スポーツに関連した国家資格まとめ!6種類の資格の違いとは?
資格には種類があるのをご存知でしょうか?国が認定する国家資格と民間団体が認定する民間資格の2種類に分けられます。今回は、スポーツに関連した国家資格について紹介します。自身の将来像を思い浮かべ、適したものを見つけましょう。
1)国家資格とは?
国家資格とは、法律に基づき国が認定する資格です。特に、以下で紹介する資格はすべて「業務独占資格」に分類されます。「業務独占資格」とは、該当する業務を行うことを許可される資格であり、例えば医業であれば医師資格が、薬業であれば薬剤師資格ということです。そのため、高い専門性があり信頼性が高く、就職の際に有利に働くことが多くなります。
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2)スポーツに関連した代表的な6つの国家資格を紹介
国家資格の有資格者は高い専門性を持ち合わせているため、スポーツ分野でも特長に合わせて活躍することができます。それぞれの資格について見ていきましょう。
その1:理学療法士
理学療法士とは、怪我をした人などに対して理学療法を行うことができる資格です。理学療法には、運動療法・物理療法や装具の訓練が含まれます。身体の障害を回復して日常生活が問題なく送れるように医学的リハビリテーションを行いますが、さらにその延長にあるものとしてアスレティックリハビリテーションに従事している理学療法士もいます。
アスレティックリハビリテーションとは、アスリートなどが競技復帰できるように行うリハビリであり、まさにスポーツにおける理学療法士の活躍分野と言えるでしょう。
その2:作業療法士
作業療法士は、障がいを持つ方を対象に社会復帰のための訓練を行うことができる資格です。作業療法は、日常でよく行われる動作や活動を行うことができるように実施されます。作業の中にはスポーツも含まれるため、他の資格よりもパラスポーツに対して専門性を活かすことができます。
その3:柔道整復師
柔道整復師は、打撲や捻挫などの損傷に対して施術を行う資格です。整復法・固定法・後療法の3つを用いて治療に当たります。整復法は骨や関節がずれているのを戻す方法、固定法は患部を固定する方法、後療法は患部の機能回復を図る方法です。整形外科と混同しやすいですが、手術や投薬などの医療行為は禁止されています。
その4:あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師とは、あん摩・マッサージ・指圧の3種類の手技を用いて施術を行うことを許可する資格です。あん摩とマッサージは似ていますが、あん摩が身体の中心から末端に行うのに対し、マッサージは先から中心に向かって施術します。
基本的に道具を用いず、自身の手を用いて治療に当たります。治療として、医師の指示なくマッサージを行うことができるのは、あん摩マッサージ指圧師のみです。
その5:はり師
はり師とは、鍼による施術を業として行うことができる資格です。よく鍼灸師という資格が挙げられますが、はり師ときゅう師をまとめた俗称で、鍼灸師という資格はありません。
鍼という刺激の少ない針を用いて、経穴などを刺激して神経系に作用することで治療を行います。神経に直接作用し科学的な根拠も示されているため、効果が期待でき、さまざまな方が治療を受けています。最近では美容の分野でも注目されています。
その6:きゅう師
きゅう師とは、灸と言われる施術を業として行うことができる資格です。灸とは、経穴と呼ばれる部位に温熱刺激を与えて血液の循環を促す治療法です、熱源は、もぐさと呼ばれるヨモギを加工したものを用います。東洋医学に基づき、自然治癒力を活性化するために施術を行います。
3)資格取得の勉強について
専門性が高い資格であるため、まずは養成課程を経て受験資格を得る必要があります。どんな勉強をするのかを紹介します。
養成校
すべて、養成校で3年以上勉強することで受験資格が得られます。養成校は、大学・短期大学・専門学校などがあります。
勉強内容
勉強する内容は多岐にわたります。全ての資格で共通しているのは、解剖学・生理学・病理学・リハビリテーション医学です。人体の仕組みについての学問であり、治療にかかわる仕事をする際は必須です。
運動学は理学療法士・作業療法士・柔道整復師、衛生学や公衆衛生学は柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師、東洋医学概論や経路経穴概論はあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師が共通で学びます。その他に、各資格専門の分野を学習します。
4)試験について
受験資格を得られたら、試験を受けて合格し登録することで資格を取得できます。国家試験は、年1回行われます。
試験内容
養成校で学習した内容を筆記試験で実施します。それぞれ、一般問題と実地問題に分かれていて、一定以上の正答率が求められます。
受験料
受験料は高い順に、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師、理学療法士・作業療法士です。
合格率
平成31年実施の試験について厚生労働省の発表した合格率を見ていきます。高い順に、あん摩マッサージ指圧師86.8%・理学療法士85.8%・きゅう師78.5%・はり師76.4%・作業療法士71.3%・柔道整復師65.8%です。
登録料
合格後は資格の登録を行います。
5)就職について
資格を習得した後の仕事についてみていきましょう。いずれも専門性を活かして働きます。
就職先
主に、病院・診療所などの医療施設・介護老人保健施設・通所リハビリテーション施設などの福祉施設などに勤める方が多いです。スポーツ分野については、チームに所属してトレーナーとして働き、治療やリハビリにあたっています。
年収
平均年収は、資格による大きな差はなく、約400万円前後です。しかし、理学療法士・作業療法士以外は独立開業できるので、人によっては1,000万円を超えることがあるようです。
将来性
スポーツ分野については、前述したとおりトレーナーとして働く道があります。特に今後は東京オリンピック・パラリンピックに向けて需要が高まっていきます。リハビリや治療の専門家として活躍でき、さらにトレーナー系の資格を取得することにより幅広く関わることができます。特に日本代表のトレーナーには、今回紹介した資格を持っていることが求められることが多く、非常に重要な資格だといえます。
6)スポーツに関連した国家資格についてその他のQ&A
スポーツの国家資格に関係するQ&Aをみていきましょう。
【Q1】国家資格以外で注目の資格は?
国家資格は国が認定するため、信頼性が高くオススメですが、それ以外でもスポーツに関連した資格はいろいろとあります。なかでも注目したいのは、健康運動指導士・アスレティックトレーナー・NSCA資格です。
【Q2】健康運動指導士とは?
健康運動指導士は、健康・体力づくり事業財団が認定している資格で、保健医療関係者と連携し、運動プログラムの作成などを行うことができる資格です。スポーツを通じて健康維持にかかわりたい人にオススメです。
【Q3】アスレティックトレーナーとは?
認定組織は、日本スポーツ協会とジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会の2つあります。スポーツ現場での怪我の対処や、怪我の予防のためのトレーニングを行います。今回紹介した資格と合わせて取得する方も多く、人気がある資格です。
【Q4】NSCA認定資格とは?
NSCAが認定しているもので、CSCSとCPTの2種類があります。いずれもトレーニング指導がメイン資格で、CSCSがアスリートやスポーツチーム、CPTは主に一般を対象に指導を行います。
・国家資格は、国が認定する資格で信頼性が高い
・主なスポーツに関連した国家資格は、理学療法士・作業療法士・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師などがある
・それぞれの資格に得意分野があるため、特長を活かして活躍することができる
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