パーソナルトレーナーとは?

パーソナルトレーニング、ある日のセッション内容を紹介!

・現役パーソナルトレーナーが実際に行ったセッション内容を紹介
・『なぜ、その種目を行ったのか?』理由を解説
・常に追い込む訳ではない。だが、結果は確実に出す!

パーソナルトレーナーとして働いている方、お客様に対してどんなセッションを行っていますか?

『そりゃ、痩せさせるためにとにかくガッツリ追い込んでいるよ!』

場合によってはこれもありかもしれませんが、特に理由も無く『ただ、痩せさせるために』お客様全員に対して同じ指導を行っているとなると、次のような問題が起こる可能性があります。

・逆に結果が出ない
・怪我をする
・お客様が『パーソナル感』を得られにくく、リピート率が悪くなる

これらの原因は『姿勢・動作・体調・運動レベル』を無視してしまい、プログラムをお客様に無理矢理当てはめてしまった場合がほとんど。

私の場合、セッション毎にお客様の姿勢を必ず確認し、動きやすい身体に戻してから本格的に負荷をかけたトレーニングに移ります。

今回は、私のある日のセッション例、そして『なぜ、その種目を行ったのか?』を理由を付けて紹介、解説します。

トレーナーの方、これからパーソナルトレーナーになりたい方は参考にしてください。

1回のセッションで行ったこと

紹介する内容は先日、私がお客様に対して実際に行った1回60分のものです。今回のセッションは6回目。

お客様情報としては、次の通りです。

・30代男性
・お腹周りを引き締めたい
・デスクワーク中心
・肩の脱臼癖があり、上半身はできない種目がある

体調チェック

まずは現在の体調をチェックし、運動が可能かどうかの確認します。

この日は3日前に行ったセッションの筋肉痛が残っており、下半身種目が難しい状態。

普段は下半身・上半身・体幹周りとしっかり追い込みますが、私はこの日、下半身を追い込まず、代わりに『疲れない歩き方』『超・深く眠る睡眠法』の指導を行いました。

姿勢・動作チェック

これもセッション毎に行っています。

これまでのセッションや当日の生活習慣など、様々な要素から姿勢は変化するため、必ず確認しましょう。

前回のセッションと同じ部位を鍛えるとしても、姿勢によって行う種目が変わってきます。

この男性の場合、股関節が屈曲していることが多く、歩行姿勢も上半身が前にフラつくことが多い。

姿勢と動作をチェックして過緊張筋と低機能筋を見極め、その場で瞬時にメニューを組み立てます。

過緊張筋のストレッチ、揉みほぐし

姿勢と動作をチェックしたら、まずは過緊張筋をほぐします。

今回の男性の場合、股関節周り・背骨のキワ・肩井ライン、肩甲骨に関わる筋肉をまずはストレッチや揉みほぐしで柔らかくしました。

本当はプラスで『ウィンギング』という肩関節や肩甲骨の動きを改善するための種目も行いたいのですが、脱臼の関係からこの種目は選択肢から除外しています。

過緊張している筋肉がそのままでは本来の動作がしにくいため、十分な運動効果が得られず怪我にも繋がりかねません。

これを行うと、足を上げる動作、肩甲骨を寄せる動作がやりやすくなるなどを実感して頂けるでしょう。

低機能筋のトレーニング

過緊張筋は動きが硬くなってしまうことを防ぐために行いました。

今度は、上手に働いてくれない筋肉の反応を改善するために、刺激を入れるためのトレーニングを行います。

トレーニングにおいてもスポーツにおいても、働くべき筋肉が働かないことにより、パフォーマンスが落ちることはよくあること。

このパフォーマンスの改善に必要なことが、低機能筋のトレーニングです。

今回のクライアントの男性の場合、お尻やももの裏が弱く、歩行姿勢にも関わっていました。

これらの筋肉に刺激を入れるため、『ヒップリフト』『レッグカール』『アブダクション』を行い、弱点の改善を毎回行っています。

呼吸のトレーニング

特に高重量を扱うトレーニングの際、呼吸により腹圧をコントロールできることが重要です。

毎回この感覚を確認することでメイン種目の効果を高め、怪我のリスクを減らしましょう。

また、内臓の位置を保持すること、ウエストを引き締めるためにも呼吸法は重要なため、ここでは2つの呼吸法を紹介します。

●ドローイン

ドローインは呼吸と同時にお腹をどんどん凹ませていく方法です。

・インナーユニットの反応を高め、トレーニング動作時の安定性を高める
・呼吸を深くすることにより、腹圧を高めやすくする
・正しい姿勢をキープしやすくする

言わば、メイントレーニングの準備的な目的で行っています。

●ブレーシング

ブレーシングはお腹に空気を入れて腹圧を高め、体幹を安定させる方法。

イメージとしては、お腹をエアバックのように全体的に膨らませるような感じです。

目的は後ほどの高重量を扱うメイン種目において、怪我のリスクを下げてトレーニング効果を高めるため。

ドローイン、ブレーシングは非常に大切なため、私はメイン種目の前に必ず行います。

メイントレーニング

いよいよメイン種目。

今回の男性クライアントの目的は『痩せること』『お腹の肉を落とすこと』

この2つが大きな目的でしたね。

脱臼癖があり肩関節外旋・水平伸展の状態でのトレーニングは避けており、上半身の種目数にどうしても制限があります。

上半身はダンベルプレス、ベントロー、クランチで追い込みました。

また、この日は下半身の筋肉痛が強く残っていたため、いつもと異なり下半身種目をしていないです。

代わりに行ったことを次に紹介します。

歩行姿勢・動作改善

歩行姿勢が悪い場合、代謝や骨格などで様々な問題が出てきます。

・使われるべき筋肉が使われなくなり、消費カロリーが低下して痩せづらくなる
・あまり使われるべきでない筋肉が過剰に使われ、変に足が太くなる可能性もある
・膝や足首の負担が強くなることで、怪我をしやすくなる

今回の男性の場合、もも前の筋肉が過剰に使われ、お尻やもも裏が上手に使われていませんでした。

またこれに伴い、上半身の姿勢が不安定な状態です。

もも前の過緊張ともも裏、臀部の低機能を改善したことで姿勢も安定し、疲れにくい歩き方を実感して頂けました。

正しい歩き方を習得すると活動量が増え、活動代謝による消費カロリーが増えやすくなります。

日常の質を高めることでの日頃からの痩せ習慣を作ることが、このセッションの大きな目的でした。

超・深く眠るための睡眠法

ダイエットにおいて、睡眠が非常に重要だということを知っていますか?

深い睡眠を得られると、寝ている間の消費カロリーのみで約300kcalの差が出るというデータが出ているくらいです。

睡眠を制することはダイエットを制すると言っても過言ではありません。

・食欲のコントロールをする
・代謝を高めて、体を活動モードにする
・日中スッキリすることで、活発に動く気力が出てくる

睡眠をダイエットの味方につける方法を紹介しました。

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まとめ

今回のセッション内容の特徴として、次のようにまとまります。

・常時追い込んだトレーニングを行うのみが、痩せさせる方法ではない
・メニューは当日の体調や姿勢で大きく変わることもある
・姿勢や動作を改善することで、日常生活の質を高め、結果的に痩せることになる

あくまで一例として、ある日のセッションを紹介しました。

パーソナルトレーナーの方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

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服部拓也

パーソナルトレーナー

服部拓也

大手ジム、整体サロンでのトレーナー経験を持ち、パーソナルトレーナー養成スクール「2nd PASS」を卒業した後にトレーナーとして独立。トレーナーエージェンシーでは、パーソナルトレーナーになりたい人、現役パーソナルトレーナー向けコラムを執筆。ダイエットに悩むお客様、集客に悩むトレーナーの両方の悩みの解決を目指している。

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