スポーツメンタルトレーニング指導士の資格を全解説
スポーツと精神は密接に関係しています。今回はスポーツメンタルトレーニングを専門とする資格「スポーツメンタルトレーニング指導士」について、スポーツメンタルトレーニングとはという事から、必要なスキル・活躍の場・資格の取得方法までご紹介します。
スポーツメンタルトレーニングとは?
スポーツ選手には技術も大切ですが、試合は一発勝負ですので、本番で普段の実力をしっかり出し切る強いメンタルが必要です。プレッシャーがかかる中で集中力を高めたり、ミスした後に気持ちを切り替えたりするトレーニングは日ごろから取り入れる必要があります。
日本ではこれまで、選手を追い込んで苦しい練習をすれば、メンタル面が強くなるという考え方が根強くあり、精神面のサポートはおろそかにされていました。しかし海外ではスポーツメンタルトレーニングは広く知られており、導入実績が多くあります。
スポーツメンタルトレーニングとは、張り詰めたプレッシャーに負けず自分の意識を制し、本来の自分の実力を存分に発揮するために心理的方面をトレーニングすることです。スポーツ心理学から生まれた方法で科学的・合理的かつ系統的なトレーニングを行います。
そのため、学会で資格を発行し、メンタルトレーニングにも力を入れるようになりました。「スポーツメンタルトレーニング指導士」は、日本スポーツ心理学会が主催する資格で、2002年から発行されました。スポーツメンタルトレーニングについて正しく理解し、適切な指導を受けた専門家のことで、スポーツ選手に競技力向上のため心理的スキルを中心にしたアドバイスや相談を行うことができます。
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スポーツメンタルトレーナーに必要な素養は?
スポーツメンタルトレーナーに求められるスキルはどのような要素が必要になるでしょうか。スキルとしては「情報収集力」「指導力」「正しくものを見る力」の3つが代表的に求められる力と言えます。
目標を達成するために必要なメンタル維持や、トレーニングアドバイスなどを主に行うため、常に心理学やスポーツ医学などの新しい情報や知識が必要です。
また、体力アップや種目に応じたスキルアップ方法だけでなく、緊張時のメンタルコントロールや、リラックスする方法を伝える指導力も求められます。さらには、選手の心身の状態を的確に把握する洞察力や観察力も必要になります。
スポーツメンタルトレーニング指導士の活躍の場はどんなところ?
スポーツメンタルトレーニング指導士の資格を取得することで活躍できる場所をまとめました。資格を取ろうと考えている人は参考にしてみてください。
スポーツ関連が多い
「スポーツメンタルトレーナー」の活躍の場として、一般的なのはやはりスポーツ関連です。スポーツ団体や民間企業、カウンセリング機関、医療施設などに所属したり、大学で研究者になることや、フリーランスとして、さまざまな場面でメンタルトレーニングの幅広い知識を生かして活躍する人もいます。
また、引退したプロスポーツ選手が、アスリートの経験を活かしつつ知識やスキルを身につけ、メンタルトレーナーになるという事例も多くあります。
医療の現場でも求められている
医療の現場でもメンタルトレーナーは必要な職種です。「臨床心理士」または「精神保健福祉士」などの資格を持っている方はメンタルトレーナーの資格を取得することで就職に有利になったり、よりよい待遇で採用が可能になります。
フリーランス等活躍の場は広い
各現場で経験を積んだあとにフリーランスで活躍する人もいます。フリーになると、研修講師やセミナー、カウンセリング、書籍の執筆などを手掛けることができ、事業が順調に稼働すれば高収入を得ることも可能です。
メンタルトレーナーの幅広い知識や技術は、ビジネスや教育をはじめ、さまざまなところで需要があります。例えば、ステージに臨むミュージシャン、困難な手術をする医者、難関大学を受験する受験生の中にも、実際にメンタルトレーナーのサポートを受けているというケースがあるようです。
「苦手意識を払いのける」「モチベーションを上げる」それによってさらに自分を高めていくということは、どんな人でも目標にすることです。仕事でもプライベートでも、さまざまな視点から考えることによってそのスキルを活かす場所、メンタルトレーナーとして活躍する場所は広げられるのです。
スポーツメンタルトレーニング指導士の資格の種類と取得方法は?
スポーツメンタルトレーニング指導士の資格は国家資格ではないですが、心理学をもとにスポーツ選手を精神面からサポートするお仕事ですので、心理学に対する知識とスキル、カウンセリングやコーチングの手法についても身につける必要があります。
スポーツメンタルトレーニング指導士の資格には3種類ある
スポーツメンタルトレーニング指導士には「スポーツメンタルトレーニング指導士」「スポーツメンタルトレーニング上級指導士」「スポーツメンタルトレーニング名誉指導士」の3種類の資格があり、それぞれ一定の条件を満たし、審査に合格する必要があります。
必要な条件を満たし、資格試験が行われる
(1)スポーツ心理学会の加入者で2年間の在籍期間があること
スポーツメンタルトレーニング指導士の受験資格には一定の条件があり、満たす必要があります。まず、スポーツ心理学会の加入者であることです。この会員になるには、スポーツ心理学会加入者の推薦が求められます。さらに、資格を取得するためには、2年以上の在籍期間が必要です。
(2)大学院でスポーツ心理学か関連領域を専攻し修士号を取得する
その他の要件として、大学院でスポーツ心理学か関連領域(体育・スポーツ科学、心理学など)を専攻する事・修士号の取得・学術成績5点以上・研究実績10点以上・指導実績30時間以上などが必要になります。
スポーツメンタルトレーニング指導士になるためには、以上の条件すべてを満たさなくてはいけません。
(3)資格試験には書類審査、講習、講座がある
実際の資格試験は、書類審査にて条件が満たされているかを確認し、その後認定講習会を受け、スーパーヴィジョンと呼ばれる講座を受けると取得できます。
(4)日本ではメンタルトレーナーはまだまだ少ない
現在日本では、技術を指導するコーチやフィジカルトレーナーなどは多くいてもメンタルトレーナーの人材は少ない状況です。
スポーツメンタルトレーニング指導士の資格がスポーツの世界で認知され、資格を取得した専門家が増えるとともに、心理領域のプロフェッショナルの活躍の場が増えていくことが期待されます。
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スポーツメンタルトレーニング指導士に関するQ&A
ここではスポーツメンタルトレーニング指導士についてのよくある質問にお答えします。
【Q1】スポーツメンタルトレーニング指導士の資格は何年間有効?
認定証が交付された日から5年間有効になります。ただし、更新や移行の申請をすることで継続することができます。
【Q2】審査料や登録料はいくら?
資格認定の審査料・登録がかかります。
【Q3】スポーツメンタルトレーニング指導士の給料はいくら?
スポーツメンタルトレーニング指導士の認知度は徐々に上がってきている職種ですが、まだ日本ではメンタルトレーニングを専門的に行う企業や団体は少ないのが現状です。そのため、メンタルトレーナーだけの金額を出すのは困難なところがあり、各職場における仕事の役割や内容などよって、給料に幅が生じます。
例としては、精神疾患を持つ人を対象としたメンタルトレーニングを行う企業では年収はおおよそ300万円~500万円ほどとなっています。
【Q4】スポーツメンタルトレーニング指導士になるにはどこで勉強すればいいの?
資格取得条件にもあった通り、スポーツ心理学を学べる大学院に行かなければいけません。日本では応用スポーツ心理学やメンタルトレーニングを専門的に学べる大学はかなり限定されています。そのため、「誰のもとで学ぶのか」「具体的に何を学びたいか」ということは大切です。
大学のホームページでスポーツ心理学教員の研究等を確認して、スポーツ心理学やメンタルトレーニングなど自分がやりたい事と近いところを選びましょう。メンタルトレーニングで卒業論文などを書いていたり研修をした上で、学部や専攻の中でメンタルトレーニングを指導していらっしゃる先生のいる大学院へ行くことをおすすめします。
【1】スポーツメンタルトレーニングとは、張り詰めたプレッシャーに負けず自分の意識を制し、本来の自分の実力を存分に発揮するために心理的方面をトレーニングする事
【2】スポーツメンタルトレーナーの活躍の場はスポーツ関連からフリーランスまで幅広くある
【3】スポーツメンタル指導士になるには大学院で関連領域を専攻し、修士号を取得するなど条件がある
【4】応用スポーツ心理学やメンタルトレーニングを専門的に学べる大学は限定されるため大学のホームページで事前に情報収集することが重要