ヘルスケアトレーナーとは?資格取得のメリットや仕事内容について解説!
ヘルスケアトレーナーという名前は馴染みのある単語が並んでいますが、実際にどのような仕事を行う人たちか、あまり知られていないのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、ヘルスケアトレーナーの概要や資格取得のメリット、具体的な仕事の内容についてご紹介します。
ヘルスケアトレーナーとは?
ヘルスケア・トレーナー資格は、働く人が健康を維持できるようにサポートする資格で、中央労働災害防止協会という労働安全衛生水準の推進を行っている団体が認定しています。
国は事業場における労働者の健康保持増進のための指針としてTHP指針を定め、心身の健康維持に取り組んでいます。そのTHPの指導者として登録されている7つの資格のうちの1つがヘルスケアトレーナーです。
THP指導者に規定されているヘルストレーナー以外のスタッフには、
・健康測定研修終了医師
・ヘルスケアリーダー
・心理相談員
・産業栄養指導者
・産業保健指導者
・健康づくりマネージャー
の資格があり、それぞれの研修を終えた人たちに資格が与えられます。
研修には、
・健康測定専門研修
・運動指導専門研修
・運動実践専門研修
・心理相談専門研修
・産業栄養指導専門研修
・産業保健指導専門研修
・健康づくり推進スタッフ養成研修
の7つがありますが、そのうちヘルスケアトレーナーは、運動指導専門研修を終えたスタッフに与えられます。
THPは、ほとんどが有資格者の知識や見識をプラスするための資格なので単独で取得することはなく、またこの資格単独では就職などができるわけではありません。
あくまでも、運動指導・理学療法士・作業療法士など専門的な資格を持っている人がさらに専門知識を得て、スキルアップを図ることを主眼とした資格です。
こういった職種の方の活躍の場は、企業や健康施設、フィットネスジムなどになります。
具体的な業務内容としては、企業などで産業医の指導により運動カリキュラムの作成や健康指導を行います。また、スポーツ関連施設やスポーツジムなどで、健康測定などの結果によって最適な運動プログラムなどを作成します。
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・トレーナーとして必要な素養
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ヘルスケアトレーナーが生まれた背景と現状について
先述の通り、THPの指導者としてヘルスケアトレーナーを含め7種の資格が存在するとご説明しましたが、なぜヘルスケアトレーナーは資格として生まれたのでしょうか。
本項では、
・ヘルスケアトレーナーが生まれた背景
・ヘルスケアトレーナーの現状
の2つの点について詳しく説明します。
ヘルスケアトレーナーが生まれた背景
ヘルスケアトレーナーが生まれた背景には、仕事に対するストレスや肥満の増加、働く人の高齢化などの社会的な問題があります。
労働安全性衛生法の第69条に、「事業者は、労働者に対する健康教育及び健康相談そのほか労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるように努めなければならない」とあるように、雇用主は労働者の健康を維持するよう努めなければなりません。
また、厚生労働省も、企業が取り組むためのヘルスプラン計画であるTHPを定め、働く人の心身の健康づくりを目指してます。
ストレスや肥満、高齢化など働く人たちの健康が危ぶまれている今、国は働く人の健康を守る必要性を感じています。このような背景から、健康維持のサポートをするためのヘルスケアトレーナーは生まれたのです。
ヘルスケアトレーナーの現状
残念ながら現在、ヘルスケアトレーナーの資格取得に必須の運動指導指導専門研修は開催されておらず、また今後の開催予定もありません。
研修期間が2週間と長期であったことや、20万円という研修参加費用が高額であったことから受講者が集まらなかったことが原因と考えられています。そのため、ヘルスケアトレーナーの新規での資格取得はできない状態にあります。
それを受けて中央労働災害防止協会は、ヘルスケアトレーナーに比べて研修が受けやすい新たなTHP指導者である「健康づくりマネジャー」という資格を作りました。
「健康づくりマネジャー」については次章以降で解説します。
THPスタッフ「健康づくりマネジャー」になるための方法とは?
ヘルスケアトレーナーの代替として生まれた、健康づくりマネージャーですが、具体的にどのような方法で資格を得られるのでしょうか。
本項では、
・健康づくりマネジャーとは?
・対象者
・参加費
・標準カリキュラム
・健康づくりマネジャーに関するお問い合わせ先
の5点に触れながら、同資格の取得方法についてご説明します。
健康づくりマネジャーとは?
健康づくりマネジャーとは、働く人の健康維持を目的として集団教育プログラムや個人へのアプローチ法などを習得することで職場での健康づくりに貢献する資格です。
健康づくりマネジャーの資格は、食生活や睡眠、休養、虫歯の予防などに関する基礎的な知識を学ぶために行われる健康づくり推進スタッフ養成研修を修了すると与えられます。
健康づくりマネジャーの役割はヘルスケアトレーナーと似ていますが、以下の3点が大きく異なります。
・ヘルスケアトレーナーに比べて研修費用が低く抑えられていること
・ヘルスケアトレーナーに比べて研修期間が短いこと
・看護師などの医療従事者に加えて、総務や人事に携わる人も対象者になっていて、より多くの人が職場の健康維持に貢献できること
対象者
・職場の健康づくりを推進する人(看護師、保健師、健康運動指導士、理学療法士、管理栄養士など)
・人事・労務担当者、衛生管理者等の産業保健スタッフ
参加費
2024年8月現在では、以下の参加費が定められています。
・賛助会員:42,570円
・一般:47,300円
標準カリキュラム
カリキュラムは、動画事前学習(6.5時間・視聴期間7日間)と集合研修2日間で行われます。
動画事前学習(視聴期間7日間)
集合研修1日目の受付時に「動画事前学習確認レポート」をご提出します。
・働く人の健康づくり動向
・睡眠教育
・食生活と健康
・口腔健康
・禁煙支援
・飲酒
集合研修(1日目)
・運動、身体活動を通じた腰痛、転倒対策
・働く場でできる運動、身体活動
・企業の事例紹介
・参加者相互の情報交流
集合研修(2日目)
・行動科学理論を活かした健康支援
・健康づくりのABC~職場にあった健康づくりをデザインする~
健康づくりマネジャーに関する問い合わせ先
中央労働災害防止協会
公式サイト
・健康快適推進部
TEL 03-3452-2517
FAX 03-3453-0730
E-mail:kenko@jisha.or.jp
・大阪労働衛生総合センター
TEL 06-6448-3464(代)
FAX 06-6459-4195
E-mail: osaka@jisha.or.jp
健康づくりマネジャーの資格を取得する3つのメリットとは?
スポーツに関係する資格は、現在では多く存在します。その中でも健康づくりマネジャーの資格を実際に取得すると、どんなメリットが得られるのでしょうか。
本項では、
・取得は講習を受講するだけ
・パーソナルトレーナーになるのに有利
・今後も需要は増える見込み
の3つのメリットをご紹介します。
取得は講習を受講するだけ
多くの資格は取得するのに試験に合格する必要がありますが、健康づくりマネジャーの資格は、講習を受けるだけで取得できます。
2日間の研修と動画の視聴時間は確保しなければいけませんが、テストで実力を出せるかを心配する必要がないため、研修を受けるだけで資格を取得できるのは大きなメリットといえるでしょう。
パーソナルトレーナーになるのに有利
近年人気のパーソナルトレーナーになるためには非常に有利な資格となっています。
パーソナルトレーナーは運動や食生活の指導を通して健康を維持する役割もあるので、健康づくりマネジャーはパーソナルトレーナーにはピッタリの資格といえます。
今後も需要は増える見込み
大型フィットネスクラブやパーソナルトレーナーを有するフィットネスクラブなどのトレーニング施設で、健康づくりマネジャーの需要が広がっています。この背景には、大手の施設が雇用するパーソナルトレーナーを増やしているためで、これからも資格の需要は増えていくでしょう。
現在の人口統計を見ると、年齢別の人数構成は70歳あたりに引退して手が空いている団塊の世代人数の山があります。この人たちのフィットネスブームが続き、しばらくすると沈静化しますが、すぐに第二次ベビーブームの世代である、昭和40年代生まれの人たちの山があります。
その年代の人たちの引退の時期である2025年の大阪万博のあたりから再び、フィットネスや英会話など余暇利用が再び始まると予想されますので、現在と同じようにフィットネスクラブへ通うお年寄りが増えるでしょう。今後しばらくの間は、健康づくりマネジャーの資格があるパーソナルトレーナーの需要はあると推測できるでしょう。
健康づくりマネジャーの将来性とは?
健康づくりマネジャーは将来性のある資格といえます。
超高齢化社会の進む日本では、働く人の高齢化が不安視されています。また、日本社会は世界の中でもストレス社会といわれ、職場でうつ病や不安障害などメンタルに問題を抱えている人も少なくありません。さらに食生活の欧米化やコンビニ食が主流になり、肥満や肥満が起こす健康問題に悩む人も増えています。
こうした状況は、今後も続くと予想されるため、働く人の健康維持をサポートする健康づくりマネジャーの必要性は今後ますます増えていくものと思われます。
働く人の健康維持に貢献したいという人は取得しておいて損はない資格といえるでしょう。
ヘルスケアトレーナー・健康づくりマネジャーに関するQ&A
ヘルスケアトレーナーに関する資格内容やメリット等をお伝えしてきました。本項では更に踏み込んで、よくある質問についてもお伝えをしていきます。
【Q1】ヘルスケア・トレーナーと健康づくりマネジャーの違いは何ですか?
健康づくりマネジャーの役割は、ヘルスケアトレーナーと似ていますが、以下の3点が大きく異なります。
・ヘルスケアトレーナーに比べて研修費用が低く抑えられていること
・ヘルスケアトレーナーに比べて研修期間が短いこと
・看護師などの医療従事者に加えて、総務や人事に携わる人も対象者になっていて、より多くの人が職場の健康維持に貢献できること
【Q2】健康づくりマネジャーはどの研修を終えた人に与えられますか?
健康づくりマネジャーの資格は、食生活や睡眠、休養、虫歯の予防などに関する基礎的な知識を学ぶために行われる健康づくり推進スタッフ養成研修を修了すると与えられます。
【Q3】健康づくりマネジャーに資格の有効期限はありますか?
登録有効期限は3年間です。登録の更新には6単位以上取得することが必要になります。計画的に単位を取得すると同時に、最新の情報を常に入手することが望まれています。
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まとめ
今回は、ヘルスケア・トレーナーと健康づくりマネジャーの資格を紹介しました。
新規でのヘルスケアトレーナーの資格取得はできないため、周りの人の健康を運動や食事、睡眠などの指導を通して貢献していきたい人は、健康づくりマネジャーの資格取得をおすすめします。
健康づくりマネジャー以外にもトレーナーとして人々の健康をサポートするという道もあります。トレーナーも人の身体の健康に関わる仕事のため、資格取得がとても重要になります。
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<参考>
【JISHA中災防】
【ダイナミックスポーツ医学研究所】
【総務省統計局】
【パーソナルトレーナーになるには】