テーピング専門の資格がある?資格の内容と取得までの手順まとめ
スポーツの際に気を付けていても思いがけないところで怪我をすることがあります。すぐに医療機関に行けない場合や軽度の怪我の場合に活用されるのが、テーピングです。トレーナーの養成課程で学ぶことがありますが、テーピング専門の資格はないのでしょうか?
1)テーピングとは?
粘着性のあるテープで患部を固定する処置方法です。怪我の予防、応急処置や怪我の再発防止を目的として行われます。
テーピングの効果
テーピングは、部位や目的によってさまざまな巻き方があります。そのため、方法によってさまざまな効果を得ることができます。
(1)関節可動域の制限
怪我により靭帯を損傷すると関節の動きが大きくなるため、ふとした動作で過度に関節を動かしてしまいさらに損傷を大きくしてしまうことがあります。テーピングにより動きを制限することにより、怪我の悪化を防ぎます。
(2)患部の圧迫
怪我をした直後は炎症を起こし、患部が腫れてきます。腫れることにより患部の周囲まで炎症が広がってしまうため、圧迫によって食い止める必要があります。
(3)患部の筋や腱、靭帯の保護や補強
アスリートが競技復帰をするために早期のリハビリが必要となります。過度に固定しないテーピングを施すことにより安全にリハビリに臨むことができます。
(4)精神的な支え
テープで固定されていることにより心理的に安心できます。リハビリの後期や試合などの際はこういった理由でテーピングを行う場合があります。
(5)疼痛緩和
テーピングにより負荷がかかりにくい形で固定することにより、痛みを軽減します。
テープの種類
テーピングに用いるテープは、主に6種類あります。固定力や伸縮性が異なるため、目的に応じて使い分ける必要があります。
(1)非伸縮テープ
ホワイトテープと呼ばれることが多い伸び縮みしないテープです。怪我の直後などしっかりと固定する場合に使います。
(2)ハード伸縮テープ
エラスティックテープとよばれ、やや伸縮性があります。症状が軽快してきたときなど、ある程度動きを出したいときに使います。
(3)ソフト伸縮テープ
伸縮性が高いテープです。単独で用いることは少なく、巻いたテープがはがれないように上から巻くのが主な用途です。
(4)自着性テープ
肌には接着せず、テープ同士がくっつきます。包帯の代わりに使うことが多いです。
(5)アンダーラップテープ
テープを直接貼ると痛みが出たり、体毛が濃い場合はうまく接着できなかったりすることがあります。アンダーラップは皮膚の保護を目的に使われます。
(6)キネシオテープ
前述のテープ類とは異なり、固定のためではなく、血液やリンパ液の流れの改善などで使われます。痛みやこり、内出血の改善や痛みの緩和が期待できます。あらかじめキネシオテープを貼っておくことにより関節の動きがスムーズになるので、筋肉への疲労蓄積を軽減します。
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2)キネシオテーピング協会
テーピングの資格の中で有名なのが、キネシオテーピング協会が認定しているものです。キネシオテーピング協会とは、キネシオテーピング法の普及を目的とした団体です。
キネシオテーピング法は、1980年に現在キネシオテーピング協会会長を務める加瀬建造によって開発されました。現在では、協会は国内7支部、世界でもアメリカ・ヨーロッパ・アジア・オーストラリアなど20か所に支部拠点を持つ大きな組織に成長しています。
3)テーピングの資格
認定資格は、CKTT・CKTP・CKTIの3つです。スポーツインストラクターや治療家だけでなく、学生や部活動のマネージャーや介護施設で働く方など幅広い年代や職種の方が資格を取得しています。
KTAM(Kinesio Taping Associaton Member)
認定資格ではありませんが、CKTT取得のための基礎講座を受講する際には入会し、KTAMとなる必要があります。特典として、キネシオテーピング購入の際に割引が受けられます。
(1)対象
キネシオテーピングのやり方を知りたい方。
(2)受験資格
特になし
(3)取得の手順
キネシオテーピング協会に会員登録を行うことにより、取得できます。
(4)講座内容
講座はありません。
(5)資格試験
試験はありません。
(6)認定
登録費は必要ありませんが、年会費を支払います。
CKTT(Cretified Kinesio Taping Trainer)
キネシオテーピング協会認定トレーナーです。キネシオテーピングの基礎知識を修得し、キネシオテーピングを実践できることを認定します。正しい知識でキネシオテーピングを他者にアドバイスすることが可能です。上位資格への前提資格となり、CKTT資格者でないと上位資格認定のための講座を受講できません。
(1)対象
基礎講座を受講し、上級資格を目指す方。
(2)受験資格
基礎講座受講者
(3)取得の手順
キネシオテーピング基礎講座を受講し、オンライン試験に合格すると取得できます。
(4)講座内容
・基礎講座
キネシオテーピング法をはじめて学ぶ人に向けて、キネシオテーピング法の基本分野、基礎知識を学習します。6時間の講座で、テーピングの基礎知識や症状別にテーピングの基本的な実習を行います。
(5)資格試験
オンライン試験で実施します。試験時間は60分で問題数は30題です。試験の出題範囲は基礎講座の内容全てが対象です。受験料が必要です。
(6)認定
登録料は必要ありませんが、年会費を支払います。認定されると、CKTT認定証と認定カードが発行されます。
CKTP(Cretified Kinesio Taping Practitioner)
キネシオテーピング協会認定プラクティショナーです。キネシオテーピング療法を理解し、治癒力増進を目的としてキネシオテーピング法を実際の施術に使用することができます。
(1)対象
キネシオテーピング法による治療が目的の方
(2)受験資格
CKTT資格を取得している方で、対象の講座を42時間受講した方
(3)取得の手順
対象講座を受講後に、オンライン試験と実技試験に合格すると取得できます。
(4)講座内容
4回の部位別講座、2回のコレクションテープと特殊テープ講座、シェィプアップ講座~ビューティーキネシオテーピング~が対象です。
・部位別講座
全身の各部位に対するキネシオテーピングを全4回に分けて実施します。症状を鑑別するスクリーニングテストについても学ぶことができます。
・コレクションテープと特殊テープ講座
コレクションテクニックといわれる皮膚・筋膜・リンパ・腱や靭帯の受容器に作用させる手法と、腱・靭帯・浮腫などに対する独自の特殊テープの施し方を2回に分けて学びます。整形外科テスト法についても学習できます。
・シェイプアップ講座~ビューティーキネシオテーピング~
「ビューティーキネシオテーピング」とは、ゆがんだ骨格を矯正して、筋肉の働きを活性化させる方法です。テーピングによる骨格矯正は、筋肉のゆがみやねじれからくる血行不良や神経の働きの低下を改善し、筋肉が本来のバランスを取り戻すことにつながります。
(5)資格試験
オンライン試験と実技試験を行います。オンライン試験は、試験時間90分で問題数は100題です。出題範囲は講座の全範囲です。受験料はオンライン試験と実技試験に掛かります。
(6)認定
資格登録料と年会費がかかります。認定されると、CKTP認定証が発行されます。
CKTI(Certified Kinesio Taping Instructor)
キネシオテーピング協会認定インストラクターです。キネシオテーピング法の指導者として、普及を行うことができます。
(1)対象
教育活動や普及活動を行いたい方
(2)受験資格
CKTP資格を取得している方で、指導員養成講座を受講している方
(3)取得の手順
指導員講座受講後にオンライン試験と実技試験に合格することで取得できます。
(4)講座内容
・指導員養成講座
他者に対して正しくキネシオテーピングの技術を指導するための知識や方法を修得します。2日間にかけて12時間の講座です。
(5)資格試験
オンラインと実技試験を行います。試験時間は90分で問題数は100題です。試験範囲は講座の全範囲となっています。受験料は、オンライン試験と実技試験に必要です。
(6)認定
資格登録料と年会費を支払います。認定されると、CKTI認定証とCKTI認定カードが発行されます。
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4)テーピングの資格に関するQ&A
テーピングの資格については理解していただけたでしょうか?すぐに資格を取得しない場合でも、テーピングを活用したい人が抱きやすい疑問について解説します。
【Q1】人に対して施す場合、テーピングには資格が必要?
テーピングを行うのには資格は必要ありません。誰でも行うことができます。しかし、不適切な方法で実施してしまうと、血流を阻害したり症状を悪化させることがあります。人に対して施す場合は、講習会を受講したりして正しい方法を身につけましょう。
【Q2】テーピングの講習会はどんなものがある?
テーピング用のテープを販売しているメーカー、整形外科のある病院やスポーツトレーナーを養成している施設などで定期的に開催されています。また、市区町村で開催している場合もあります。
【Q3】有名なテーピングのメーカーは?
ドラッグストアなどでよく見かけるのは、ニチバンやピップなどです。トレーナーで使用していることが多いのは、二トリート、ジョンソンエンドジョンソンやドームなどが多いです。それぞれに使用感が異なるので、自分に合ったものを見つけましょう。
・テーピングは、主に怪我の予防、応急処置や怪我の再発防止を目的として行われます。
・テープには様々な種類があり、目的によって使い分ける必要があります。
・キネシオテーピング協会が認定する資格は3つあり、どのような活動をするかで選択することができます。
<参考>
キネシオテーピング協会