍼灸以外のことも学べるか、卒業後サポート制度、学費サポート制度の6つ。
【4】三年次は国家試験対策への取り組みが重要課題となる。
【5】学校の中には夜間部を設けているところもあり仕事をしながら学校に通うことが可能。
・参考
学校法人西田学園アルファ医療福祉専門学校(https://alpha-net.ac.jp/)
学校法人花田学園(https://www.hanada.ac.jp/)
首都医校(https://www.iko.ac.jp/)
日本医学柔整鍼灸専門学校(https://www.jusei-sinkyu.com/)
学校法人呉竹学園呉竹鍼灸柔整専門学校(https://www.kuretake-yokohama.ac.jp/)
明治東洋医学院専門学校(https://www.meiji-s.ac.jp/)
学校法人大麻学園四国医療専門学校(http://www.459.ac.jp/)