JATI-AATI(JATI認定上級トレーニング指導者)とは?勉強方法や試験詳細についてご紹介!
近年プライベートジムが次々とオープンしており健康志向が高まっていることで、『パーソナルトレーナー』という職業を耳にすることも多くなりました。
トレーナー需要の高まりと同時に、パーソナルトレーナーを目指す方も増えたのではないでしょうか?
そこで今回の記事では、トレーナー認定資格『JATI-AATI』の概要や試験の詳細、資格取得後の活動方法などを紹介します。
JATI-AATIとは?
トレーニング指導協会「JATI」とは
JATI(Japan Association of Training Instructors:日本トレーニング指導者協会)は、2006年4月に設立された特定非営利活動法人の団体です。
全国のストレングス&コンディショニングコーチなど、トレーニング指導者らの知識と技能を社会に貢献して、広く認知され、高く評価されることを目指し、京都で発足されました。
JATIの事業は、
・資格認定事業:JATIの講習会、テキスト監修、認定試験など
・教育・研修事業:有資格者の研修会、交流会など
・研修・国際事業:最先端の研究・情報のチェック、海外団体との交流など
の3つあります。
JATIの事業は、全国のトレーニング指導者がトレーナーとしての技術を向上させることや情報交換などを深めるために交流を広げることを目的としています。
JATIが発行する3種類の資格
JATIは以下の3種類の資格を発行しています。
・JATI-ATI(トレーニング指導者):トレーニング指導者として必要な知識と技能を習得した人
・JATI-AATI(上級トレーニング指導者):高度な知識と技能を持ち、後進の指導者を育成する立場の人
・JATI-SATI(特別上級トレーニング指導者):高度な知識と技能を持ち、後進の指導者の指導実績もあり、業界の社会的な地位向上を担う人
一般人からトップアスリートまであらゆる人や目的に応じて、科学的根拠に基づいた適切な運動プログラム作成と指導ができる専門家の証明をJATI資格は証明します。
JATIの資格は、上位資格から取得することができません。
JATI-AATIを取得するためには、JATI-ATIを取得していることが条件の中にあり、JATI-SATIを取得するためには、JATI-AATIを取得していることが条件の中にあります。
これからJATIの資格取得を目指す人は、まずはJATI-ATI取得を目指してキャリアを積みましょう。
3種類の中でのATI-AATIの立ち位置
JATI-AATIとは、Japan Association of Training Instructors(日本トレーニング指導者協会)-Advanced Accredited Training Instructor(トレーニング指導者)の略称です。
JATI-AATIは、上級認定トレーニングインストラクターの資格としてJATIが発行しています。資格のレベル別に
・ATI:基礎資格
・AATI:上位資格
・SATI:最上位資格
という立ち位置ですので、JATI-AATIはJATI-ATIの1つ上の資格ということになります。
参考サイト:https://jati.jp/license/index.html
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JATIの発行する3資格の違いとは
JATIの発行する3資格にはどのような違いがあるのでしょうか。
本項では、JATIの発行する3つの資格である
・JATI-ATI
・JATI-AATI
・JATI-SATI
の資格概要を以下で詳しく説明します。
JATI-ATI(JATI認定トレーニング指導者)
JATI-ATIは、JATIが発行する資格の中で最初に取得する資格です。JATI-ATIは基礎的な位置づけの資格で、トレーニング指導者として必要な知識とスキルを習得し、お客様の目的に合わせて適切なトレーニングプログラムの作成や指導ができるという証明になります。
JATI-ATI取得後は、一般の人からスポーツ選手まで様々な人に対してトレーニング指導ができます。
JATI-AATI(JATI認定上級トレーニング指導者)
JATI-AATIはJATI-ATIの上位に位置する資格です。高度な知識とスキルを持ち、後進の指導者になるべき人材である証明としてJATI-AATIは与えられます。
JATI-AATI取得後は、プロのアスリートへの指導や大学・専門学校などでトレーニング指導者を目指している人の教育・育成に携わる人が多いです。
JATI-SATI(JATI認定特別上級トレーニング指導者)
JATI-SATIは、3つの資格の最上位に位置する資格です。高度な知識とスキルを持ち、後進の指導者としての実績があり、かつ業界の社会的な地位向上を担う人にJATI-SATIは与えられます。
JATI-SATI取得後は、国際的に活躍するアスリートへの指導や、教育機関の指導責任者などの高い役職を担当することができます。
JATI-AATIの試験詳細とは?
本項では、JATI-AATIの試験詳細をご説明いたします。
・受験資格
・試験内容
・試験にかかる費用
・会場・日程
の以上4つの項目についてご紹介しますので、試験受験を検討される方は是非参考にしてください。
受験資格
受検資格を得るには、以下の3つの条件を全て満たすことが必要です。
・会員登録・認定資格の条件
・トレーニング指導歴の条件
・CPR・AED資格保持の条件
以下にて順々に解説いたします。
会員登録・認定資格の条件
申請時に有効なJATI個人正会員であり、JATI-ATI取得後(休会や資格失効猶予期間を除く)の有効なATI資格の保有期間が3年以上の人。
本年度はJATI-ATI資格認定証に記載されている初回認定日が2021年4月以前(2021年4月取得を含む)で、条件を満たす人。(会員証に記載されている入会日や資格有効期限とは異なる)
トレーニング指導歴の条件
JATI-ATIとしてトレーニング指導に従事した期間が3年以上、且つ、期間中の総指導時間数が概ね2,500時間以上の人。
『トレーニング指導歴算出基準について』を参照し、申請書の「トレーニング指導歴」欄にご自身の指導歴を具体的に記載すること。
対象となるトレーニング指導期間中は有効な「トレーニング指導者(JATI-ATI)」資格を有していたことが必要。過去に資格失効猶予期間を経て資格を更新された場合には、資格失効猶予期間中の指導歴は上記の指導期間・総指導時間には含まない。また、現在資格失効猶予期間中の方は、本試験を申請することはできない。
CPR・AED資格保持の条件
心肺蘇生法(CPR)と自動体外式除細動器(AED)に関する講習会を受講し、修了証または認定証を保有していること。
また申請時に、修了証または認定証に記載されている有効期間内であること。
有効期間の定めがない団体・資格の場合は、講習会を修了または認定された日が申請時から3年以内であること 。
日本赤十字社、消防署、日本ライフセービング協会が主催または認可する心肺蘇生法(CPR)及び自動体外式除細動器(AED)に関する講習会であること。
上記以外の団体が主催または認可した講習会の場合、アメリカ心臓協会(AHA)の最新ガイドラインに適合した内容であること(申請前に事務局まで要相談)。
出典:上位資格の取得方法(2024年8月19日)
試験内容
試験は筆記試験と実技試験があります。
筆記試験(60分)
スポーツの競技力向上と健康体力増進の両分野を対象とし、上級トレーニング指導者として身につけるべき知識の習得度を評価するものです。
以下の3つの項目の中から論述式の問題が出題されます。
・対象や目的に応じたトレーニングプログラムの作成
・トレーニング効果の測定及び評価
・トレーニング指導の実務(トレーニングの運営、施設及び器具の整備とメンテナンスなど)
実技試験(30分)
スポーツの競技力向上と健康体力増進の両分野を対象とし、上級レベルのトレーニング指導者として必要とされるデモンストレーション能力と実技指導能力の習得度を評価するものです。また、必要に応じて口頭試問も実施します。
対象となるエクササイズ(名称及び内容)は、「トレーニング指導者テキスト実践編 3訂版」「トレーニング指導者テキスト実技編(日本トレーニング指導者協会編著、大修館書店)」に準拠します。
出題内容は以下の通りです。
<実技試験1:デモンストレーション能力の評価>
上記のテキストに記載されている基本のエクササイズ(フリーウエイト)の実施とトレーニングの実施方法や留意点について説明を行う。
※評価はデモンストレーション能力以外に安全配慮に関する評価も含まれます。
<実技試験2:実技指導能力の評価>
指定された対象および目的に応じた適切なプログラムを立案し、モデルに対して実技指導を行う。また、プログラム立案や実技指導の際の留意点などについて説明を行う。
※評価はプログラムの内容や実技の指導方法以外に健康・安全配慮等に関する評価も含まれます。
試験にかかる費用
実技試験・筆記試験いずれも受験の場合:33,000円(30,000円+税)
筆記試験のみ受験の場合:11,000円(10,000円+税)
実技試験のみ受験の場合:22,000円(20,000円+税)
会場・日程
帝京大学 八王子キャンパス(東京都八王子市大塚359)
2024年3月3日(日)10時~17時(2023年度 実施要項)
JATI-AATIを取得するための効果的な勉強方法とは?
上級資格であるJATI-AATI専用のテキストや問題集は特に作成していないため、筆記試験に関しては基礎資格であるJATI-ATIのテキストと問題集で勉強するようにしましょう。
具体的な勉強方法は、以下の方法がオススメです。
1.テキストを見ずに問題を解く。この際、自信が無い問題にチェックをしておく。
2.採点を行い、各章ごとの正解率を出す。
3.正解率が低い章から順番に「①:間違えた問題」「②:チェックを付けた問題」の順でテキストを見ながら勉強する。
また、実技試験に関しては自身のトレーニングとトレーニング指導スキルで判断します。これはとにかく指導経験がものを言うのでお客様にどれだけセッションをするかが合否の分かれ目となると言えるでしょう。
これを行えば、不明点をテキストで確認しながら勉強できるため、非常に効率が良く、合格率が高まると言えます。
資格取得後はパーソナルトレーナーとして活動することを望んでいる方が多いかと思います。そんな方は実際にトレーナー活動をしている方の活動状況が気になるかもしれません。
JATI-AATIの資格取得後の活動方法は?
JATI-AATIの資格取得後の活動方法には以下のものがあります。
・パーソナルトレーナーの会社で従業員として活動する
・フリーとして複数のフィットネスジムと契約して活動する
・独立開業して自身でジムを経営する
以上の3つの方法を説明していきます。
パーソナルトレーナーの会社で従業員として活動する
JATI-AATIの資格取得後に、パーソナルトレーナーの会社の従業員として働く方法です。
JATI-AATIは上級トレーニング指導者の資格なので、取得していれば就職や転職で有利になりますし、お客様や会社からの信頼も得やすくなるでしょう。
フリーとして複数のフィットネスジムと契約して活動する
JATI-AATIの資格を取得し、フリーランスとして複数のフィットネスジムと契約して活動する人も中にはいます。
フリーランスとしての働き方のメリットは、スケジュールを自分のライフスタイルに合わせることができたり、スキルによっては高収入を得たりできることです。
JATI-AATIの資格を持ったパーソナルトレーナーは、高度な知識とスキルを持っているため、高収入が得られる可能性が高いといえるでしょう。
独立開業して自身でジムを経営する
独立開業をして自分でジムを経営するJATI-AATIの資格取得者もいます。
独立開業すると、初期費用がかかったり集客をするためのマーケティングスキルが必要になったりと大変なことも多いですが、成功をすると雇用されている時とは比べ物にならないほどの収入が期待できます。中には、年収1,000万円以上稼いでいる経営者もいます。
結論、トレーナーにとって資格は必要か?
トレーナーにとって資格取得は果たして必要なのでしょうか。
本項では、
・資格を取得するべきトレーナーの特徴
・資格取得が不要なトレーナーの特徴
の2点について以下で解説します。
資格を取得するべきトレーナーの特徴
結論から先に言ってしまうと、パーソナルトレーナーを目指す全ての人は資格を取得した方が良いといえます。
パーソナルトレーナーの資格に国家資格は存在せず、全て民間の団体が発行しています。そのため、パーソナルトレーナーになるのに絶対に取得しなければならない資格はありません。
しかし、パーソナルトレーナーとして働くのなら資格取得は非常に重要です。
パーソナルトレーナーは人の身体を扱う仕事なので、お客様の身体に責任がありますが、トレーナーに専門的な知識とスキルがないばかりにトレーニング中のお客様にケガをさせてしまう事故が実際に起こっているからです。
お客様の安全を守りながら指導するためには、資格を取得して専門的なスキルを身に付けるべきといえるでしょう。
パーソナルトレーナーとして働くすべての人に資格取得をおすすめしますが、資格を取得するべき人を強いて挙げるとするなら、以下のような人です。
・フィットネスクラブでパーソナルトレーナーしての活動を考えている方
・体育系の学校へ行っていない。業界未経験でこれからパーソナルトレーナーを目指す方
・自身のスキル、知識を確かめたい方
資格取得が不要なトレーナーの特徴
資格取得が不要なトレーナーは基本的にはいませんが、強いて挙げるなら以下のような人は資格がなくてもお客様の安全を守れるでしょう。
・すでに個人でジムを持っており、知識も技術も豊富なトレーナー
トレーナーエージェンシーでは、
・トレーナーとして必要な素養
・具体的なトレーナーの働き方
・おすすめの資格
・トレーナー資格試験の力試し模擬問題
・うまく行く人/いかない人の違い
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まとめ
今回は、JATI-AATIの資格や試験の詳細、資格取得後の活動方法などについて解説してきました。
JATI-AATIを取得することで高度な知識とスキルを用いながら、パーソナルトレーナーとしてお客様に指導することができるようになります。
JATI-AATIを取得するためにはまず、JATI-ATIを取得することが必要です。JATI-ATIが取得できるJATI-ATI養成校などを利用して、まずはJATI-ATI取得を目指してみてください。
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大手ジム、整体サロンでのトレーナー経験を持ち、パーソナルトレーナー養成スクール「2nd PASS」を卒業した後にトレーナーとして独立。トレーナーエージェンシーでは、パーソナルトレーナーになりたい人、現役パーソナルトレーナー向けコラムを執筆。ダイエットに悩むお客様、集客に悩むトレーナーの両方の悩みの解決を目指している。