理学療法士 職業 理学療法士 トレーナー向け資格

理学療法士の国家試験の難易度は?そこに内在する厳しさとは?

トレーナーエージェンシーでは、

トレーナーとして必要な素養
具体的なトレーナーの働き方
おすすめの資格
トレーナー資格試験の力試し模擬問題
うまく行く人/いかない人の違い

などをまとめた「【完全版】未経験からトレーナーになるための攻略ガイドブック」を”無料でプレゼント“しております。(内容の一部を先んじて見せちゃいます!)

下記ボタンからダウンロードできますので、ぜひご確認いただいた上で、ご自身の学習にお役立てください。

ダウンロードはこちら

理学療法士の国家試験は難しい?

理学療法士とは、運動機能が低下している人や身体に障害がある人に対して、リハビリやマッサージ、温熱・電気刺激などの手段で基本的動作能力の回復を図る医療系の国家資格です。

現在の日本では高齢化が進んでいる(※1)ので、介護・リハビリ部門で理学療法士は、とても人気が高く、2017年には受験者数が13,000人に達するほどの人気ぶりです。

合格率も直近10年の平均が84.1%と非常に高い水準となっています。
ですが、合格率が高いからといって理学療法士の国家試験が簡単だということではありません。

むしろ、理学療法士の国家試験は難易度が高いです。

どうして理学療法士の国家試験は難易度が高いのでしょうか?
試験概要や合格率などの部分からその理由を説明していきます。

※1:内閣府による令和元年版高齢社会白書によれば、平成30年10月1日時点で高齢化率は28.1%となっており、欧米やアジアの中で最も高い高齢化率となっています。

参考:令和元年版高齢社会白書(全体版)(PDF版) – 内閣府

理学療法士の受験資格

まずは理学療法士の受験資格や試験の開催日、その内容について紹介します。
そしてそこに内在する難しさや厳しさについて解説していきます。

受験資格について

理学療法士は国家資格なので、受験資格が「理学療法士及び作業療法士法」で定められています。
下記がその定められている受験資格の原文になります。

■学校教育法(昭和22年法律第26号)第90条第1項の規定により大学に入学することができる者(法第11条第1号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が学校教育法第90条第2項の規定により当該大学に入学させた者又は法附則第6項の規定により学校教育法第90条第1項の規定により大学に入学することができる者とみなされる者を含む。)であって、文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した理学療法士養成施設において、3年以上理学療法士として必要な知識及び技能を修得したもの(令和2年3月16日(月曜日)までに修業し、又は卒業する見込みの者を含む。)

引用:理学療法士国家試験の施行ページ、4 受験資格(1)より。

■解説:大学に入学する資格がある人が、指定された大学・短大・専門学校で3年以上の期間で理学療法士として必要な知識や技術を習得すること。そして2020年3月16日(月曜日)までに卒業、もしくは卒業見込みであること。(※第55回理学療法士国家試験の場合)

受験資格取得までの難しさと厳しさ

理学療法士の試験を受けるためには、大学・短大・専門学校で専門のカリキュラムを3年以上受ける必要があるので、国家試験を受けるまでの道のりに時間が掛かることが最初の厳しさのポイントになります。

また学費も350万~600万円と非常に高額なことも、厳しさに拍車をかけています。

<関連リンク>
理学療法士とは何か?仕事内容から、似ている作業療法士との違いまで解説!
理学療法士を目指すには大学と専門学校のどちらを選べばいいのか?

理学療法士の試験概要

理学療法士の国家試験は1年に1回の頻度で行われていて、おおよそ2月後半から3月前半に行われています。ここにも理学療法士を目指す上での難しさや厳しさが内在しています。

理学療法士の国家試験日・試験時間について

2019年度は筆記試験が2020年2月23日(日)、
口述試験及び実技試験(※2)が2020年2月25日(火)に行われます。

筆記試験の時間は午前午後の二部制で、時間はそれぞれ2時間40分
合計で5時間20分と非常に長丁場です。

途中にお昼の休憩が入るので、当日はほぼ1日試験ということになります。

※2:口述試験及び実技試験とは 重度視力障害者に対して、筆記試験の実地問題(運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び理学療法)に代えて
次の科目について行う。運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び理学療法。

参考:理学療法士国家試験の施行|厚生労働省

理学療法士の国家試験の受験手続きについて

理学療法士の国家試験を受験するためには、事前の手続きが必要です。書類の記入や写真撮影、卒業見込証明書などを用意する必要があります。
提出方法は郵送または持参となり、理学療法士国家試験運営本部事務所宛になります。

年度によっては手続きの受付期間が年末年始を挟む事がある(※3)ので、
手配が遅れてしまうと期限までに提出できずに受験ができなくなってしまうので、特に注意が必要です。

※3:第55回理学療法士国家試験での受験手続き受付期間は、令和元年12月16日(月曜日)から令和2年1月6日(月曜日)まで。

参考:理学療法士国家試験の施行|厚生労働省

理学療法士の試験概要の難しさと厳しさ

理学療法士の国家試験の受験や試験時間、手続きに関しては「時期と時間」という部分において厳しさが目立っています。

時期的による体調管理の難しさ

まずは時期についてです。理学療法士の国家試験の実施時期は2月末から3月上旬。
この時期の平均気温は例年5~7度と寒さが特に厳しく、体調を崩してしまう事が非常に多く見られます。

体調管理には万全の備えをしておきましょう。

参考:気象庁|過去の気象データ検索

体調管理を万全にすることの重要性は、特に試験当日の試験時間の長さにあります。

先述の通り、理学療法士の国家試験は午前午後の二部制で、
時間はそれぞれ2時間40分合計で5時間20分

試験前の事前説明や、お昼休みを含めると、6時間以上におよぶ長丁場です。

6時間以上も緊張した状態が続く上に、季節は2月末から3月上旬。
平均気温は例年5~7度です。

体調管理を万全にしておかなければ、途中で体調を崩してしまい、
満足な結果が得られなくなる可能性があります。

時間的制約が厳しい試験手続き

<前提>本項は試験の実施日時によって状況が変わる可能性があります。

2019年度の理学療法士の国家試験における受験手続き受付期間は、
2019年12月16日(月曜日)から2020年1月6日(月曜日)までの3週間です。

ちょうど年末年始の非常に忙しい時期と重なり、手続きがスムーズに進まない事が予想されます。
しかも、書類などに不備があって不受理になってしまった場合も、期間内に手続きを完了しなければなりません。

さらに郵送での提出の場合、年賀状などの集配・配達と重なって不受理の通知などが延着してしまい、
結果としてリカバリー出来ない可能性もあります。

必要な書類などは事前に準備して、早めに手続きを開始しておくことが大切です。

もしも準備が遅くなってしまった場合には、理学療法士国家試験運営本部事務所に書類を持参することも視野に入れておいたほうが良いでしょう。

過去5年の理学療法士国家試験合格率の経過


ここまでの項目で、理学療法士の国家試験に臨むまでの厳しさや難しさを解説してきましたが、本項では直近5年間の合格率から見る厳しさや難しさを解説していきます。

理学療法士の合格率は、直近10年の平均が84.1%と非常に高い合格水準になっています。
この高い合格水準のどこに厳しさや難しさが内在しているのでしょうか?

平成31年度 第54回理学療法士試験の合格率

受験者 12,605人 (新卒者10,608人、既卒者1,997人)
合格者数 10,809人 (新卒者9,845人、既卒者964人)
合格率 85.8% (新卒者92.8%、既卒者48.3%)

参考:第54回理学療法士国家試験及び第54回作業療法士国家試験の合格発表について|厚生労働省

平成30年度 第53回理学療法士試験の合格率

受験者 12,148人 (新卒者11,520人、既卒者628人)
合格者数 9,679人 (新卒者9,845人、既卒者166人)
合格率 81.4% (新卒者87.7%、既卒者26.4%)

参考:第53回理学療法士国家試験及び第53回作業療法士国家試験の合格発表について|厚生労働省

平成29年度 第52回理学療法士試験の合格率

受験者 13,719人 (新卒者10,721人、既卒者2,998人)
合格者数 12,388人 (新卒者10,319人、既卒者2,069人)
合格率 90.3% (新卒者96.3%、既卒者69%)

参考:第52回理学療法士国家試験及び第52回作業療法士国家試験の合格発表について|厚生労働省

平成28年度 第51回理学療法士試験の合格率

受験者 12,515人 (新卒者10,562人、既卒者1,953人)
合格者数 9,272人 (新卒者8,662人、既卒者610人)
合格率 74.1% (新卒者82.0%、既卒者31.2%)

参考:第51回理学療法士国家試験及び第51回作業療法士国家試験の合格発表について|厚生労働省

平成27年度 第50回理学療法士試験の合格率

受験者 12,035人 (新卒者10,360人、既卒者1,675人)
合格者数 9,952人 (新卒者9,233人、既卒者719人)
合格率 82.7% (新卒者89.1%、既卒者42.9%)

参考:国家試験合格発表!理学療法士は過去最高の受験者数12035人|PT-OT-ST.NET

合格率の経過に潜む難しさと厳しさ

平成27年度の第50回理学療法士試験から、平成31年度の第54回理学療法士試験までの合格率平均は全体で82.9%、新卒者で89.6%、既卒者で43.6%になっています。

この平均から、この高い合格水準は、新卒者の合格率に牽引されていることがわかると思います。
つまりこれは現役合格の重要性と、既卒からの合格が難しいということを意味しています。

既卒者の合格率の低さについては諸説ありますが、既卒者は大学や専門学校の質の高い教育環境や、
密度の濃い試験対策から離れてしまうこと、そして同級生や学友との勉強会などが行いにくくなってしまうこと
が原因の1つとして考えられます。

参考:え!?卒業してもOTになれない!?そんなにたくさんいるの!?国家試験に落ちたら・・・。| 仙台保健福祉専門学校

<関連リンク>
理学療法士国家試験の合格率について解説!

つまり新卒者の高い国家試験合格率は「環境(大学や専門学校)」において、試験を意識した「状況(質の高い教育環境と密度と試験対策)」と、「それを取り囲む人々(同級生や学友)」に支えられた、いわば補正された数値と言うことが出来ます。

そのため、既卒者は「環境」と「状況」と「それを取り囲む人々」が十分に得られない状態で試験に臨むことになり、結果として厳しい合格率になってしまっている事が考えられます。

そしてその厳しい合格率こそ、「本当の理学療法士国家試験の難易度」と言えるのではないでしょうか?

理学療法士への道のりと国家試験についての難易度を解説してきましたが、いかがだったでしょうか?理学療法士への厳しい道のりを越えて、そして難しい試験を突破しなければなりませんが、高齢化の進む日本では特に求められている国家資格です。なので理学療法士になることが出来れば、就職先も幅広く選ぶことが出来ます。

訪問リハビリテーション事業所・児童福祉施設・障がい者福祉施設はもちろん、医療系学校の教員・職員に医療系企業の商品開発、更にはプロスポーツのトレーナーなど。
理学療法士は国家資格でありながら、同時に夢のある国家資格と言えるのではないでしょうか?

<参考>
令和元年版高齢社会白書(全体版)(PDF版) – 内閣府
理学療法士国家試験の施行|厚生労働省
気象庁|過去の気象データ検索
第54回理学療法士国家試験及び第54回作業療法士国家試験の合格発表について|厚生労働省
第53回作業療法士国家試験の合格発表について|厚生労働省
第52回作業療法士国家試験の合格発表について|厚生労働省
第51回作業療法士国家試験の合格発表について|厚生労働省
国家試験合格発表!理学療法士は過去最高の受験者数12035人|PT-OT-ST.NET
え!?卒業してもOTになれない!?そんなにたくさんいるの!?国家試験に落ちたら・・・。| 仙台保健福祉専門学校

<関連リンク>
理学療法士とは何か?仕事内容から、似ている作業療法士との違いまで解説!
理学療法士を目指すには大学と専門学校のどちらを選べばいいのか?
理学療法士国家試験の合格率について解説!

PR トレーナー求人情報

※掲載店舗は、一部のみです。ご了承ください

takahashi.s

俊祐高橋

トレーナー向け記事ランキングarticle ranking

カテゴリ 一覧

パーソナルトレーナー向け

トレスク講座資料