鍛えたい部位別チンニング・筋トレyoutuber3人が解説
チンニングで思ったように狙った部位を刺激できないと悩んでいる人は多いと思います。
初心者にとってチンニングは非常に難しい種目になりますが、正しいフォームでおこなうことで効果の高い種目でもあるので、この記事を参考に試してみてください。
- 広背筋を鍛えたいならワイドグリップ
- 僧帽筋を鍛えたいならパラレルグリップ
- 上腕二頭筋を鍛えたいならワンハンドのリバースグリップ
チンニングとは?
チンニングとは、日本語でいうと懸垂の事。背中の筋肉を鍛えるトレーニングです。
鉄棒などバーに掴まってぶら下がり、背中の力で身体を引上げる懸垂運動をおこないます。
特別なマシンは必要なく、鉄棒などぶら下がるバーさえあれば鍛えることができます。
数種類の部位を鍛えることができるチンニング
チンニングで鍛えられる部位は、主に身体の背面、背中の筋肉です。
具体的には以下の通りです。
- 僧帽筋
- 広背筋
- 大円筋
- 小円筋
- 菱形筋
- 脊柱起立筋
これらの筋肉を刺激できますが、特に広背筋や大円筋、僧帽筋の3種類の筋肉を重点的に刺激できます。
背中は複数の筋肉で構成されており、その多くを刺激できるチンニングは、ボコボコと隆起した背中を作りたい人に適した種目です。
効果的なチンニングをおこなうためには?
チンニングで背中の筋肉を効果的に鍛えるためには「フォーム」が非常に大切です。
起動が一定のマシントレーニングと異なり、チンニングでは自分の身体をコントロールしてフォームを維持する必要があります。
正しいフォームで動作できなければ、背中の筋肉を刺激できずに、腕や肩(三角筋後部)ばかり鍛えられてしまいます。
「懸垂をおこなうと腕ばかりが疲れてしまう」という人も多いのではないでしょうか?
チンニングの正しいフォームは、意識して練習しなければ中々習得できないので、この記事を参考に練習してみてください。
トレーナーエージェンシーでは、
・トレーナーとして必要な素養
・具体的なトレーナーの働き方
・おすすめの資格
・トレーナー資格試験の力試し模擬問題
・うまく行く人/いかない人の違い
などをまとめた「【完全版】未経験からトレーナーになるための攻略ガイドブック」を”無料でプレゼント“しております。(内容の一部を先んじて見せちゃいます!)
下記ボタンからダウンロードできますので、ぜひご確認いただいた上で、ご自身の学習にお役立てください。
山本義徳氏が教える広背筋・大円筋に効かせるチンニング
参考動画:背中に効かせる懸垂のやり方とSSCチンニングを山本義徳先生から教わりました
「山本義徳 筋トレ大学」という登録者45.5万人(2021年8月現在)のYouTubeチャンネルを運営している山本義徳氏が、自身の動画内で解説していたチンニング方法を紹介します。
山本義徳氏は、パワーリフターやボディビルダーとして活躍した後、さまざまな書籍やメディアで効果的なトレーニング情報を発信しており、その知識量の多さから「筋肉博士」とも呼ばれています。
そんな山本義徳氏が解説する、効果的なチンニング方法を紹介するので、参考にしてください。
広背筋・大円筋に効かせるチンニングのポイントは「ワイドグリップ」
山本義徳氏が推奨する広背筋・大円筋に効かせるチンニングのポイントはワイドグリップでおこなうことです。
ワイドグリップでおこなうことで、広背筋と大円筋をストレッチしやすくなり、腕の筋肉の関与を減らすことができます。
また、可能であればオーバーグリップ(順手)やリバースグリップ(逆手)ではなく、手のひらが向かい合った状態で握るパラレルグリップでおこなうことを推奨しています。
パラレルグリップでおこなうことで、より腕の関与を減らして、広背筋と大円筋に刺激を入れやすくなります。
ワイドグリップでおこなうチンニングの注意点
ワイドグリップでチンニングをおこなう際の注意点は以下の通りです。
- バーはパラレルグリップまたはストレートバーを使用する
- グリップはサムレスグリップ(※1)でおこなう
- 足を組み大臀筋を収縮させておこなう
※1:サムレスグリップとは、親指を他の4本の指とそろえて握る握り方の事
まず最初に、チンニングで使用するバーの形状は、パラレルグリップまたはストレートバーを使用するようにします。
ラットプルダウンで使用されるバーのように先端が曲がっているバーを使用すると、手首の負担を軽減させる効果があるのですが、肩甲骨の内転動作がされやすくなり僧帽筋が働いてしまいます。
広背筋と大円筋を刺激したい場合は、パラレルグリップまたはストレートバーを使用して、肩甲骨の内転ではなく下制(※2)をおこないやすくしましょう。
※2:下制とは、顎先・下顎・肩甲骨・骨盤を引下げる事
次に、グリップは親指を外してフックのような形で握るサムレスグリップでおこないます。
サムレスグリップでおこなうことで、小指や薬指中心で握り込めるようになり、神経系の関係で背中の筋肉が働きやすくなります。
最後に、動作中は足を組み、お尻の大臀筋を収縮させた状態でおこないます。
大臀筋が収縮すると、広背筋も連動して収縮しやすくなるからです。
チンニングのフォームにはこのように意識するポイントがたくさんありますが、ひとつ一つ覚えていきましょう。
背中に効かせるスターナムチンニングとは?
通常のチンニングでは上半身が地面に対してほとんど垂直の状態でおこなわれますが、山本義徳氏が推奨するスターナムチンニングでは、身体を引上げたトップポジションで、上半身が地面と平行になる状態でおこないます。
上から引っ張るチンニングと、正面から引っ張るロウイングの動作を組合わせた動きがスターナムチンニングです。
この動きをおこなうことで、背中の筋肉をより満遍なく刺激できるようになるので、取入れてみると良いでしょう。
北島達也氏が教える背中に効かせる初心者からトライできるチンニング
参考動画:広背筋の様々な鍛え方
初心者でもトライでき、背中にしっかりと効かせるチンニング方法を、北島達也氏の動画を元に紹介します。
北島達也氏は【THE WORK OUT】北島達也 公式Youtubeチャンネルという名前でYouTubeチャンネルを運営しており、クールでかっこいい新しいフィットネスカルチャー(筋トレ)の浸透を目指してさまざまな情報を発信しています。
チンニングは背中を鍛える効果的な種目のひとつですが、初心者には少し動作が難しい問題があります。
しかし、北島達也氏が教える方法でおこなえば、初心者の方で背中の意識をしづらい方でも効かせることができるので、チャレンジしてみてください。
広背筋に効かせるポイントは「上腕の角度とグリップ」
まずチンニングをおこなった際に鍛えられる筋肉は、広背筋・大円筋・僧帽筋といった背中の筋肉です。
中でも逆三角形の身体を作るために大切な広背筋をターゲットに刺激するポイントを解説します。
身体の真横で脇を閉めるように動作すると、大円筋への刺激が強くなってしまうので、広背筋に効かせたい場合は、上腕を身体の真横ではなく、少し斜め前方に出した状態でチンニングをおこないます。
さらに小指と薬指側で強く握って動作することで、力のベクトルが外方向に働きやすくなり腕の筋肉に効いてしまうことを防げます。
少し身体を仰け反らすイメージで、胸をバーに近づけるように動作すると自然と広背筋に効かせることができます。
広背筋に効かせるチンニングの注意点
広背筋に効かせるチンニングの注意点は次の通りです。
- 大円筋や腕に刺激を逃がさない
- ネガティブ時に腕の筋肉で耐えない
大円筋と腕の筋肉はどちらもチンニング動作で必ず使われていますが、広背筋を効果的に刺激したい場合は、なるべく大円筋と腕の関与を小さくすることが大切です。
広背筋は肩甲骨を下制(下に動かす)させる動作によって鍛えることができるので、バーにぶら下がったら少し目線を上に向けて、胸をバーに近づけるように身体を反らしながら持ち上げます。
このイメージで動作すると、先ほど解説した上腕が少し斜め前方にある状態を作れるので、大円筋へ刺激を逃がさずに動作できます。
そして手のひらが自分側に向いているリバースグリップで動作した場合、腕の上腕二頭筋へ刺激が逃げてしまうので、順手のオーバーグリップもしくは手のひらが向い合わせのパラレルグリップがオススメです。
もう一つ、ネガティブ時に腕の筋肉で耐えないようにも注意が必要です。
ネガティブでは先に腕を伸ばすのではなく、脇を閉めて腕を横向きに固めた状態でゆっくりと戻します。
初心者でもチンニングで鍛える方法
チンニングでは自分の体重を引上げる筋力が求められるので、初心者の方や女性の方にとって難易度の高い種目になります。
そこで、初心者の方は次の方法でチンニングに挑戦しましょう。
- 低い位置にバーを置いて足を着いた状態でおこなう
- パワーグリップで握力の負担を抑えておこなう
まず完全にぶら下がった状態から動作することは難しいので、低い位置にバーを置いて床に足が着いた状態でおこなうか、ベンチの上に乗って足を着いた状態でおこないます。
足を着いた状態で動作することで、体重の負荷を減らすことができ、足でアシストをしながら初心者でも鍛えることができます。
この時に足を前方に着いてしまうと、骨盤が前傾して広背筋が収縮しづらくなってしまうので、足をクロスして少し後ろに着くようにします。
次に、パワーグリップと呼ばれるトレーニングギアを活用して、握力の負担を抑える方法もオススメです。
チンニングでは背中よりも先に前腕が疲労してしまい、動作が続けられなくなることがあります。
パワーグリップはバーに巻き付けるだけで簡単に使用でき、それほど高価なものではないので用意しておくと良いでしょう。
山澤礼明氏が解説する上腕二頭筋に効かせるチンニング
参考動画:腕を太くする自重トレ。懸垂のみで二頭筋を鍛える3種の筋トレをご紹介
上腕二頭筋に効かせるチンニング方法を、山澤礼明氏のYouTube動画を元に紹介します。
山澤礼明氏は筋トレYouTuberとして知名度が高く、ジムでおこなえるトレーニング方法や、自宅でおこなえる自重トレーニングなど、さまざまな情報を発信しています。
そんな山澤礼明氏が特別なマシンがなくてもおこなえるチンニングで、上腕二頭筋を強烈に刺激できる方法を解説しているので参考にしてください。
上腕二頭筋に効かせるチンニングのポイントは「片手でゆっくり下りる」
山澤礼明氏が推奨する「ワンアームチンアップネガティブ」は名前の通り、片手でネガティブ動作をゆっくりおこなう方法です。
チンアップはチンニング動作のことです。方法は簡単で、まずはリバースグリップ(逆手)でバーを握って、両手で一度チンニングをおこないます。
そして、片手を離した状態で、上腕二頭筋に力を入れながらゆっくり身体を下げていきます。
チンニング動作でメインターゲットとなるのは背中の筋肉ですが、リバースグリップで動作することで上腕二頭筋への刺激が大きくなります。
あえて上腕二頭筋の関与を高めた状態でネガティブ刺激を加えることで、筋肥大を狙います。
片手でゆっくり下りるチンニングの注意点
ワンアームチンアップネガティブをおこなう際の注意点は以下の通りです。
- 上半身を反らない
- 身体をコントロールする
- 十分にウォーミングアップをおこなう
まず、あえて背中ではなく上腕二頭筋を刺激する方法なので、一般的なチンニングのように上半身を反らないようにしましょう。
上半身が反ってしまうと広背筋が刺激されてしまうので、顎を引き、背中は丸めた状態でおこないます。
次に、片手での動作になるので、上腕二頭筋から負荷が抜けないためにも、身体が揺れないようにコントロールした動作を意識しましょう。
そして、ネガティブトレーニングは強烈な刺激が筋繊維に加わり、断裂など怪我をしやすい特徴があるので、十分身体を温めてウォーミングアップをおこなった状態でトレーニングしてください。
チンニングのネガティブトレーニングとは?
ネガティブトレーニングについて解説します。
筋トレにはポジティブ動作とネガティブ動作があり、ポジティブでは筋繊維が収縮する動作、ネガティブでは筋繊維が伸長する動作のことです。
ネガティブ動作の特徴として、ポジティブ動作よりも強い力を発揮できることや、筋肥大効果が高いことが挙げられます。
この特徴を最大限に活かした方法が、ネガティブトレーニングです。
ポジティブ動作では両手で身体を引上げて負荷を減らし、ネガティブでは片手で負荷を高めた上でゆっくりと身体を下げて刺激します。
それぞれのチンニングの特徴・違いとは?
グリップの広さや握り方、握る向きやフォームなど、チンニングといってもさまざまなトレーニング方法があります。
そこで、グリップの違いやフォームによる違い、効かせたい筋肉ごとの注意点を解説します。
基本を理解することで、紹介した筋トレYouTuber3人の動画を見て、内容を理解しやすくなるはずです。
グリップの違い
まずチンニングでは以下の握り方があります。
- サムアラウンドグリップ
- サムレスグリップ
サムアラウンドは親指を巻いて握る一般的な握り方で、サムレスは親指を外して人差し指と揃える握り方です。
背中のトレーニングでは神経系の関係で、小指側の指を強く握ることで背中の筋肉が刺激されやすくなります。
反対に親指側を握ると上腕二頭筋など腕の筋肉が刺激されます。
サムレスグリップで握ると小指側で握りやすくなるので、背中を鍛える際に効果的ということです。
スタイル・動き・フォームの違い
次に、チンニングでは以下のバーの形状があります。
- オーバーグリップ
- リバースグリップ
- パラレルグリップ
オーバーグリップで握ると、肩甲骨の内転・下制をおこないやすくなり、僧帽筋・広背筋・大円筋が刺激できます。
リバースグリップでは、肩甲骨の内転よりも下制をおこないやすくなり、広背筋・大円筋を刺激できます。しかし、上腕二頭筋の関与が大きくなる特徴もあります。
最後にパラレルグリップでは、腕の関与を減らしつつ、肩甲骨の内転・下制をおこないやすくなり、僧帽筋・広背筋・大円筋が刺激できます。
初心者の方は肩甲骨を下制させる動きに慣れていないので、パラレルグリップでおこなうことが推奨されます。
効かせる筋肉ごとの注意点
最後に効かせる筋肉ごとの注意点を解説します。
まず広背筋は、肩甲骨の内転や下制で働くので、しっかりと胸を張って肩甲骨を動かすことが大切です。
また、骨盤が後傾して背中が丸まっている状態では広背筋下部まで刺激できないので、チンニングをおこなう際は、大臀筋を収縮させて、身体を大きく反らせておこなうようにしましょう。
次に大円筋は、広背筋と連動して働く一方で、肩甲骨を下制させずに動作しても刺激できます。
身体を反らずに真っ直ぐ立てた状態で肘を骨盤に向けて下げ、脇を閉じるように動作することで大円筋をメインに鍛えられます。
身体を大きく反らして、広背筋を刺激するフォームで動作すると、大円筋の刺激が少なくなるので、あえて身体を真っ直ぐに立てて動作すると良いでしょう。
最後に、僧帽筋は肩甲骨の内転で刺激されます。
なので、リバースグリップではなくオーバーグリップまたはパラレルグリップで動作し、紹介した山本義徳氏が推奨するスターナムチンニングのように、トップポジションで正面から引っ張っている状態を作ると刺激できます。
チンニング動作で僧帽筋をメインで刺激するのは難しいので、広背筋や大円筋と合わせて刺激されると考えておきましょう。
トレーナーエージェンシーでは、
・トレーナーとして必要な素養
・具体的なトレーナーの働き方
・おすすめの資格
・トレーナー資格試験の力試し模擬問題
・うまく行く人/いかない人の違い
などをまとめた「【完全版】未経験からトレーナーになるための攻略ガイドブック」を”無料でプレゼント“しております。(内容の一部を先んじて見せちゃいます!)
下記ボタンからダウンロードできますので、ぜひご確認いただいた上で、ご自身の学習にお役立てください。
まとめ
今回は人気筋トレYouTuberの3人が推奨するチンニング方法を解説しました。
チンニングは背中の広背筋や大円筋を効果的に鍛えられる種目ですが、工夫次第で僧帽筋上部や上腕二頭筋を鍛えることも可能です。
この記事で解説したように、チンニングはグリップやバーの形状、動作するフォームによって刺激できる部位を変えることができます。
チンニングは専用のマシンがなくても、近所の公園やグラウンドなどで鍛えられます。
チンニングで広い背中や太い腕を作りたい人は、この記事を参考にしておこなってみてください。
某情報誌とサイトの編集者として15年以上勤務し、自身も編集者時代からダイエットとリバウンドを繰り返した経験を持つエディター兼ライター。現在はダイエット関連の記事を400本以上担当しつつ、3児の母として日々育児に奮闘している。