グループエクササイズとは何?内容と講師デビューの方法
スポーツジムで、ボクササイズ、ヨガなどの様々なプログラムを見たことはないでしょうか?この様に複数の人間が、同じ部屋で同じトレーニングを行うことを、グループエクササイズと言います。今回はグループエクササイズの内容やグループエクササイズのインストラクターになるための資格について紹介します。
1)グループエクササイズの3つのメリット
そもそも、なぜ殆どのスポーツジムではグループエクササイズのメニューがあるのでしょうか。実はグループで行うトレーニングには3つのメリットがあるからです。ではどのようなメリットがあるのか。本項目で説明します。
メリット1:効果が保証できる
一人でトレーニングメニューを組める場合は別ですが、殆どの人は効率的なトレーニングメニューを組むことは難しいはずです。グループエクササイズの場合、インストラクターが指導をしてくれるため、やり方が合っているのか、効果的にトレーニングができているのかを確認し、指導してくれます。初めの内は上手くいかなかったとしても、段々慣れて来ると共に、効果的なトレーニングができるようになります。
メリット2:楽しんでトレーニングできる
基本的にグループトレーニングは音楽に合わせて体を動かすトレーニングが多いです。そのため、音楽を聞いていいる内に自然と体が動いていたりします。また、グループでのトレーニングなので、そこで知らない人たちと一緒にトレーニングをすることで、新しいコミュニケーションが生まれることもあるので、毎日違うコミュニケーションを楽しむことができます。
メリット3:さぼらずに続けられる
体調不良など、やむを得ない事情を除いて基本的にはトレーニング途中での入退場は禁止されています。そのため、少し手を抜こう、サボろうと思ってもインストラクターからの指導や、他の参加者からの励ましがあるため、中々手を抜くことができません。また、ジムによってトレーニングのスケジュールが決まっているので、個人でメニューを組むよりも日課にしやすいメリットもあります。
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2)みんなでやってみよう! 5種類のグループエクササイズ
一口にグループエクササイズと言っても、その種類は様々です。ここでは具体的にどのような種類のエクササイズがあるのか、代表的な5種類について説明します。
ストレッチ系エクササイズ
ヨガ、ピラティスを始めとした、ストレッチを目的としたエクササイズです。こちらのエクササイズは筋力トレーニングや有酸素運動とは違い、ウォーミングアップやリラクゼーション効果、血液の循環を促進させることで老廃物を流すなど、健康面を重視した内容のエクササイズです。特に肩や腰のコリや冷え性に悩んでいる人にオススメのエクササイズです。
有酸素運動系エクササイズ
ボクササイズなどの格闘技をベースにしたエクササイズや、台を使用した昇降運動などの有酸素運動をメインにしたトレーニングです。音楽に合わせてパンチやキックを繰り出すなど、全身を使った運動をすることが多く、単純な動きを長時間繰り返すことが多いため、ダンスが苦手な人で持久力を伸ばしたい人にオススメのエクササイズです。
筋肉トレーニング系エクササイズ
バーベルを使用したエクササイズなど、腕や足などピンポイントで筋肉に負荷をかけるトレーニングです。音楽に合わせてスクワットや腕立て伏せを行うことで筋肉量の増加や筋肉の衰えを防ぐ効果があります。バーベルの重さを調整することで、自分のレベルに合わせたトレーニングが出来るのも特徴です。筋肉だけでなく、基礎代謝量や骨密度を上げる効果も期待できるので、生活習慣病や骨粗鬆症の予防にも繋がります。
ダンス系エクササイズ
ズンバやエアロビクスなどのダンスを用いたエクササイズです。音楽に合わせて踊ることを目的としたエクササイズなので、年代を問わずに楽しめるのが特徴です。また、有酸素運動としても効果が高いので持久力の向上やシェイプアップ効果だけでなく、ストレスの解消や生活習慣病の予防に繋がるなどの、健康的な効果も期待できる内容になっています。
プールでのエクササイズ
1〜4まで屋内、しかも床の上で行うエクササイズを紹介してきましたが、水中で行うグループエクササイズもあります。ダンスやウォーキングなどの水の抵抗や浮力といったものを効果的に利用したトレーニンで、膝や腰にかかる負担が陸上よりも軽いことから、中高年に対してニーズが高まっているエクササイズです。水の負荷によって高い運動効果が得られると同時に、浮力によるリラクゼーション効果も期待できる内容になっています。
3)グループエクササイズのトレーナーになるには?
ここまでグループエクササイズというものについて紹介してきましたが、ではトレーナーになるために必要な条件や資格とは何なのか。専攻すべき学部など、必要な知識や資格について紹介していきます。
専攻した方が良い学部は?
基本的にトレーナーになるために専攻するべき学科というものはありませんが、体育大学で健康、スポーツ科学に関する学科があるのなら専攻すべきでしょう。また、近年ではそう言ったトレーナーを育成するための専門学校もあり、資格取得制度もある学校もいくつか存在するので、そういった専門学校および大学がないか、確認してみると良いでしょう。
必要な資格は?
グループエクササイズのトレーナーとしての国家資格は存在しません。また、民間資格としていくつか存在するものの、2番目の項目で説明したとおり、エクササイズの種類によって必要な資格が違うので、自分の担当によって必要な資格が変わってきます。そのため資格も取得していたほうが良いのは確かですが、実務経験を重視する企業が多いので、スポーツジムでアルバイトをしながら資格勉強をするなど、経験を積むことを優先しつつ資格を取得することをオススメします。
4)グループエクササイズの代表的な資格とは?
国家資格のない職業ではありますが、この職種の代名詞的な資格としてグループエクササイズフィットネスインストラクター(GFI)という資格が存在します。この資格は6種類の分野に分かれていて、それぞれの分野に特化した資格を発行していて、それぞれの分野に特化した指導ができるようになっています。ここではその6種類の資格について説明します。
ストレッチングエクササイズ(SE)
ヨガやピラティスと言ったストレッチ系のエクササイズを専門とした資格です。ヨガやピラティスに関する知識も当然ですが、ストレッチに関する知識が必要になります。主な就職先としてスポーツジムなどの施設や、医療系の就職先があります。
レジスタンスエクササイズ(RE)
筋力トレーニングをメインにした資格です。筋力トレーニングに関する知識はもちろんコンディショニングや筋肉機能の改善に関する知識が求められます。ちなみにレジスタンスとは抵抗と言う意味で、筋肉に抵抗を与えて鍛えることから、この名前がついています。主に介護や医療福祉関係の分野での就職する人が多い資格です。
エアロビックダンスエクササイズ(AD)
エアロビクスなどのダンスエクササイズをメインにした資格です。そのため、ダンスの振付を始めとした年代を問わずに楽しめるプログラムの作成と実演に関する能力、そして集団を動かすための指導能力がこの資格には求められます。スポーツジムなどの公共施設がメインではありますが、近年学校の授業でダンスが必修化されたため、教育分野での需要も増えています。
ウォーキングエクササイズ(WE)
歩くという運動の中でも最も身近な行為ですが、エクササイズとしても取り入れられています。単純な運動だからこそ、一人ひとりの歩き方の特徴から、その人に合った歩き方の指導が求められます。こちらは介護や医療などに特化した就職先での需要が多い資格でもあります。
アクアウォーキングエクササイズ(AQW)
水の特性、例えば水の抵抗や浮力と言ったものを効果的に利用したウォーキングやトレーニングについて指導するための資格です。水泳が苦手な方でも行えることや、腰や膝への負担が少ないことなどから中高年へのニーズも高まっています。プールを設けている施設は多いものの、水中歩行に関する指導ができるトレーナーは少ないため、介護、医療分野などで将来的な需要が期待できる分野です。
アクアダンスエクササイズ(AQD)
水中での運動という点ではAQWと同じですが、更にダンスを付け加えたものです。そのためAQWとADの両方の知識が必要になる資格でもあります。そのため、介護系だけではなく、スポーツジムなどの施設やADと同じく、教育関係での需要が見込まれる資格です。
5)GFIの合格率や難易度は?
GFIの資格試験を行っている日本フィットネス協会(JAFA)によると、合格率は約84%とのことです。資格試験として見た場合、難易度は低い部類の資格と言えるでしょう。ただし、この試験はベーシックインストラクター(BI)と、上級のインストラクター(I)の2種類があることや、分野が6種類あることから、分野と試験のランクによって、難易度は変わるものと思われます。
試験日や開催地は?
試験日については各種目毎に不定期で行われています。開催地については東京、大阪を始めとした都市部で基本的に行われています。申込みは試験日の1週間前までですので、後述の日本フィットネス協会のURLを確認して下さい。
勉強方法は?
個人受験の場合はJAFAから公式の教材が販売されているので、こちらを購入して勉強をして下さい。こちらを理解した上で試験に臨めば、高確率で合格するものと思われます。また、大学や専門学校の中にはJAFA養成校として認定を受けている学校もあるので、専用のカリキュラムを受講可能です。これから大学受験を控えている人は、一度確認をしてみて下さい。
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6)グループエクササイズに関するその他のQ&A
ここではグループエクササイズに関する質問にお答えします。
【Q1】グループエクササイズは初心者でも出来ますか?
スポーツジムによっては初心者向け、中級者向けと言う風にランク分けされているプログラムもありますが、基本的には誰でも参加できるプログラムになっています。また、ランク分けされていると言っても明確な基準があるわけではないので、経験や自信があるのであれば、最初から上のクラスに参加することも可能です。
【Q2】始める前にインストラクターがお手本を見せてくれますか?
ズンバなどのダンスエクササイズの場合、インストラクターの動きにリアルタイムで付いていかなければいけないものもありますが、基本的には最初にインストラクターが実演した後、指示に従ってエクササイズを行う場合がほとんどです。また、ダンス系の場合でもそこまで複雑な動きはしないので、最初は後ろの列に立って、前の人達の動きを見ながら付いていけば、その内慣れてきます。
【Q3】GFIの試験は地方では行われないのですか?
基本的には東京や大阪などの都市部ですが、その他の都道府県でも開催されます。ただし全ての都道府県で行われる訳ではないので、後述のURLをよく確認した上で試験の申込みを行って下さい。
【Q4】ベーシックインストラクターと、インストラクターの違いは何ですか?
ベーシックインストラクター(BI)は、エクササイズに関して基礎部分の知識とスキルを持ったインストラクターで、動きの実演能力や、どのように動けばよいのかなどを指導する能力があると認定された人たちを指します。それに対してインストラクターはBIのスキルに加えて、エクササイズのプログラムを考える能力があると証明された人たちです。そのためBIの方が1ランク下となっています。
【Q5】GFIの試験は何をするのですか?
筆記試験と実技試験の2種類の試験を行います。筆記試験は6種類全て共通で、エクササイズやフィットネスの理論についての試験です。60%以上の正解で合格です。それに対して実技試験は受講する分野によって変わりますが、各種目の評価項目で基準以上の「○」評価を得ることで合格となっています。
【1】グループエクササイズは、集団で行うため楽しんでトレーニングが出来る。また、インストラクターが考えたプログラムなので効果も期待できる上に、コミュニケーション、スケジュールの面などから日課として継続がしやすい。
【2】グループエクササイズにはいくつか種類があり、大きく分けると持久力や心肺機能向上がメインのダンス系と有酸素運動系、筋肉量の増加などがメインの筋肉トレーニング系、健康促進がメインのストレッチ系と水中で行うエクササイズの5種類がある。
【3】グループエクササイズのトレーナーとしての国家資格は存在しないが、エクササイズのジャンルによって必要な知識がある。採用する側は資格よりも職務実績や実務経験を重視する傾向にあるので、実績を積みながら必要な資格の勉強をした方が良い。
【4】絶対に必要というわけではないものの、グループエクササイズフィットネスインストラクター(GFI)という資格があり、エクササイズの種類に応じて6種類の資格がある。それぞれの分野に応じて求められている知識や就職先の分野が異なっていて、どの道に進みたいかによって取得する資格を選ぶ必要がある。
【5】GFI試験の合格率は80%を超えていて、それほど難しい資格試験ではない。ただしベーシックインストラクターと、その上のランクのインストラクターの2種類の試験があり、ジャンルによって求められている知識が異なるので注意が必要。GFIの試験を行っている日本フィットネス協会(JAFA)から販売されている教材を買って勉強するか、専用のカリキュラムを大学や専門学校で勉強をすることができる。
<参考URL>
【日本フィットネス協会(GFI)】:https://www.jafanet.jp/license/block_diagram/
【日本フィットネス協会オンラインショップ】:http://jafa.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=1080920&csid=0
【日本フィットネス協会(試験開催地と日程)】:http://www.jafanet.jp/license/jafa_workshop/