未経験必見!パーソナルトレーナーにオススメの勉強法と資格6選をご紹介!
パーソナルトレーナーは、アスリートから一般のお客様までさまざまなお客様のトレーニング指導を行います。
実際に年収1,000万円を超える方がおり、稼げる職業としても知られるパーソナルトレーナーですが、実際にはどのような知識を勉強し、資格を取得すべきなのでしょうか。
そこで今回の記事では、パーソナルトレーナーに必要な知識や勉強して取得すべき資格、おすすめの本などをご紹介します。
パーソナルトレーナーの基礎知識
近年注目されるようになったパーソナルトレーナーという職業は、ダイエットや身体作りを指導する先生のようなイメージを持つ人が多いです。
しかし、実際の仕事内容や必要な知識などについて知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本項では、パーソナルトレーナー仕事の仕事内容について触れながら、トレーナーとして押さえておくべき知識を詳しくご説明します。
そもそもパーソナルトレーナーってどんな仕事?
パーソナルトレーナーは「身体の専門家」
パーソナルトレーナーとは、主にマンツーマンでお客様の身体的な悩みや問題を解決し目標達成をサポートする運動指導の専門家です。
マンツーマンでお客様にトレーニング指導をすることで、個人個人の悩みを深く掘り下げ、その人に合った問題解決法を提示できます。
当然、運動指導だけで解決できない悩みも出てきますので、栄養指導や食事指導など運動以外の手法を提案することもあります。
パーソナルトレーニングが利用される理由
特に運動をしてこなかった方が運動を始めるきっかけは、ダイエットやボディメイク、生活習慣病などを意識して「今までの不摂生な生活を正したい」と思うケースが考えられます。
しかし、運動習慣のない方が自己流で運動習慣を身に付けようとしても、習慣づかなかったり、一般に言われている方法では結果が出なかったりというケースが多いです。
パーソナルトレーニングは、年齢や性別、過去の運動歴などを考慮し、個人に合ったプログラムを作成します。そのため、お客様のニーズに沿った的確な提案と継続的な運動指導で自分に合った運動習慣や生活習慣が身に付き、目標を達成できる可能性が高くなります。
パーソナルトレーニングは、「自分に合った方法がわかる」「結果が出る」という点が魅力で、クライアントがパーソナルトレーニングを利用する主な理由となっています。
運動習慣がない人だけでなく、運動経験者が今まで以上の結果を求めてパーソナルトレーニングを利用するケースも多いです。
代表的な3つの必要知識
トレーニング指導
パーソナルトレーナーにとって最も求められるものは、やはりトレーニング指導です。
トレーニング種目の名称や効果、鍛えられる部位に関する知識はもちろん、安全にトレーニングするための注意点、より効果を出すためのポイントなどをきちんと理解し、わかり易い伝わる言葉で説明や指導できることが重要です。
栄養学
求められる結果がダイエットやボディメイクであれば、栄養学の知識も必須です。
流行のダイエット方法やカロリー制限法などは、根拠の不足した無責任なものも多くあります。
また、個人個人の体質やそれまでの生活習慣などにより、「合わない」「継続できない」といったケースもあるでしょう。
確かな栄養学に基づく個人の体質やときどきの体調、ストレス状況に合った柔軟な食事指導が求められます。
解剖学や運動生理学
お客様の身体的な悩みを解決するためには、その悩みが何に由来するのかを論理的に考える必要があります。そのため、悩みの原因を特定するためには解剖学の知識が欠かせません。
また、その悩みを解消するために必要な指導として、提案した運動法はどのような影響がありどのような効果が出るのか、説得力のある説明をするためには、運動生理学の知識も必要となります。
パーソナルトレーナーには、継続的に1対1の関係を続けることで問題点や改善点を見出し解決に導くことが求められるため、幅広い高度な知識が必要になるのです。
その他パーソナルトレーナーに必要な知識
パーソナルトレーナーに必要なのは、トレーニングや栄養学、解剖学のような専門知識だけではありません。
・対人能力(コミュニケーション力、コーチング力、観察力)
・マーケティングなどのビジネスに関する知識
もパーソナルトレーナーにとって非常に重要です。以下にて、それぞれの能力について以下で詳しく説明します。
対人能力(コミュニケーション力、コーチング力、観察能力)
トレーニングは継続してこそ結果が出ますが、トレーニングで負荷をかけることはお客様にとって辛いと感じることも多いため、トレーニングを継続することが困難な状況になってしまうことも多いです。
そのため、お客様の精神面をサポートしてトレーニングに対するモチベーションを上げ、トレーニングを継続させるためのコミュニケーションスキルやコーチングスキルは、パーソナルトレーナーにとって非常に重要な能力になります。
また、お客様はそれぞれ抱えている問題が違います。トレーニングの結果を出すためには、お客様を観察して問題を察知し、解決に導くことが必要です。そのため、パーソナルトレーナーには観察能力も大切な能力といえます。
マーケティングなどのビジネスに関する知識
パーソナルトレーナーとして独立開業を目指すなら、お客様を集客するマーケティングなどのビジネスに関する知識が必須です。
パーソナルトレーナーとしての知識や指導力が十分にあっても、ビジネスに関する知識や経営力がないと、集客ができず売り上げが上がらないという結果になってしまうからです。
パーソナルトレーナーに必要なビジネスに関するスキル・知識は以下のようなものが挙げられます。
・新規のお客様を獲得するための集客力
・現在メンバーになっているお客様を継続して通わせる営業力
・ランニングコストに関する計算力
・ターゲット層に合った開業するジムの立地条件の調査力
以上のようなマーケティング力を身に付けることで、独立開業を成功させることができます。
トレーナーエージェンシーでは、
・トレーナーとして必要な素養
・具体的なトレーナーの働き方
・おすすめの資格
・トレーナー資格試験の力試し模擬問題
・うまく行く人/いかない人の違い
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パーソナルトレーナーの役割を紹介!
高額なパーソナルトレーニングを利用する方は、明確な目標や動機がある場合がほとんどです。
そんなパーソナルトレーニングに通う彼らは、パーソナルトレーナーに対してどのような依頼をしているのでしょうか。
本項では、特に依頼が多い
・外見の問題解決
・身体機能の問題解決
・パフォーマンスに関する問題解決
の3点について目的やアプローチなどを以下で詳しく説明します。
外見の問題解決
目的:ダイエット・ボディメイク
パーソナルトレーニングと言えば、ダイエットやボディメイクのイメージが強いのではないでしょうか。
・ダイエット:「痩せること」「痩せるために食事を改善すること」
・ボディメイク:「体型を整えること」「身体を引き締めること」「筋肉をつけるなど好みの体型へ整えること」
という認識のされ方が一般的です。
健康や美容に意識の高い女性を中心に、外見の問題は重要な関心事項になっています。外見をより健康により美しく整えることで、生活の向上や自尊心の満足などにつながります。また、肥満が導く不調の防止、体調の改善などが期待される場合もあります。
必要なアプローチ:運動指導と栄養指導
肥満や体形の崩れへの対処には運動指導が必須です。生活習慣の予防のためにも体型改善のためにも、食事指導など栄養面からのアプローチが重要になります。
体型に関わることは、特にお客様がコンプレックスを感じていることが多いため、問題点を正しく聞き出すヒアリングやカウンセリングのスキル、会話や平常時の姿勢などから的確に改善点を見つけ出すための観察眼や分析力が必要となります。
身体機能の問題解決
目的:日常生活の快適化を目指す
パーソナルトレーニングを必要とするお客様の中には、身体的な問題から日常生活での動作に不便や困難を感じている場合もあります。例えば、慢性的な肩こりや腰痛、関節の痛みなどがある場合です。
こういった問題は後天的な怪我や障害のほか、加齢による自然現象でも起こります。また、最近は仕事でパソコンやタブレットを使うことが多いため、肩こりや緊張型頭痛などは若い人にとっても深刻な問題です。
そのため、身体機能の問題解決は、幅広い年齢層にニーズがあるといえます。
必要なアプローチ:身体に適したエクササイズ
これらの問題が起こっている原因が、姿勢の歪みや筋肉の発達のアンバランスなどにある場合には、適切なエクササイズによって改善できるケースがあります。加齢による場合には、悪化をより遅らせるなどの対策を提案します。
筋肉に関する知識以外にも、骨や関節、靭帯の種類や働き、動きの仕組みなどの解剖学の広範な知識とそれらを用いた適切なトレーニング指導が必要になります。
パフォーマンスに関する問題解決
目的:運動の効果を最大限に活かせる身体作りのサポート
パーソナルトレーナーの花形といえば、やはりアスリートの指導やサポートでしょう。スポーツで結果を出すためには、適切な姿勢で正しく身体を動かすことが大切です。
また、やみくもに身体を鍛えるだけではなく、該当のスポーツに適した体型を目指す必要もあります。
必要なアプローチ:運動指導と栄養指導 ※プロ選手に適した高度なもの
怪我や故障を防止しながらパフォーマンスの向上を目指すためには、レベルの高い知識と指導が求められます。正しい運動フォームへの理解はもちろんのこと、体力の維持向上、身体作りに必須の栄養学的アプローチも重要です。
また、モチベーション維持のためには説得力も必要になるため、運動効果をわかり易い言葉で説明するための運動生理学の知識やモチベーションを上げる言葉がけなどの信頼感を高めるためのコミュニケーションスキルも大切です。
お客様が持つ問題は個人差が大きいため、原因や求める結果が全く同じというケースは少ないです。広範な知識を身に付けて応用し、お客様に合った解決策を提示することで、一人ひとりの問題に真摯に向き合うことが、パーソナルトレーナーに求められる役割といえるでしょう。
パーソナルトレーナー向けのおすすめの勉強方法とは?
パーソナルトレーナーになるためには様々な知識やスキルが必要ですが、どのように勉強すればよいのでしょうか。
本項では、
・座学
・実践経験
の2つに分けて、パーソナルトレーナーとして活躍するための勉強法を詳しく説明します。
座学:基礎知識を身につける
パーソナルトレーナーとして活躍したい方はまず、基礎知識を身に付けることが重要です。
トレーニング方法に関する基礎知識として、
・レジスタンストレーニング
・自重トレーニング
・コアトレーニング
・スポーツの特性とスポーツに適したトレーニング方法
・ストレッチ指導
・身体の痛みの原因や予防方法
・正しい歩行指導
などを書籍やトレーナースクールを通して学ぶことをおすすめします。
また、トレーニング方法とともに身体の機能に関する知識を学ぶことも重要です。
・機能解剖学
・運動生理学
・栄養学
などの大学や専門学校などで学ぶような学問も、同時に身に付ける必要が
あります。トレーニング方法だけ知っていた場合でも、身体の仕組みを理解していないと過度なトレーニング負荷を強要してしまったり、十分な休息を指導できず、最悪の場合怪我に繋がります。
以上の知識を効率的に学ぶには、参考書や書籍、アプリなどを利用すると勉強しやすいです。
実践経験:トレーニングを実践してスキルを磨く
基礎知識を身に付けたら、トレーニングの場で知識を実践してスキルを磨きましょう。理想はトレーナーとしての指導経験を積むことが好ましいですが、ご自身でトレーニングを体感しながら地肉化するのも良いでしょう。実際にトレーニングしながら身に付けた知識を確認することで、理解をより深めることができます。
例えば、筋肉を実際に動かしながら機能解剖学の知識を確認すれば、どの筋肉が刺激されているかや、どの関節や骨が動きに関わっているのかが分かりやすくなります。また、筋肉を動かすことで身体にどのような反応が起きているかを考えれば、運動生理学の知識の復習になるでしょう。
栄養学も同じです。運動に必要な栄養素について考え、どのような種類の栄養素をどの程度摂取すれば良いのか実際に算出し、自分自身の身体でダイエットやボディメイクにどのような効果が出るのかを試してみましょう。
実際に自分の身体で実践することにより、学んだ知識を忘れにくくでき、トレーニングに応用が利くようになります。
ただし、自分の身体で試したことが全てのお客様に通用するわけではありません。人間の身体は身長や体重、年齢、運動歴、筋肉の大きさなど身体の特徴が一人ひとり違います。そのため、自分に効果があったトレーニングでも全く効果が出ないという人もいますし、それどころか合わないトレーニングをすることでケガの原因になることもあります。
従って、お客様個人に合ったトレーニングを考え、指導することがパーソナルトレーナーの役割であると理解しておきましょう。
パーソナルトレーナーの勉強におすすめな本7選
パーソナルトレーナーになるために書籍で勉強する方法があります。
本項では勉強におすすめな本として、
・健康運動の科学 -介護と生活習慣病予防のための運動処方
・ぜんぶわかる人体解剖図
・身体運動の機能解剖
・運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学
・スポーツ・健康づくりの指導に役立つ姿勢と動きの「なぜ」がわかる本
・ジムに通う人の栄養学(ブルーバックス)
・基礎から学ぶ! スポーツ栄養学
以上7つの本を以下にてご紹介します。
健康運動の科学 -介護と生活習慣病予防のための運動処方
人生百年時代といわれている現在、介護や生活習慣病予防のための運動が重要視されています。この本は、人体の機能や健康維持するための運動などを学ぶことができます。
健康運動科学は、健康寿命を延ばしたいというお客様に対応できるパーソナルトレーナーになるためには、必須の知識です。
ぜんぶわかる人体解剖図
解剖学を写真を使って分かりやすくビジュアル解説している本で、解剖生理学入門の決定版ともいわれています。
人体のしくみや働き、メカニズムなど解剖学と生理学を学べる本です。説明が丁寧で分かりやすいため、初心者には特におすすめです。
身体運動の機能解剖
アメリカで1948年に出版された本の翻訳版です。出版されて以来ロングセラーになっています。
この本の特徴は、筋肉が一つひとつ色分けされているため分かりやすいことです。運動で使う筋肉やその働き、筋肉の断面図などが描かれているため勉強しやすいでしょう。
また、この本はパーソナルトレーニングを行っている仕事場でも活躍します。実際にトレーニング指導の際の調べものにこの本を利用しているトレーナーもいます。
さらに、ワークシート付きで書き込みをしながら覚えられるのもこの本の大きな特徴の1つです。
運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学
解剖学の基礎知識を学ぶのにおすすめの本です。
運動器疾患の炎症や関節・筋肉の痛みのメカニズムや原因などを解剖学の視点から学べます。
また、機能解剖学についての専門知識も学ぶことができます。筋肉や神経についての専門知識は、お客様に合ったトレーニングプランを組む際に役立つでしょう。
スポーツ・健康づくりの指導に役立つ姿勢と動きの「なぜ」がわかる本
パーソナルトレーナーに人気の高い本で、「目に見えない筋の状態を、目に見える姿勢と動きから読み解く」ことがテーマになっています。
本の内容としてはまず、身体の構造や動きのメカニズムを知るために重要になる骨盤について詳しく解説されています。また、姿勢や動作、筋肉の関係も学べる内容になっています。
この本は、イラストや図が多いため初心者が学ぶにもおすすめです。お客様一人ひとりに合わせて効果的なトレーニングプログラムを作成するための知識などが学べます。
ジムに通う人の栄養学 (ブルーバックス)
栄養学の基礎知識が学べる本で、栄養学の初心者に特におすすめです。大学教授が書いている本のため、大学の講義形式で栄養学を学ぶことができます。
食事と運動は切っても切れない関係にあります。この本は、
・代謝とは何か
・筋肉を落とさずに摂取カロリーをどのように減らすか
・ビタミンやアミノ酸に関する研究
などの内容について分かりやすく説明されています。
基礎から学ぶ! スポーツ栄養学
この本は、パーソナルトレーナーに必要とされるスポーツ栄養学の知識が学べる本です。
内容としては、
・食品の栄養構成の基礎知識
・ビタミンやアミノ酸の働き
・エネルギー代謝
・運動生理学についての栄養学
などが詳しく書かれています。
この本は、基礎から学ぶというタイトルにはなっていますが、中級以上の栄養学の知識が紹介されています。そのため、初心者よりもパーソナルトレーナーとして専門的な知識を身に付けてさらに向上したい方におすすめです。
パーソナルトレーナーを目指す人におすすめのツール(アプリ)
パーソナルトレーナーになるための勉強法には、アプリで学ぶ方法もあります。
本項では、パーソナルトレーナーを目指す方におすすめのツールとして、
・骨格 – 解剖学3D アトラス
・筋肉暗記
・あそんでまなべる人体模型パズル
の3つのアプリを以下でご紹介します。
骨格 – 解剖学3D アトラス
人の身体の骨が3Dで見られるアプリです。骨のモデルを回転させたり、拡大させたり、様々な角度から見たりすることができます。
また、モデルやピンを選択することで解剖学的部位に関連する用語を表示させることもできます。表示させる用語は、11か国語から選べるようになっています。2か国語で同時に表示させることも可能です。
空いている時間を利用して効率的に解剖学が学びたいという人におすすめのアプリです。
筋肉暗記
176個ある全身の筋肉を遊びながら覚えるアプリです。顔の筋肉から足の筋肉までが紹介されている「筋肉カード」というものがあり、解剖学的に正確なCGイラストを見ながら筋肉を覚えていきます。
「筋肉絵合わせ」という神経衰弱のようなゲームをしながら筋肉を暗記することもできます。
単に勉強するだけでは飽きてしまう人や楽しみながら勉強したい人におすすめです。
あそんでまなべる人体模型パズル
内臓や骨格をジグソーパズルを使って覚えられるアプリで、ゲーム感覚で学べます。
勉強が苦手な人や普段の勉強の気分転換をしたい人にうってつけのアプリです。
パーソナルトレーナーの資格6種類
パーソナルトレーナーになるための必要な資格はありませんが、無資格よりも有資格者の方が、お客様からの信頼感や安心感を得られやすいです。加えて、何より資格を取得することでお客様の安全を守ることができます。
日本でも認知度が高く、持っていることでパーソナルトレーナーとしての活動が有利になる認定資格である
・NSCA
・NESTA
・JATI
を中心に、認定資格6つをご紹介します。
NSCA
概要
NSCAは1978年に設立されたストレングストレーニングとコンディショニングに関する国際的な教育団体です。本部はアメリカにあり、世界52ヵ国に約33,000人の会員が所属しています。
日本では、日本支部として特定非営利活動法人NSCAジャパン(日本ストレングス&コンディショニング協会)が活動しています。
トレーナー資格としては最も取得が難しいですが、それだけに認知度も信頼性も高く、企業への就職やキャリアアップの際には役立つ資格です。
認定資格「NSCA-CPT」
NSCA-CPTは、パーソナルトレーナー資格の中でも特に知名度が高く、主に一般のお客様を指導するパーソナルトレーナー向けの資格です。
NSCA-CPTを取得することで、お客様一人ひとりの要望に合わせて、効果的なトレーニングプランを考案したり食事指導が行えるようになります。
また、パーソナルトレーナーとして必要な基礎的な解剖学や生理学、栄養学だけでなく、運動や健康に関連する医学的な知識も身に付けることが可能です。
認定資格「NSCA-CSCS」
NSCA-CSCSは、NSCA-CPTと比較して、よりアスリート向けの専門性を持つ資格です。NSCA-CSCSの主な目的は、スポーツ障害の予防やパフォーマンス向上であり、取得することで安全で効果的なトレーニングプログラムを考案し、実行するための知識と技術を身に付けたことを証明できます。
指導対象は一般の人よりもアスリートに重点を置いており、特にパフォーマンス向上を目指すスポーツ選手へのサポートに強みがあります。そのため、パーソナルトレーナーとして活動したい方だけでなく、プロのスポーツチームや団体でのトレーニング指導に携わりたいと考えている方に特におすすめです。
また、競技特性に応じたトレーニング方法や、アスリートのフィジカルを引き上げる専門的な知識を学ぶことができるため、スポーツトレーナーとしてのキャリアを築く際に有利となる資格です。
受験資格
・NSCA-CPT
①NSCAジャパン会員である
②満18歳以上
③高等学校卒業者または高等学校卒業程度認定試験(旧:大学入学検定試験)合格者
④有効なCPR/AEDの認定者
⑤NSCA-CPT認定試験に合格
・NSCA-CSCS
①NSCAジャパン会員である
②学位(学士・修士・博士)取得者、または高度専門士の称号の保持者
③有効なCPR/AEDの認定者
④CSCS認定試験 基礎科学セクションに合格
⑤CSCS認定試験 実践/応用セクションに合格
勉強法
NSCAの資格は、パーソナルトレーナーの資格の中では最も難易度が高いと言われるだけあり、公式テキストは分厚く受験に必要な知識は多岐にわたります。
しかし、出題される問題の傾向はある程度決まっているので、必要な個所に絞って勉強することは可能です。
NSCAの公式テキストや受験対策教材等の購入、あるいはWeb講習を含む有料講習の受講などで対策を立てて臨むと良いでしょう。
また、大学・専門学校で資格取得を支援するカリキュラムを提供する認定校があるので、そういった機関を利用して勉強する方法もあります。
NESTA
概要
NESTAとは全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会の略で、1992年から活動している、アメリカ・カリフォルニアに本拠地を置くパーソナルフィットネストレーナーの資格認定団体です。
パーソナルトレーナーとしての知識、技術の教育だけではなく、ビジネスマインドも兼ね備えたプロフェッショナルなトレーナーを輩出し、成功をサポートすることを目的としています。
併せて、人々が「心と体の健康」を大切にし、実現するための手段や機会を提供するための活動をしています。
引用元:NESTAについて
認定資格「NESTA-PFT」
NESTAのトレーナー資格は、パーソナルフィットネストレーナー認定、通常「PFT」と略されます。
パーソナルトレーナーとして活動するためのトレーニング指導知識以外にも、自らジムを経営するなどフィットネス業界での独立開業を目指す方向けのビジネススキルも求められます。
受験資格
満18歳以上で、高等学校卒業以上の者、高卒認定資格取得者、またはNESTAが認定する教育カリキュラム修了者であることが第1の条件です。
加えて、CPR(心肺蘇生法)及びAED(自動体外式除細動器)の有効な資格を保持していること、公式テキストを購入済みであることが必要です。
実務経験、または体育系或いは医療系の教育機関の卒業実績がない場合には、さらに、NESTA認定講座を受講していなければなりません。
勉強方法
資格取得に必要な内容は絞り込まれており、パーソナルトレーナーとして本当に必要な知識だけを厳選して身につけるという印象です。
受験のための条件として購入する公式テキストで基本的な出題範囲が学べるので、繰り返しテキストを学習する、というのが主な勉強法となります。
また、実務経験者や専門教育機関での学習経験がない方には、認定講座を受講することになるため、ここでのカリキュラムも受験対策として有効です。
独学での勉強が難しいと感じる方は、資格取得を支援する認定校を利用するのも良いでしょう。
スペシャリスト資格
NESTAでは、上記のNESTA-PFT資格の他にも「スペシャリスト資格」を設けています。こちらは各分野や競技、種目に対応したスペシャリストとしての資格になります。
ダイエットやウェイトマネジメントといった目的別、更年期女性やシニア層といった対象年代別、水泳やテニスなどの種目別、または栄養学、と指導者個人が指導方針のアピールポイントとして求める方面に特化した、特定分野の資格を取得することができます。
JATI
概要
日本トレーニング指導者協会の略です。競技力向上や健康づくりなど、競技スポーツやフィットネス業界でトレーニング指導に携わる指導者たちが、相互研鑽を通じて専門性を高め、社会への貢献を果たすことを目指して集う組織です。
併せて、トレーニング指導者の社会的地位の向上や、資格の確立のための活動もしています。
認定資格「JATI-ATI」「JATI-AATI」「JATI-SATI」
JATI認定トレーニング指導者資格、略してJATI-ATIと呼ばれます。上位資格としてJATI-AATI、さらにJATI-SATIと段階の資格があります。
資格のレベルに応じて、一般の方の健康体力増進からスポーツ選手の体力強化・傷害予防を目的としたトレーニング指導まで幅広く行います。
また、トレーニングプログラム作成のみならずトレーニング施設運営の知識も含む、マルチに活躍できる人材の養成・認定を行っています。
受験資格
JATI-ATIの受験に必須の資格は、JATIの会員であることです。学歴としては専門学校以上の教育機関を卒業、または卒業見込みの者が前提になります。
また、高卒の場合は3年以上運動指導に従事した者であることが条件になります。
併せて、JATIの開催するトレーニング指導者養成講習会の受講も必須です。
勉強方法
資格取得を支援するために公式教材が充実しているので、これらを購入して勉強することになります。
また、受験資格の条件として必須の養成講習のカリキュラムも、受験対策として参考になるでしょう。併せて各地に養成学校が存在するので、こちらで学ぶ方法もあります。
その他3種類の資格
日本体育協会アスレティックトレーナー
スポーツ医学、科学の知識を活かしてスポーツを安全に、正しく、楽しく指導し、その本質的な楽しさや素晴らしさを伝えることを目指す「公認スポーツ指導者」を各種認定しています。
特に「アスレティックトレーナー」は機能解剖や運動学に関する専門的な知識を有し、競技者の健康管理やスポーツ障害、外傷の予防、救急処置、アスレティックリハビリテーション及び体力トレーニング、コンディショニングなどにあたる方のための資格で、パーソナルトレーナーとしても活かせる内容です。
コアコンディショニング協会(JCCA)認定トレーナー
人々の快適な生活のサポートやスポーツ愛好者のパフォーマンス向上に貢献する、コアコンディショニングの考え方のもと、セルフコンディショニングの意識と知識を普及させるための健康教育を行う団体です。
健康指導を通じた自己実現と社会貢献のため、人々に健康を提供し、人々が自分自身でその健康を守ることができる指導者の育成を目指します。
様々なセミナーを主催しており、ベーシックインストラクター、アドバンストトレーナー、マスタートレーナーの3段階のトレーナー資格をはじめ、シニアやキッズを対象とする指導資格やスポーツ講師の資格、その取得のためのセミナーなども提供しています。
日本ホリスティックコンディショニング協会認定資格
全身の筋連動、関節機能連鎖等を最適な状態にすることで健康維持やスポーツ能力向上を図ることのできる指導者の育成を目指しています。認定資格としてはFC(フィジカルコンディショナー)資格と、HC(ホリスティックコンディショナー) 資格があります。
FC資格はまたパーソナルトレーナーに必要な基礎知識と基本指導技術の修得を目指す、パーソナルトレーナー基礎講座と連動しており、こちらの講座を受講することで受験資格が得られるようです。
パーソナルトレーナーは身体の専門家としての広範な知識が求められることから、学習分野は幅広く、必要な勉強は多岐にわたります。
資格の種類も多いことから、奥深く、学びきれないほどの内容があります。学習意欲を旺盛に保ち、常にアンテナを高くして勉強してゆく姿勢が大切です。
パーソナルトレーナーの年収・将来性について
今や人気職種でもあるパーソナルトレーナーは、稼げる仕事のイメージがありますが実際の年収・将来性はどうなのでしょうか。
本項では、年収と将来性をそれぞれ分けて解説します。
パーソナルトレーナーの年収とは?
平均年収
パーソナルトレーナーにはさまざまな働き方があり、一般には企業社員や業務委託を請け負う個人事業主、ジム経営者の3業態が考えられます。
この業態すべてを平均すると、平均年齢は31.2歳、平均年収は約550万円と算出されています(2018年)。
日本の平均年収は422万円、教育・スクール講師などが294.4万円、美容関連職が261.8万円とされているので、職業別平均年収として考えると高収入でしょう。
年収の分布
一見平均年収の高いパーソナルトレーナーですが、働き方や個人の能力により収入に幅があるのが現実です。
企業に就職し社員として働く場合安定した収入が見込めますが、その場合は月収にして18万~25万ほどと、高収入として特筆するほどの収入が見込めるわけではありません。
一方のフリーランスや経営者は高収入が見込めますが、収入が不安定かつ初期投資や継続的な出費で最悪赤字になるケースもあるので注意が必要です。
高額所得者のケース
フリーランスやジム経営者の場合、年収にして300万~600万、プロアスリートとの契約なら1,000万円も望めます。
また、企業に就職している方でも、ベテランとして現場のトレーナーからマネジメント職に移行できれば600万以上の年収が見込めるケースもあります。
パーソナルトレーナーの将来性とは?
一般的な進路
企業の社員としてパーソナルトレーナーを務める場合、それほど長い間継続的に働ける職業とは言い難いのが現実です。
資格の取得と勉強の継続で職業寿命を延ばすことは可能ですが、現場の指導は見栄えや体力も必要となるため、年齢とともに無理が利かなくなるケースが増えてきます。
企業に勤めるのであれば管理職や事務職への異動、独立や転職を目指すのであれば、現場経験を活かして鍼灸師や柔道整復師などの医療系や福祉に関わる資格の取得を目指すことが推奨されます。
長く働くためにすべきこと
美容や健康への人々の関心、高齢社会の進行などもあり、フィットネス業界そのものは今後も進展が見込まれる分野です。そうした時代変化に伴い、ハードなトレーニングを担えなくなったパーソナルトレーナーが、後に介護福祉分野に活躍の場を移して活動するケースも多くあります。
また、経験豊富なトレーナーの場合は、後進のトレーナー育成のための講師業に移行することもあります。アスリートやプロチームと契約できれば長く働ける場合もありますが、一握りの成功者のみというのが現実です。従って、パーソナルトレーナーとしての知識や経験をベースにした、新たなビジネスの可能性を考えておく必要があります。
職業寿命としては、一般的にはそれほど長くないパーソナルトレーナー。しかし、現役時代に十分に知識と経験を積めば、さまざまな分野への転向が可能です。
健康は一生の問題ですので、これらに関する知識の潜在的なニーズは増加こそすれ減少することはほぼないでしょう。特に高齢者の増加が問題となっている現代社会では、医療介護分野での需要が増すと考えられます。
パーソナルトレーナーとして働きたい人のためのQ&A
【Q1】パーソナルトレーナーになるための勉強では資格取得を目指すべき?
優れたパーソナルトレーナーになるためにはさまざまな知識が必要ですが、範囲が広く内容も深いため、独学ですべてを網羅するのはまず無理です。
資格取得のために勉強をすれば、少なくとも、必要な最低限の知識は身に付きます。そう考えると、パーソナルトレーナーを名乗るのに必須の資格はないとは言え、資格は持っていた方が良いでしょう。
また、企業に就職する際に有利であるのはもちろんのこと、同業者である有資格パーソナルトレーナーとの間の連帯感を醸成するのにも役立ちます。トレーナー資格認定団体の団体保険に入れることもメリットです。
【Q2】パーソナルトレーナーとして働く上でどんな勉強をしたら良い?
NSCA・NESTA・JATIの3種類は日本国内でも有名でキャリアアップにも有利な資格なので、このいずれかの資格取得に対応できる形で勉強すると良いでしょう。
必要な知識が最も多く、勉強量が稼げるのはNSCAです。NESTAやJATIでは、凝縮した形で必要な知識のみを吸収できるので、基礎的な学習に向いています。
理学療法士や柔道整復師の資格があればトレーナー業の中で治療行為も行えるようになるため、スキルアップし活動の場を広げたいなら、これら医療系の国家資格に対応した勉強も並行して行い、資格取得を目指すのもお勧めです。
【Q3】パーソナルトレーナーの勉強をして、ジムを経営したいです。資金はどれほど必要?
ジムを開業するために必要な資金は、ジムの規模によっても違うので一概には言えません。トレーニングマシンの値段もピンからキリまでありますが、1台数10万という価格になるものもあります。
高重量を扱うことになるため、搬入も一般に考えるよりも高額です。初期投資だけで少なくとも200万、高額な場合は2千万円規模というケースもあるようです。
また、傷防止の床加工や定期的な補修、マシンのメンテナンス代も必要になるなど維持費も考えなければなりません。
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まとめ
パーソナルトレーナーとして働くためには、トレーニングや指導に関わるスキル以外にもさまざまな知識が必要で、内容は多岐にわたります。効率的、且つ効果的にこれらを勉強するためには、体系的に学べる場や教材が必要です。
やみくもな独学では追いきれない濃い内容だからこそ、専門学校やトレーナー養成スクールなどによる各種講座は、勉強方法として検討する価値があります。
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