スポーツトレーナー

海外で活躍するスポーツトレーナーになるには?必要な資格とその取得方法を解説

海外でスポーツトレーナーやパーソナルトレーナーとして活躍することは、多くのトレーナーにとって憧れの目標です。

特にアメリカでは、スポーツトレーナーがアスリートの健康やパフォーマンス向上に大きな役割を果たしており、専門的な知識と技術が求められます。そのため、アメリカは勿論のこと海外で活動するためには、トレーナーの認定資格やスキルが必要不可欠です。

そこで本記事では、海外でスポーツトレーナーとして働くために必要な資格やその取得方法、さらにどのようなスキルが求められるのかを詳しく解説していきます。

海外でスポーツトレーナーとして働くには資格が必要?

日本では、必ずしも特定の資格が必要とされるわけではなく、資格がなくてもスポーツトレーナーとして働くことが可能です。

しかし、資格を持っていることでお客様からの信頼性が高まりキャリアの幅が広がるため、資格を取得しておくことで有利になります。

一方、アメリカでスポーツトレーナーとして活動するためには、NATA-ATCを取得することが必要です。実際にNATA-ATCがなければ、公式の大会や活動に参加することは認められません。

したがって、アメリカでスポーツトレーナーとしてのキャリアを築きたい場合、NATA-ATCの取得は避けて通れない道と言えます。

以上の通り、基本的にはどの国でも保有資格がなくともスポーツトレーナーとして働くことは可能ですが、アメリカのように資格がないとトレーニング指導する土俵に立てない諸外国もありますので、海外でのキャリア形成をお考えの際は資格を取得して損はないでしょう。

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アメリカのスポーツトレーナーの役割とは?

アメリカでは、スポーツトレーナーは「アスレティックトレーナー」と呼ばれ、スポーツ活動や大会ではアスレティックトレーナーがその場にいることが必須とされています。また前述の通り、アメリカで活動するためにはNATA-ATCの資格取得が必要です。

アスレティックトレーナーの具体的な役割は多岐にわたり、以下のような業務を担当します。

・スポーツ中に発生するケガや障害の防止
・ケガや障害が発生した際の初期対応
・チーム内での医療サポートや選手へのケア
・リハビリテーションの指導
・アスリートやスポーツ関係者への指導やメンタルサポート
・トレーニング施設やリハビリ室の管理と維持

海外で働くスポーツトレーナーにおすすめの資格3選

海外でスポーツトレーナーとして活躍したい場合、資格を取得することが求められる諸外国があることは先述の通りです。

そこで本項では、海外でスポーツトレーナーとして働きたい人におすすめの資格、

・NATA-ATC
・NESTA-PFT
・NSCA-CPT

以上3つの資格について詳しく解説します。

NATA-ATC

NATA-ATCは、アメリカでスポーツトレーナー(アスレティックトレーナー)として活動するために必要な国家資格です。

NATA(National Athletic Trainers’ Association:全米アスレティックトレーナー協会)が認定しており正式名称は「Certified Athletic Trainer(ATC)」です。アメリカでは95%のスポーツトレーナーがこの資格を取得しており、スポーツ現場で働くには必須の資格になります。

NATA-ATCを取得することで、アスリートのケガの予防や応急処置、リハビリテーション、パフォーマンス向上のための専門的なトレーニング法など、広範なスキルを身につけることができます。また、アメリカ国内のスポーツイベントやチームで働く際には、この資格がなければ公式に活動することはできません。

厳しい試験や実習が必要なため、NATA-ATCは非常に信頼性の高い資格とされています。しかし、資格を取得すれば、アメリカだけでなく国際的なキャリアを築く道も広がりますので、資格取得を目指して勉強することをお勧めします。

NATA-ATCの取得方法

NATA-ATCを取得するための条件は以下の3つです。

・アメリカの大学に留学する

CAATE(アスレティックトレーニング教育認定委員会)が公認する約350校の4年制大学、または大学院のアスレティックトレーナープログラムを卒業することが必要です。大学の授業はすべて英語で行われるため、高い英語力が必要です。

・卒業までにインターンシップを経験を積む

卒業までに700〜800時間のインターンシップを通じて実習経験を積むことも必要です。このインターンシップは、実際の現場での経験を積む絶好の機会で、資格取得に向けた準備となります。

・3種類の認定試験に合格する

3つ目の条件として、卒業後1年以内に3種類の試験に合格する必要があります。

試験は、

・トレーナーとしての基礎知識や専門知識に関する筆記試験
・NATAに関する問題
・外傷や障害への対応を行う実技試験

以上の3種類です。

試験は2か月ごとに実施され、1年以内にすべての試験に合格すればNATA認定トレーナーの資格が取得できます。ただし、1年以内にすべての試験をクリアできない場合は、再度出願し、試験を受け直す必要があります。

NATA-ATC取得後の就職先

NATA-ATCを取得した後、最も一般的な就職先はアメリカ国内でのアスレティックトレーナーです。特にプロのスポーツチームと専属契約を結ぶことが多く、アスリートの健康管理やパフォーマンス向上をサポートする役割を担います。

また、NATA-ATCの資格は国際的に評価されているため、日本国内でもスポーツジムやフィットネスクラブでの就職においても大きなアドバンテージとなります。

さらに、海外で活動するスポーツチームと日本国内で専属契約を結ぶことも可能です。資格取得後は、アメリカのみならず、グローバルに活躍できるチャンスが広がります。

NESTA-PFT

NESTA-PFT(National Exercise and Sports Trainers Association – Personal Fitness Trainer)は、国際的に認知されているパーソナルトレーナー資格の1つで、アメリカをはじめ世界中で活躍できるフィットネス資格です。

NESTAはスポーツトレーニングやフィットネス、パーソナルトレーニング分野において高い評価を受けており、この資格を取得することで、トレーニング指導や健康促進の専門知識を持ったプロフェッショナルとしての証明となります。

NESTA-PFTは、実践的なトレーニング技術に加え、栄養学や運動生理学、さらにはビジネススキルまでを幅広く学べるカリキュラムが特徴です。

NESTA-PFTの受験資格

NESTA-PFTを取得するには、認定試験に合格する必要があります。認定試験を受験するためには、以下の条件を満たすことが必要です。

・NESTA-PFTの公式テキストを購入していること
・CPR(心肺蘇生法)やAED(自動体外式除細動器)の技能を習得・保持していること
・日本国籍を持つか、もしくは日本での就労可能な在留資格を有していること
・満18歳以上で高校を卒業しているか、高卒認定資格試験合格者、またはNESTAが認定する教育カリキュラム修了者であること
・以下のいずれかの1つ以上の条件を満たしていること
 ①1年以上のパーソナルトレーナーやインストラクターなどの実務経験があること
 ②1年以上の運動部指導やフィットネス企業での勤務経験があること
 ③体育系または医療系の大学・専門学校を卒業していること
 ④NESTA認定の養成講座やコースを受講済みであること

これらの条件を満たした上で、試験に合格すればNESTA-PFTの資格を取得することができます。

NESTA-PFTを取得する3つのルート

NESTA-PFTを取得するには、以下の3つのルートがあります。

・ダイレクトコース

1つ目は「ダイレクトコース」で、事前講座を受けることなく、直接試験を受けるルートです。

この方法のメリットは、費用を抑えられる点で、既にトレーニングの知識や経験がある方におすすめです。

・NESTA養成講座を受講する

2つ目は「NESTA養成講座」を受けて受験するルートです。

NESTAが開催する試験対策講座で、オンラインで受講可能な「Webコース」や、セミナー形式で行われる「ゼミコース」が選べます。これにより、試験に向けた効率的な準備が可能です。

・NESTA認定校でに通って受験する

3つ目はNESTA以外が運営する「NESTA認定校」スクールに通い、試験対策を進める方法です。

この方法は、より体系的に学びたい方に向いていて、専門的な指導を受けながら資格取得を目指すことができます。

NESTA-PFT取得後の就職先

NESTA-PFTを取得すると、日本国内のスポーツトレーナーとして活動するだけでなく、プロスポーツチームと専属契約を結ぶことも可能です。特に、プロアスリートやフィットネス業界でのニーズが高まっているため、資格を持っていることで信頼性が向上し、より多くのキャリアチャンスが広がります。

また、NESTA-PFTは世界的にも認知されている資格であるため、国内外を問わず幅広いフィットネス業界での活動が可能です。

就職に限らず、フリーランスとして個人トレーナーとして働くことや、自分自身でスポーツジムを開業することも視野に入れることができます。

NSCA-CPT

NSCA-CPT(National Strength and Conditioning Association Certified Personal Trainer)は、パーソナルトレーナーとして世界的に認知されている資格で、特にアメリカをはじめ多くの国で高く評価されています。

NSCA-CPTを取得することで、解剖学や生理学、トレーニングプログラムの設計など、トレーニング指導に必要な幅広い知識を習得し、お客様一人ひとりに合わせた指導が可能になります。

パーソナルトレーナー資格の中でも特に専門性が高く、民間資格の中でも質の高い知識を習得できる点が大きな特徴で、NATA-ATCを取得している人でも、さらなる専門知識を得るためにNSCA-CPTを受験するケースが多くあります。

NSCA-CPTの資格を持つことで、スポーツジムやフィットネスクラブ、リハビリ施設などでの就職が有利になり、プロのトレーナーとして信頼される存在になることが可能です。

NSCA-CPTの取得方法

NSCA-CPTの資格を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。

・NSCAジャパンの会員であること
・満18歳以上で、高等学校を卒業しているか、高等学校卒業程度認定試験に合格していること
・有効なCPR(心肺蘇生法)およびAED(自動体外式除細動器)の認定者であること
・NSCA-CPT認定試験に合格すること

試験内容は、NSCAが提供する公式テキストを基に、解剖学や生理学、トレーニング理論、栄養学など幅広い分野の知識が問われます。試験は筆記形式で実践に即した内容が多く、マークシート方式で出題されます。

独学での挑戦も可能ですが、パーソナルトレーナー養成スクールに通うことで、より効率的に学習を進めることができます。

NSCA-CPT取得後の就職先

NSCA-CPTを取得した後の主な就職先は、フィットネスジムのトレーナーやパーソナルトレーナーが一般的です。お客様に合わせたトレーニングプランの作成や健康維持・体力向上をサポートする役割を担います。

またNSCA-CPTを持っていることで、プロスポーツチームと専属契約を結び、アスリートのパフォーマンス向上をサポートする仕事に就くことも可能です。さらに、接骨院やリハビリ施設などでも、トレーニングやリハビリ指導の専門家として活動することができます。

NSCA-CPTを取得することで、スポーツトレーナーとしての専門知識とスキルが証明されるため、キャリアアップにも大きく貢献します。資格を持つことで信頼性が高まり、より多くの就職チャンスやキャリアの幅を広げることができます。

資格以外に海外でスポーツトレーナーになるために必要なスキル

海外でスポーツトレーナーとして成功するためには、資格以外にも、いくつかの重要なスキルが必要です。

本項では以下3つのスキルをご紹介します。

・コミュニケーションスキル
・海外環境への適応能力
・外国人の骨格を踏まえた知識の専門性

いずれも一朝一夕に身につくスキルではありませんが、海外でのキャリアを考える際には避けて通れないスキルですので事前に確認しておきましょう。

コミュニケーションスキル

特に、日本と海外では文化や価値観が異なるため、コミュニケーション能力が非常に重要になります。

例えば、アメリカやヨーロッパでは、お客様やアスリートとの意見交換が積極的に行われる文化があるため、双方向のコミュニケーションが求められます。

また言葉だけでなく、相手の文化や慣習に配慮した指導方法を取ることが、信頼関係の構築に欠かせません。英語をはじめとする多言語スキルも、国際的な環境で働くための大きな強みとなります。

海外環境への適応能力

さらに、国や地域によってスポーツに対する考え方やトレーニング手法も異なるため、柔軟な適応力も不可欠です。

文化的な違いを理解し、それを指導に反映できる能力が、海外で成功するための大きなポイントとなります。

外国人の骨格を踏まえた知識の専門性

最後に、海外で活躍するためには、現地のトレーナーに負けない高い専門性が必要です。例えば、日本人と欧米人では体格や骨格の違いがあり、このミスマッチがケガや不調につながることもあります。

そのため、日系人を対象にしたトレーニングプログラムを開講するなど、特定のコミュニティや文化に合わせたトレーニングを提供することで、現地のトレーナーとの差別化が図れます。

現地のニーズに応じた専門的な指導ができることが、海外での競争に勝つための鍵となります。

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海外でスポーツトレーナーになるためにスポーツ留学をしたほうが良い?

スポーツトレーナーとして海外で活躍するためには、必ずしもスポーツ留学が必要というわけではありません。しかし、留学は日本と海外のスポーツ文化やトレーニング手法の違いを実感できる貴重な経験となります。

留学中には、日本ではあまり見られないトレーニング器具や、欧米のスポーツ業界のトレーニングプログラムを学ぶことができ、現地のトレーナーの考え方や指導方法を体験することが可能です。

さらに留学は、海外でスポーツトレーナーとして必要なスキルを身に付けるチャンスでもあります。前述の通り、異なる文化や環境で活躍するためには、さまざまなスキルが求められます。留学は将来のキャリアを伸ばす絶好の機会となるでしょう。

まとめ

今回の記事では、アメリカを中心に海外のスポーツトレーナーの役割やおすすめの資格、必要なスキルについて解説しました。

海外でスポーツトレーナーとして働くには、資格やトレーニングに関する知識だけでなく、英語力や文化や価値観が異なるお客様とのコミュニケーション能力が必要です。お客様の文化に合わせた、柔軟な対応力が求められます。

また、日本人と欧米人の体格や骨格の違いなど、文化以外の違いもあります。ミスマッチの中無理に指導を行ったりせず、自分の専門性を高めることも海外でのキャリアを成功させるためには重要です。

一方で、日本のパーソナルトレーニング市場も急速に拡大しており、国内でも多くのキャリアチャンスがあります。必ずしも海外で働く必要はありませんが、国際的な経験や資格は国内でも大きな強みになります。自分の目指すキャリアに合わせて、国内外での活動を視野に入れることが大切です。

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