日本理学療法士学会はどんな活動をしているの?具体的な活動内容を紹介
日本理学療法士学会をご存知でしょうか?
公益社団法人日本理学療法士協会内に組織され、理学療法の発展を目指すため専門領域に特化した12の分科学会と10の部門が設立されました。
現代の超高齢化社会と医療の発展に応じて、それぞれの分科学会と部門では研究発表が活発に行われています。
理学療法の活動領域も拡大しており、医療系のほかの学会との共同研究も行われており、科学的根拠に基づいた理学療法の確立を目指しています。
今回は日本理学療法士学会とはなにか?どのような分科学会・部門がありどのような活動をしているのか紹介します。
理学療法の専門領域に特化した研究を進める!
日本理学療法士協会では理学療法の発展と専門領域に特化した学術的な活動を行うため、平成25年度に協会内に日本理学療法士学会と、学会の下部機関である12の分科学科と10の部門が設立されました。
日本理学療法士学会は各分科学会と部門の精力的な活動に加え学会による組織的な広報活動によって、理学療法の有効性を社会に発信していきます。
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12の分科学科と10の部門で活動!
平成25年度に12の分科学科と5の部門が設立されました。
- 日本運動器理学療法学会
国民の健康維持・向上を目的に設立され、整形外科手術後の傷口の回復を早めるための治療・運動器の外傷・障がいの予防と指導・外来診療で体を傷つけない保存的治療などを目指します。
※運動器
骨・軟骨・靭帯・腱・筋膜・骨格筋・神経系・脈管系などの総称です。
- 日本基礎理学療法学会
解剖・組織学・生理学・生化学・病理学などの疾患領域の縦断的な研究と、理学療法学の横断的な基礎研究の学問を合わせて、臨床理学療法の有効性を示す根拠を目指します。
- 日本呼吸理学療法学会
呼吸理学療法の歴史は古く、肺結核の外科手術後の呼吸管理を目的とした「肺理学療法」と呼ばれていました。
現在は慢性閉塞性肺疾患を中心とする、慢性期あるいは急性期の呼吸管理時の呼吸障害の予防・治療を目指します。
- 日本支援工学理学療法学会
義肢装具・車いすなどを用いた介入を行います。
介入効果の検証や開発などの臨床研究を進めることで、QOL(生活の質)の向上を目指します。
- 日本小児理学療法学会
小児期に原因がある疾患や障がいに対して、理学療法による生活機能の改善と福祉分野での貢献を目指します。
小児理学療法に関わる学術・研究のため、国内外のさまざまな団体と連携・協働します。
- 日本神経理学療法学会
神経障害によるさまざまな課題を、理学療法の観点から基礎研究・臨床研究を進めます。
- 日本心血管理学療法学会
心臓の血管である心血管理学療法の基礎的・応用的な研究を進めるとともに、心大血管医療と理学療法を合わせた心大血管医療の貢献を目指します。
- 日本スポーツ理学療法学会
スポーツ理学療法の基礎研究・臨床研究を行います。
国内外問わず関係分野との学術的な交流を行い、理学療法とスポーツの有効性と発展に貢献することを目指します。
- 日本地域理学療法学会
高齢者・障がい者およびその家族が住み慣れた地域で継続的に生活ができるように、保健・医療の分野から、生活支援のための学術的・実践的な活動を行います。
- 日本糖尿病理学療法学会
糖尿病の基本治療である運動療法に対して、理学療法の理論・介入方法および効果の検証を行い、糖尿病理学療法学の体系化を目指します。
- 日本予防理学療法学会
再発予防を基盤とし、二次予防・一次予防など理学療法の予防に広く関わる理学療法を研究します。
- 日本理学療法教育学会
理学療法士の資質・技能向上を目指します。
- 産業理学療法部門
職場で腰を痛めないように予防したり生活習慣病予防・労働災害を予防するため、理学療法の知識と技術の普及を目指します。
- 精神・心理領域理学療法部門
理学療法の実践と身体障害・気分障害・不安障害・認知症・統合失調症などの精神障害が合併しないように、精神と心理症状を正しく理解して理学療法治療の普及を目指します。
- 徒手理学療法部門
国際徒手理学療法連盟(IFOMPT)の教育基準に基づいた学術的な研究を進めます。
- 物理療法部門
物理療法関連学会と連携して、理学療法のひとつである物理療法の発展を目指します。
URL:物理療法部門の公式ホームページ
- 理学療法管理部門
質の高い理学療法の提供と、組織的なミッションを達成して貢献するために、組織や人材を活性化させ続けることを目指します。
- ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法部門
男性と女性の生理学的な変化を考慮した医療の観点で健康問題を捉え、症状・生活の質の改善につながる理学療法の構築と普及、教育を目指します。
URL:ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法部門の公式ホームページ
- 栄養・嚥下理学療法部門
加齢などによって生じる栄養リスク・筋力強化・体力向上に関する知識や対応力など嚥下理学療法について普及・啓発を努めます。
- 学校保健・特別支援教育理学療法部門
理学療法学に基づく教育的なリハビリテーションで学校教育に必要な支援モデルと、実践的な支援方法論の教育的理学療法の有効性を示す根拠を目指します。
URL:学校保健・特別支援教育理学療法部門の公式ホームページ
- がん理学療法部門
がん患者に起きやすい特異的な有害性や生活上の課題に対して、理学療法の基礎・臨床研究を発展させます。そしてがん患者への最善の理学療法の知識・技術を蓄積してその普及と発展を目指します。
- 動物に対する理学療法部門
動物を対象として日本動物理学療法研究会や関連学会と連携して、獣医療におけるリハビリテーション理学療法に関する臨床・基礎研究を行います。
日本理学療法士学会の主な活動内容
日本理学療法士学会では、十二学会と十部門の活動と学会全体の広報活動を社会に発信しています。
十二学会が中心となって学会で発表を行います!
日本理学療法士学会の学術活動を前進させるために、具体的に以下の事業を行っています。
- 専門分野の学術的な研究成果の情報を発信する
理学療法に関する研究論文・短報・症例報告・実践報告・調査報告・企画記事などが掲載された「理学療法学」という学術誌を発行しています。
短報…原著論文として、一部情報が不足していますが、公表の価値がある事例報告を指します。
参考:理学療法学を読もう! バックナンバー – 日本理学療法士学会より
- 学術大会の開催
年間を通して、全国で研究成果などを報告する学会を開催しています。
参考:学術大会・学術集会 – 日本理学療法士学会より
- その他、学術活動の支援
部門は分科学会のサポート!
日本理学療法士学会の学術活動を支援するために、部門の役割は分科学会では担当できない学術領域や学会ごとの分担が難しい学術領域を補います。
分科学会のように独立して学問を探究するのではなく、認定理学療法士制度・世界理学療法連盟サブグループと連携した活動などがあります。
具体的に以下の項目の事業を行っています。
- 研究会の企画および運営を行う
学会よりも規模の小さい研究発表会を行います
- その他、学術活動の支援
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学会の概要をまとめる
日本理学療法士学会の役割についてお分かりいただけたと思います。
それぞれの学会では専門性を深めるため、理学療法以外の分野と学術的な交流も行います。
「理学療法学」という論文などをまとめた冊子も発行しており、一般の人向けに広く情報を発信しています。
興味を持ったなら、ぜひ一度ご覧ください。
参考:理学療法士学会 – 日本理学療法士学会より