ジム開業について

パーソナルジム開業で失敗する4つの理由とは!?失敗しない対策も解説

流行の波に乗り次々と新規出店しているパーソナルジムですが、裏ではひっそりと閉鎖しているジムが多いのも事実です。

パーソナルジムに限らず、企業の倒産率は起業後1年以内に80%、5年以内に90%、10年以内に97%と言われており、単純に数字だけで見ると失敗する確率の方が高いと言えます。

しかし、開業前に失敗例やその原因を把握し、対策しておくことで失敗するリスクを下げ、最初の起業から成功を収めることは十分可能です。

そこで今回の記事では、パーソナルジムの失敗例やその原因、そして成功するまでのポイントを解説します。

パーソナルジムの開業が失敗する7つの理由

パーソナルジム開業が失敗してしまう原因は、大きく分けて以下7つあります。

1.立地が悪い
2.資金繰りによる失敗
3.サービス内容がよくわからない
4.集客に力を入れていない
5.ブランド力が乏しく1店舗単体での広告費効率が悪い
6.人件費率が高い
7.従業員の満足度が低い

以上の7つの理由について、順々に詳しく解説します。

立地が悪い

ほとんどのビジネスがそうですが、開業の成功・失敗を大きく分ける理由の1つが「立地」です。

特にパーソナルジムのように週1または2回など、お客様に頻繁に通っていただくビジネスモデルの場合はなおさらです。

よくある失敗例としては、コストを抑えて地価の安い場所に出店したが、ニーズがなく集客が上手くいかなかった、ということです。

モノやサービスを売るときには、自分がどんなサービスをどんなお客様に提供したいのかというマーケティング戦略が欠かせません。

失敗を防ぐための対策としては単に安いだけの理由で選ばないことであり、ターゲット層に合わせた立地を選ぶことです。例えば、高級住宅街で高所得者層を狙うのか、オフィスが多い駅前に出店してOL向けのジムにするのか、多くの人で賑わうターミナル駅に出店するのかなど、必ずターゲット層を決めてから立地を選択しましょう。

また、ターゲット層がどのような交通手段を使うかによっても立地選びが変わってきます。

駅近であることや車が通りやすく駐車場があるなどもしっかりと検討してください。

資金繰りによる失敗

「器具は最新で高級なものを使いたい」
「新築物件で内装は超オシャレにしたい」
「とにかく広くて開放的な空間にしたい」

など、パーソナルジム開業に向けて夢と期待は大きく広がるものです。

しかし、これらは出費がかさむことが多く、集客に失敗すると資金繰りができなくなり廃業にも追い込まれかねません。

開業に失敗しないためにも冷静に考え、それら全てが本当に必要かどうかを検討しましょう。そこで資金繰りに困らないために意識すべきことは、小さく始めることです。

前項の失敗理由と同様、まずはターゲット層を決め、ターゲット層が求めているものや必要なものだけを揃えるようにすると、無駄な家賃や器具などで余計な出費を抑えることができます。

特に器具や鏡、アメニティなどの購入は大きな出費となるため、本当に必要かどうかを見極めましょう。

逆に床の荷重や水回りなど、修繕費などで逆に出費が増えてしまうこともあります。

鉄筋コンクリートの造りで1階の物件を選ぶ、女性向けであればシャワーを必ずつけるなど、必要な部分には適切にお金をかけましょう。

サービス内容がよくわからない

あなたのパーソナルトレーナーとしての強み、他のパーソナルトレーナーと差別化できるポイントは何がありますか?

強みや差別化ポイントとしては

「美尻作り」
「裏ももの引き締め」
「アスリートの競技力アップ」
「肩こり改善」

など様々なものがあります。

パーソナルジム開業に失敗する原因の1つが、それらの強みや差別化がお客様に伝わっていないことや強み自体がそもそもないことです。実はこの原因は、ターゲット層が決まっていない人によくある失敗です。

ここで大事なことは、市場調査を行い悩みや問題などを把握した上で、それらの解決策を自身の強みとして打ち出すことです。

市場にマッチしたものを強みとして打ち出すことで、お客様に選ばれやすくなります。

集客に力を入れていない

当たり前ですが集客ができなければ売り上げをあげることはできず、資金繰りが苦しくなってしまいます。

せっかくパーソナルジムを開業しても、これではすぐに廃業してしまうでしょう。

集客に失敗しないためにはターゲット層を決めること、SNSや新聞広告など、ターゲット層がどんな媒体からあなたのジムを知るのかなど、適切な集客戦略を練って情報発信をしておくこと。

別の記事で集客にはどんな方法があるのかを紹介しています。ぜひチェックしておいてください!

参考:パーソナルトレーナーも知っておきたい!集客に役立つ方法を14個紹介

ブランド力が乏しく1店舗単体での広告費効率が悪い

ジム業界は大手企業のチェーン展開が多い業界です。大手のブランド力を活かした広告マーケティングと比べて、個人開業のジムはどうしてもネームブランドに劣り、広告対効果が悪い傾向になってしまいます。

自分のジムの強みを明確化し、狙ったターゲット層に特化した広告戦略を展開できれば、少ないブランド力でも効果的なマーケティングができます。強みを伸ばして競合と差別化した広告マーケティングが重要です。

人件費率が高い

人件費がかさんでしまって経営状況が悪化するパターンも少なくありません。トレーナーを雇う際に資格所持者を採用するとなると、能力に見合った給与を支払わなければならなくなります。トレーナー以外の事務スタッフを雇うことになれば、さらに人件費がかさみます。

まだ集客が出来ていない状態で雇用を拡大して人件費率を高くしすぎてしまうと、広告やマーケティングに予算を回せず集客が上手くいかない負のスパイラルに陥ってしまうおそれもあります。

従業員の満足度が低い

従業員の満足度が低いと、経営が失敗する可能性も高まります。経営を成功させるためには、従業員のモチベーション管理も重要です。

パーソナルジムは従業員と顧客が直接コミュニケーションを取ることが多い業種です。従業員の労働に対するモチベーションが低いと顧客に対する対応も雑になってしまいがちで、顧客定着度も低くなるおそれがあります。

また、せっかく優秀なトレーナーを雇っても、満足度が低いと退職してしまうことも考えられます。パーソナルジムの経営は一人では上手くいきません。従業員の満足度を上げられるように、適切にコミュニケーションを取ったり、労働環境を整えることが大事です。

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パーソナルジムを開業するためにおさえたい4つのポイント

パーソナルジム経営を成功させるためには、開業前に入念な準備を行うことが重要です。

ここではパーソナルジムを開業するためにおさえたい、

1.どんな「差別化」を図るか
2.どんな「価格」に設定するか
3.どんな「会社組織」を作るか
4.どんな「人材」を採用するか

以上の4つのポイントについて解説します。

どんな「差別化」を図るか

パーソナルジムを開業する前に、他の競合ジムとどのような差別化を図るか決めておくことはとても大事です。

集客を狙うターゲット層を明確にし、何をジムの強みとしてアピールするか具体的なイメージを固めましょう。

どんな「価格」に設定するか

パーソナルジムに限らず、どんな事業でも価格設定は重要なポイントになります。

価格設定が高すぎれば顧客は集まりませんし、安すぎても利益を出せず経営が続きません。

パーソナルジムの価格相場は、おおよそ一月の会費が6万円から20万円前後と言われています。狙っているターゲット層や、近隣の競合の相場などを参考にして決めると良いでしょう。

最近は多少会費が高くてもしっかりとした受けたいというニーズが増えています。価格に見合った質のサービスを提供できるのであれば、高めの価格設定にするのも一つの手です。

どんな「会社組織」を作るか

どんな会社組織を作るかを開業前に明確にしておきましょう。会社として目指すビジョンや基本的な経営方針、その他細かいルールなどをはっきりと定めます。

パーソナルジムは顧客と直接コミュニケーションを取る業種ですので、従業員全体に会社組織としてのビジョンや方針、ルールを共有し、浸透させることが必要です。

認識を共有できていないと、顧客対応がちぐはぐになってしまい集客力が下がってしまうおそれがあります。

どんな「人材」を採用するか

経営は一人では上手くいきません。従業員と協力しなければ上手くジムを開業できないでしょう。円滑な事業運営・運営のためには採用する人材も重要です。

採用の際には、すでに他のジムで働いた経験があるかないかや資格の有無などがポイントになります。経験者や有資格者を採用すれば即戦力になりますが、未経験者と比べて高い給与水準が求められます。

未経験者を採用する場合は、業務を基礎から身に付けられる教育環境を作ることが必要です。

パーソナルジム開業を成功させる5つの方法とは

開業前に入念な準備をしたとしてもそれだけでは安心できません。先述した準備の他にも開業を成功させるためのポイントがあります。

ここではパーソナルジム開業を成功させる、

1.立地・機材などの初期費用は最低限に
2.出店エリアのリサーチは徹底的に
3.集客の土台を築いておく
4.競合との差別化ポイントを明確化させる
5.フランチャイズのジムに加盟する

以上の5つの方法について解説します。

立地・機材などの初期費用は最低限に

パーソナルジムを開業する際の立地・機材などの初期費用は最低限に抑えましょう。過剰に費用をかけすぎるとそれだけ負担がかかった状態からのスタートになってしまいます。

最初は比較的小規模から始めると良いでしょう。パーソナルジムはフィットネスクラブなどと違って広いスペースや大量の機材がなくとも十分に開業可能です。

小規模から始めた場合の初期費用は約300万円~600万円くらいになります。この規模であれば1年以内で費用を回収することも十分可能です。

出店エリアのリサーチは徹底的に

実際に出店するエリアのリサーチを徹底的に行いましょう。具体的には、エリアに大手の競合パーソナルジムがあるか・高所得者層が多いか・出店にかかる家賃相場などをリサーチしましょう。

近隣に既に大手の競合ジムがあるエリアは新規顧客の開拓が難しいです。大手以外にも近隣に競合が多ければそれだけ競争が激しくなるので、競合調査は入念に行いましょう。

また、パーソナルジムは他の形態のジムと比べて会費が高くなりがちです。集客率を高めるためには高所得者が多いエリアを選びましょう。

さらに、出店するテナントの家賃相場も重要なポイントです。家賃が高ければその分ランニングコストが増え、経営を圧迫してしまいます。

加えてテナントが駅に近いかや駐車場があるかなど、通いやすい立地にあるかなども抜かりなくリサーチしましょう。

集客の土台を築いておく

顧客がいないと経営は成立しないので、集客の土台を築くことがパーソナルジム開業を成功させるうえで非常に重要です。

集客の土台としては、口コミやSNS集客、Web集客を有効活用すると良いでしょう。

口コミ

集客力を高める手段として口コミは効果的な手段です。口コミは実際に顧客が体験した内容がそのまま反映されるので、質の高いサービスを提供できれば高い宣伝効果が期待できます。

また口コミを聞く側も、自分の友人や知り合いから直接話を聞くことになるので、SNSなどの情報よりも信憑性が高い情報として信用してもらいやすいです。

さらに、口コミには広告費が一切かからないというメリットもあります。口コミを有効活用できれば高い費用対効果を得られるでしょう。

SNS集客

X(旧Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNS運用も重要です。自社アカウントを作成して運用したり、広告を流して集客力を高めましょう。

顧客がサービスを利用したくなる内容や、実際のサービス内容がよくわかる投稿を日常的に行い、多くの人に自分のパーソナルジムを知ってもらえるようにすると良いでしょう。

Web集客

SNS以外のWeb集客も同じく重要です。具体的には、GBP(グーグルビジネスプロフィール)や自社サイトなどが挙げられます。

最近はGoogle Mapからサービスを知る新規客が多くなってきています。自社への導線を増やすために、グーグルビジネスプロフィールをきちんと設定して効果的に運用しましょう。

自社サイトの運営も欠かせません。自社サイトで提供するサービスの内容や実際の指導の様子、他にもトレーニングの基本的な情報などのコンテンツを発信できれば、新規顧客の開拓につながるでしょう。

競合との差別化ポイントを明確化させる

競合との差別化ポイントを明確化させることが重要です。昨今パーソナルジムが乱立している中、競合と差別化して自社の強みを明確にできていないとあっという間に埋もれてしまうでしょう。

自社の強みや狙うターゲット層をはっきりさせるターゲティングに加え、ターゲット層にジムの強みをアピールし、理解してもらうためのブランディングが重要になります。

フランチャイズのジムに加盟する

個人での開業ではなく、フランチャイズのジムに加盟するのも一つの手です。

フランチャイズに加盟すれば、企業から経営のノウハウやトレーニング知識など様々なアドバイスをもらえたり、他にも開業から運営まで色々なサポートを受けられます。

一方で個人での開業と比べて、経営の自由度が下がり、柔軟な運営ができないといったデメリットもあるので注意しましょう。

小規模開業でも大成功を収めているパーソナルジム

パーソナルジムを自宅の一室で小さく開業し、年収1,000万円以上の大成功を収めている「AOKI JYUKU」というジムが愛知県名古屋市にあります。

参考:独立からたった1年で年収1,000万円達成!名古屋のパーソナルトレーナーをインタビュー

AOKI JYUKU代表トレーナーの青木さんにお話を伺ったことがあるのですが、パーソナルジム開業にかけた初期費用は「フロアマット」「パワーラック 」「バーベル」「ダンベル」「ウォーターサーバー」のみで50万円以下に抑えたそうです。

また、ランニングコストはウォーターサーバーの水代のみ。ジムは元々あった自宅の一室のため家賃は増えていません。

パーソナルジム開業前は「お金をかけないとお客様に来てもらえないんじゃないのか?」という不安がある方もいるのではないでしょうか?

しかし、AOKI JYUKUのように初期費用やランニングコストを大きく抑え、年収1,000万円以上を達成することは十分可能です。

AOKI JYUKUはこれまで解説した失敗する理由を全て潰しており、これが大成功の秘訣となっています。

パーソナルジム開業に失敗したくない方はAOKI JYUKUをぜひ参考にしてみてください。

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パーソナルジム開業で失敗したくないあなたへ

今回の記事では、パーソナルジムの開業で失敗してしまった方の原因や、開業を成功させるためのポイントについて紹介しました。
パーソナルジムの開業・経営を成功させるにはパーソナルトレーナーとしての専門性のみでなく、マーケティング戦略をしっかり練っておくことが大切です。

開業に不安があってリスクを取れない方にも、フリーランスから始めてリスクを抑えるという方法があります。フリーランスから始めて、パーソナルトレーナーとしてのスキルを身に付けていけば、リスクを抑えながら堅実に開業の準備ができます。

パーソナルトレーナーとしてのスキルを身に付けたい方には「パーソナルトレーナー資格の攻略ガイド」がおすすめです。以下からダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

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服部拓也

パーソナルトレーナー

服部拓也

大手ジム、整体サロンでのトレーナー経験を持ち、パーソナルトレーナー養成スクール「2nd PASS」を卒業した後にトレーナーとして独立。トレーナーエージェンシーでは、パーソナルトレーナーになりたい人、現役パーソナルトレーナー向けコラムを執筆。ダイエットに悩むお客様、集客に悩むトレーナーの両方の悩みの解決を目指している。

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