理学療法士の仕事って?その将来性は?
理学療法士を仕事にしている方の多くの本音に、肉体労働が多く体力的にキツイ、将来性がみえにくいなどの声が多く聞かれます。しかし一般の方の印象は「国家資格を有する仕事で将来も安定が望めるのではないか」という印象です。この記事では、実際の仕事内容や実態はどうなのかをご紹介いたします。
1)理学療法士の仕事って?
国家資格を有する仕事で、身体に障害・病気・事故の後遺症がある人に対して、日常的動作能力の回復を図るために治療を行なっていく仕事です。
高齢化が心配される日本では、加齢によって身体の動きが悪くなり、日常生活に支障が出る人が少なくありません。加齢以外にも、ケガなどによって同じように身体の動きが悪くなり、生活に支障をきたす人もいます。理学療法士はそういった人々の身体の動きや機能を回復するためのメニューの作成や、実際のリハビリを行い、治療をしていくのが仕事です。ここではそんな理学療法士の仕事の中身や実態を解説します。
リハビリのメニュー作成
理学療法士の仕事として、まず一番はじめに思い浮かぶのが『リハビリ』です。理学療法士は一人ひとりの身体の状態に合わせて、リハビリメニューを考案します。日常生活を送れるようにするためのトレーニングや、自分の身の回りの事ができるようになるためには何をすればいいのかを考えます。障害やケガ・加齢など理由も違えば、症状は同じでも、一人ひとり身体の状態は違います。それぞれ違う身体の状態に合わせて、毎日変わる体調に合わせて、調整しながらトレーニングの内容を組んでいく事は理学療法士の大切な仕事です。
リハビリのサポート
考案したメニューを元に、実際にリハビリのサポートを行います。同じ人でも、その日によって体調も違えば気分も違います。最初に立てたメニュー通りには進まないこともあったり、なかなかリハビリ前向きになれない人に対して、励ましながらリハビリを進める必要もでてきます。一人ひとりに寄り添いながらリハビリのサポートをしていくことが理学療法士の仕事になります。
また、自身の力だけでは動けない人のトレーニングを行う場合にも、理学療法士のサポートが必要になります。相手の身体をサポートしながらトレーニングをさせるという事は、かなりの肉体労働になるので、体力に自信のない人はリハビリのサポートをしていくだけでも手一杯になるかもしれません。
患者とのコミュニケーション
理学療法士の仕事の1つにリハビリメニューの作成があると書きましたが、このメニューの作成には医師との相談はもちろんですが、患者の意見もしっかりとヒアリングしてリハビリの計画を進めることが非常に重要になってきます。
一方的に医師や理学療法士の意見を尊重してしまう事により、患者に精神的負荷がかかり、患者のモチベーションの低下に繋がり、治療を遅らせる原因の一つになってしまいます。さらには患者の家族からもリハビリのペースの希望もあるため、色々な人とのコミュニケーションを積極的にとらなければなりません。
こういった多方向のコミュニケーションのかけ橋になるのも理学療法士の業務の一貫です。
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2)理学療法士の未来
現状では医療や介護分野の中でも人気を誇っているのが理学療法士です。専門学校を卒業し、資格を有している人の就業率は限りなく100%に近い数字であり、就職に関して安定性の高い数字が人気の要因になっています。理学療法士の将来的な展望についてを解説していきましょう。
将来性
スポーツ分野や、介護の現場でもリハビリのプロとして専門職の位置付けになるため、理学療法士のニーズが無くなることはないでしょう。将来的に高齢化がどんどん加速していくことが予想される社会において、必要な仕事であることは間違いありません。
この先深刻な高齢化社会に突入していく中で、老人ホームや介護施設が次々と増えることが予想されます。中でもリハビリのサポートや、リハビリメニューの考案など、理学療法士の仕事も需要が拡大していくでしょう。そのため、これから将来的に非常に求められる事の多い仕事だといえます。
これからの理学療法士に求められること
理学療法士のニーズが拡大している現状はおわかりいただけたかと思います。国家資格を必要とする仕事のため、社会的な地位を確立されているなど、メリットの部分では非常に価値が高いと言えます。昨今では理学療法を専門で学べる学校の数が増え、資格を習得するための機関も増加しています。
そういった背景により資格所有者は増加の傾向となっているため、これから先も理学療法士の資格所有者は増えるでしょう。有資格者が増える一方だからこそ、周囲の理学療法士とどれだけの差をつけられるかが重要になってきます。
資格を習得し、さまざまな知識をつけたり、新しい技術や情報を自分から貪欲に取り入れ、勉強する姿勢を持ちましょう。理学療法士の本音の中にもありますが、勉強を続ける理学療法士も、漫然と過ごす理学療法士も、給与が変わらないという意見もあります。しかし誰にでもできる仕事はいつか誰かにとって代わられます。
周りとのコミュニケーションをさらに円滑化させるなど、仕事に付加価値つける人も増えています。周囲の理学療法士との差別化を図るために、常に向上意欲を持たなければ、理学療法士としての価値も下がってしまいます。いつでも代わりのきく理学療法士にならないように、自分自身の価値を早いうちに上げておきましょう。
3)理学療法士が実際に抱えている本音
理学療法士の仕事内容や将来性などお話しいたしましたが、実際に現場で働いている人の本音はどうなのでしょうか?気になると思いますので紹介していきます。
給料面
年収ガイドによると理学療法士の平均年は約400万円となっています。この400万円という数字が高く感じるか、低く感じるかは人により感覚に差がありますが、日本の平均年収に近い数字になっています。基本的な生活には困る事のない水準です。
しかし贅沢が頻繁に出来なかったり、家庭を持ち、共働きしない場合にはかなりひっ迫した状況になってしまいます。「平均的な給与は貰えるが本音では仕事内容の割には給与は少ない」と思っている人が多い仕事なようです。
背景には力仕事が多く、体力面でキツイ・休日が少ない・常に接客の連続と力仕事が隣合わせで、精神面での負荷がすごい、などといった体や精神的な負担の割に収入は少ないと考えられているようです。
<関連リンク>
理学療法士の給料まとめ!平均相場と給料を上げる方法
仕事へのやりがい
仕事をしていて気になる事は給与面だけでなく、仕事のやりがいを重要視する人も多いでしょう。理学療法士として就業している方の中には、給料面よりも仕事へのやりがいを感じて仕事をしている人も多いようです。
厳しいリハビリをやっとの思いで乗り越え、通常の生活が出来るようになったと、患者さんに感謝の言葉をもらった時など、人の役に立てたと実感出来る仕事です。そういった直接の感謝の言葉は喜びを生み、やりがいに繋がり充実感が得られるという声も多いです。
やりがいを十分に感じている反面、新しい知識の収集などの努力をしている理学療法士も、資格を取ることで安心して漫然と過ごしている理学療法士も、給与面で変わりがないという声もしばしば聞かれます。しかしこれについては、今後資格を取得する理学療法士が増えるにつれて、漫然と過ごす理学療法士は淘汰される可能性があることは覚えておく必要があるでしょう。
将来性に関して
理学療法士のニーズ自体は今後も間違いなく増えていきますが、前に触れましたが年々理学療法士の資格を取得する人が増えています。2018年の資格取得者は約1万人弱という調査もあります。
ニーズが拡大して行く事は間違いのない事ですが、理学療法士の数が増えすぎて飽和状態になる事も考えられます。理学療法士の給料は診療代金から支払われます。この診療代金が上がらなければ報酬は上がりません。診療報酬が急激に上がる事がなく、平均的な報酬しかこの先貰えないという現実を悲観して、将来性がないと感じる人が現場に多い事も事実です。
しかし日本という国は確実に高齢化しています。高齢者のリハビリのニーズが増えていくことは事実であり、理学療法士の仕事場がリハビリだけにとどまらず、スポーツの世界にも広がっていることを考えると、理学療法士という職業の将来性はかなり期待ができると言っても過言ではないでしょう。
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4)理学療法士に関するQ&A
これから先理学療法士になりたいと考えている人に、質問形式で理学療法士についての情報をご紹介いたします。
【Q1】作業療法士との違いは?
理学療法士と作業療法士は同じような仕事と思われがちですが、明確な違いがあります。基本的な運動能力の回復を図る理学療法士に対して、作業療法士は日常生活を滞りなく送るための、応用的な動作ができるようにリハビリを進めていきます。
理学療法士に比べて、作業療法士は指の動きなどといった細かい動作のリハビリを行い治療していきます。また精神科での精神分野のリハビリをする事もあり、理学療法士の行うリハビリの分野と、作業療法士の行うリハビリは分野が違うのです。
<関連リンク>
理学療法士と作業療法士の違いを説明できますか?
【Q2】理学療法士に向いている人はどんな人?
・人とのコミュニケーションがしっかりとれる。
・事務仕事より体を動かしたい
・明るく前向きで我慢強い
この3つに少しでも自信がある人は理学療法士の素質があります。特に重要なのがコミュニケーションがしっかりとれる事。この仕事は病院関係者・患者さん・患者さんのご家族といったさまざまな方との連携が不可欠です。
理学療法士が橋渡しをしてコミュニケーションを取ることにより治療が早く終わったり、患者さんのストレスの軽減にも繋がりますのでコミュニケーション能力は重要です。
【Q3】理学療法士に転職しようと思っているけど実際どうなの?
国家資格を必要とする仕事で、安定的かつ将来的にニーズは増えていきますが、お金の面では雇われている限り上限が見えている仕事ではあります。それでも感謝の言葉を直接もらえる事は、自身のモチベーションの向上などにも直結することですので、とてもやりがいのある仕事としてオススメです。
【Q4】理学療法士の勤務先は病院以外にあるの?
多くが病院勤務ですが、近年では病院以外での職場での活躍も増えています。特に高齢化社会が進んでいる現在では、福祉施設でのニーズはどんどん増えていき、病院以外での活躍の場が広がっています。他にもプロスポーツチームに帯同し、リハビリや怪我の予防といった業務を仕事にしている人も増加しています。
・理学療法士の需要はこの先も右肩上がり
・仕事は大変だがやりがいは抜群
・給与は安定的だが上限値が低い
・コミュニケーション能力が非常に重要な仕事
理学療法士の仕事はコミュニケーション能力が常に求められ、その中でも非常にやりがいを感じられる仕事です。仕事の内容がキツイなどといった本音の部分や、給料面での不満の声もありますが、仕事をする上でやりがいを感じられる事は重要です。今後も需要の増える仕事でもあり、人の喜ぶ顔を見るのが嬉しいと思える人には、オススメの仕事だといえます。
<参考>
理学療法士(PT)の年収・給料と将来性
理学療法士の将来性について|医療のお仕事辞典
理学療法士に向いている人はどんな人?