ピラティスインストラクターに将来性はある?業界動向・働き方・収入を解説解説
ピラティスインストラクターとして働きたいと考えている方の中には、「この仕事で将来本当に食べていけるのか」と不安を感じている人もいるかもしれません。健康や美容に関心が高まるなか、ピラティスの人気は年々広がっていますが、それが仕事として安定するかどうかは慎重に見極める必要があります。
この記事では、ピラティスそのものの需要の動向や、インストラクターとしての働き方・収入の実情に触れながら、ピラティスインストラクターの将来性について詳しく解説していきます。
ピラティスに将来性はある?
ピラティスは、身体の深層部にある筋肉を整え、姿勢や動作を根本から改善できるエクササイズとして、多くの人から注目を集めています。無理な負荷をかけずに取り組めるため、幅広い年齢層に受け入れられやすく、健康意識が高まる今の時代に非常に適した運動法です。
近年では、健康を重視する人の増加にともない、ピラティスの需要はますます拡大しています。
以下でピラティスの将来性について様々な観点から具体的に解説します。
健康志向の高まりで注目度が上昇している
近年、年齢や性別を問わず健康への関心が高まっており、運動習慣を取り入れる人が増えています。特に、身体の内側から整えることができるピラティスは、無理のない運動として注目を集めています。過度な負荷をかけずに体幹を鍛え、姿勢改善や慢性的な不調のケアにつながる点が、多くの人がピラティスを支持する理由です。
また、心身のバランスを大切にしたいと考える人が増えており、ヨガや瞑想と並んでピラティスが選ばれる傾向もあります。フィットネスだけでなく、健康維持や予防医療の一環としてのニーズも高まっており、ピラティスは今後も注目され続ける分野といえるでしょう。
スタジオやオンラインレッスンの増加で受講スタイルが多様化している
ピラティスはもともとスタジオで行うレッスンが主流でしたが、近年ではオンラインでの指導も一般的になっており、受講スタイルが大きく広がっています。自宅にいながら受けられる手軽さや、場所にとらわれずにインストラクターを選べる点が、多忙な現代人のニーズとマッチしています。
スタジオでもマットやマシンを活用した専門性の高いレッスンが展開されており、目的やライフスタイルに応じた選択肢が増えている状況です。受講者の層も広がりを見せており、若年層から高齢者まで幅広く対応できる柔軟さが、今後の成長を支える大きな強みとなっています。
日本国内のフィットネス市場は回復傾向にある
日本のフィットネス市場は、コロナ禍の影響により大きな打撃を受けました。経済産業省が行った「特定サービス産業動態統計調査」によると、2019年には3,347億円規模だった市場が、2020年には2,235億円まで落ち込んでいます。しかし、その後は徐々に回復を見せています。
外出制限や施設利用の自粛が解除されたことに加え、コロナ以降に高まった健康意識も後押しとなり、2024年には市場規模が2,916億円にまで回復しています。今後もリモートワークの定着や生活スタイルの変化により、フィットネスへのニーズはさらに高まると予想され、ピラティスを含む運動分野への注目度も上昇しています。
ピラティスとヨガスタジオの世界市場も成長している
ピラティスは世界的に見ても需要が高まり続けており、市場全体が大きく成長しています。Research Nester Analyticsが公表した「ピラティスとヨガスタジオ市場調査、規模、傾向のハイライト(予測2025–2037年)」によると、世界の市場規模は2025年に1,870億米ドルと見込まれており、2037年には9,336億米ドルに達すると予測されています。
参考:Research Nester Analytics「ピラティスとヨガスタジオ市場調査、規模、傾向のハイライト(予測2025–2037年)」
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ピラティスインストラクターに将来性はある?
ピラティスそのものは、健康意識の高まりや市場の拡大を背景に、今後も安定した需要が見込まれています。国内外で受講スタイルが多様化し、年齢や目的を問わず取り組める運動として、ますます広く生活に取り入れられるようになってきました。
そうした中で、ピラティスを指導するインストラクターの役割も大きくなっており、今後も必要とされ続ける存在だと言えます。指導には専門性が求められ、簡単に代替がきかないことから、職業としての価値も高まっています。
ここからは、ピラティスインストラクターの将来性について、具体的な側面から見ていきましょう。
専門性の高さから簡単にインストラクターを増員できない
ピラティスに対する需要は年々高まっています。しかし、それに見合うだけのインストラクターが育成されているとは言いがたく、現場では指導者不足が課題となっています。ピラティスは、身体構造に対する深い理解と的確な指導スキルが求められる専門性の高い分野です。そのため、短期間で多くのインストラクターを育成することは難しく、一定の経験や学習が必要になります。
結果として、質の高い指導者は限られており、信頼を得ているインストラクターは長く現場で活躍し続けています。新たに指導者を増やすにも時間と労力がかかるため、一人ひとりの存在価値が高まりやすい職種です。この希少性が、ピラティスインストラクターの将来性を支える要因の一つとなっています。
自分のスキル次第で収入UPにつながる
ピラティスインストラクターは、経験や実績、スキルによって収入に大きな差が出る職業です。正確な指導ができることに加え、お客様との信頼関係を築き、継続的にレッスンへ通ってもらえるかどうかが大きなポイントになります。
さらに、資格を複数取得したり専門分野に特化したりすることで、指名や単価アップにつながるケースもあります。企業向けや高齢者向けなど、対象を広げることで活動の場も増えやすく、自分の努力次第で収入アップやキャリアの幅を広げることができます。
独立開業するインストラクターも増えている
スタジオやジムに勤める働き方に加えて、自らスタジオを開業して活動するピラティスインストラクターも増えています。フリーランスとして柔軟な働き方を求める人や、自分の理念を形にしたレッスンを提供したい人にとって、独立という選択肢は非常に魅力的です。
また、オンラインレッスンの普及により自宅からでも集客や運営がしやすくなり、独立へのハードルが以前より低くなってきています。集客力やマーケティングの知識を身につけることで、自分らしい働き方と安定した収入の両立も目指せる環境が整いつつあります。
ピラティスインストラクターの働き方
ピラティスインストラクターと一言で言っても、働き方は人によって様々です。自分に合った働き方を選べることもピラティスインストラクターの魅力の一つです。
本項では、ピラティスインストラクターの働き方について以下で詳しく解説します。
スタジオやフィットネスクラブで正社員として働く
ピラティスインストラクターの働き方の一つとして、スタジオやフィットネスクラブに所属し、正社員として安定的に勤務する選択肢があります。給与や福利厚生が整っている場合が多く、収入面や労働環境の安心感を求める人には向いている働き方です。
勤務先によってはマシンや施設が充実しているため、環境の整った場所で指導経験を積むことができます。また、同僚や先輩からのフィードバックを受けながら学べることも多く、キャリアの初期段階には特に魅力的です。決まった勤務時間や業務に縛られる分、安定性を重視したい人にとって向いている働き方です。
フリーランスとして働く
フリーランスのピラティスインストラクターは、勤務先に縛られず自分の裁量で働ける自由度の高さが特徴です。スタジオと業務委託契約を結んで複数拠点でレッスンを受け持つほか、自宅やレンタルスペースでのプライベートレッスン、オンラインでの指導など、柔軟な働き方が可能です。
レッスン内容やスケジュール、料金設定を自分で決められるため、得意分野を活かした活動やブランディングもしやすくなります。ただし、収入の安定性や集客、契約管理などもすべて自己責任となるため、営業力や自己管理力も求められます。自由な働き方を望む人にとっては、大きな可能性を持つ選択肢です。
パートタイム・アルバイトで働く
家庭や別の仕事との両立を考えている人にとっては、パートタイムやアルバイトで働く形も現実的な選択肢です。週に数回、決まった時間だけクラスを担当するような働き方が中心で、比較的柔軟なスケジュールを組むことができます。
経験を積みながら少しずつ活動の幅を広げたい人や、副業として指導に携わりたい人にも向いています。また、初めての現場経験を積む場としても有効で、少ない負担で現場感覚を身につけられるのがメリットです。安定収入には直結しづらいものの、生活スタイルに合わせて無理なく働ける点が魅力です。
独立開業して自分のスタジオを経営する
経験や実績を重ねたインストラクターの中には、自分のスタジオを開業して経営に取り組む人も増えています。スタジオのコンセプトやサービス設計、料金体系まですべて自分で決められるため、自分らしいスタジオ運営が可能です。
近年では、少人数制のスタジオやオンラインと組み合わせた運営スタイルも増えており、集客やブランディング次第で安定した収益も見込めます。もちろん、設備投資や運営リスクも伴いますが、長期的に自分の価値を高めたいと考える人には、やりがいのある選択肢です。
ピラティスインストラクターの収入は?
前項ではピラティスインストラクターの働き方について解説しました。続いて本項では、気になる方も多いであろうピラティスインストラクターの収入について、正社員として雇用される場合やフリーランスの場合、独立開業の場合など働き方毎に解説します。
正社員として働く場合平均収入は20万円前後
ピラティスインストラクターの平均収入は、雇用形態や勤務時間、勤務地などによって異なりますが、正社員として働く場合は月収20万円前後がひとつの目安とされています。施設によっては昇給や手当があることもありますが、他の職種と比較して初任給は少なめな傾向があります。
ただし、経験を重ねて指名が増えたり、スキルを活かして専門分野で活躍するようになれば、収入アップも十分に可能です。副業やアルバイトとして働く場合は、勤務日数やレッスン数によって収入に大きな幅が出る点も特徴です。安定性を求めるなら正社員、柔軟さを重視するならフリー契約が選ばれる傾向にあります。
フリーランスの1レッスンの相場は3,000円から5,000円
フリーランスのピラティスインストラクターとして活動する場合、グループレッスン1レッスン(60分)の相場はおおよそ3,000円〜5,000円程度です。パーソナルレッスンになると1回あたり6,000円〜10,000円前後になることもあります。
単価は地域や経験、レッスン内容によって異なりますが、1日に複数レッスンを担当することで安定した収入を得ている人も少なくありません。ただし、会場費や移動時間、集客のための広告費などのコストも自己負担となるため、手取り額には差が出やすくなります。収入を安定させるには、継続的な顧客の確保が重要です。
自分のスタジオを開業し集客力があれば年収1000万も狙える
ピラティスインストラクターとしてスタジオを開業すれば、働き方の自由度が高まり、収入面でも大きな可能性が広がります。レッスンの単価や経営方針を自分で決められるため、集客力やサービス設計によっては高収益を目指すことができます。
実際、立地やターゲット設定、継続率の高い顧客づくりなどが上手くいけば、年収1,000万円に達するケースもあります。グループレッスンやプライベートレッスンのバランスを調整しながら、効率的に稼働できる仕組みを構築できれば、安定経営も現実的です。初期費用やリスクは伴いますが、収入面での上限がない点は大きな魅力です。
ピラティスインストラクターとして成功するためのポイント
最後に、ピラティスインストラクターとして成功するために重要なポイントを解説します。具体的には、
- ピラティス資格を取得する
- 自分の専門分野を見つける
- コミュニケーション力を伸ばす
- 最新のオンラインレッスンやハイブリッド型レッスンに対応する
- 独立開業するなら集客力やマーケティングスキルを学ぶ
以上の5点が重要です。
ピラティス資格を取得する
ピラティスインストラクターとして成功を目指すうえで、資格の取得は重要なステップです。体系的に学び、正しい知識と実技スキルを身につけることが、信頼される指導者への第一歩となります。
とくに解剖学やエクササイズの目的を理解しながら指導できる力は、お客様の安全や満足度に直結します。また、資格を取得する過程で、自身の体の使い方にも向き合えるため、インストラクターとしての基礎力だけでなく自信も養われます。
また、資格の有無は就職においても重要です。資格を持っていると知識やスキルを持っていることを証明でき、採用の際に有利になります。キャリアの出発点として、まずは信頼される土台を固めることが大切です。
自分の専門分野を見つける
ピラティスは幅広い層のお客様に支持されるエクササイズですが、その中でも特定の分野に特化することで、インストラクターとしての価値を高められます。
例えば、姿勢改善に特化したり、産前産後ケアやシニア世代の運動指導に力を入れるなどが具体例です。自分の得意分野や関心のあるテーマに絞って知識を深めることで、他のインストラクターとの差別化が図れます。
専門性があるとリピーターや紹介が増えやすくなり、信頼や単価の向上にもつながります。まずは自分の経験や価値観と向き合い、誰に、どんなサポートをしていきたいかを明確にすることが重要です。
コミュニケーション力を伸ばす
どれだけ専門的な知識や技術を持っていても、それをお客様に伝える力がなければ、満足度の高いレッスンは成立しません。コミュニケーション力は、インストラクターにとって欠かせない要素の一つです。
身体の状態や要望を丁寧に聞き取り、それに合わせて説明や声かけを工夫することで、お客様の理解度や安心感が高まります。また、レッスン前後のちょっとした会話や気遣いが、信頼関係の構築につながり、継続率や紹介にも良い影響を与えます。
一方通行の指導ではなく、双方向のやり取りを意識し、相手の反応に応じた柔軟な対応ができるようになると、指導の質も自然と高まります。
最新のオンラインレッスンやハイブリッド型レッスンに対応する
近年はレッスンの受講方法が多様化しており、オンラインレッスンや対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド型レッスンも一般的になってきました。こうした変化に柔軟に対応できることは、インストラクターとしての活躍の幅を広げる重要なポイントです。
オンラインでは画面越しでも伝わりやすい言葉選びや動作の見せ方、音声の工夫など、オンライン環境に適した指導スキルが求められます。また、遠方の受講者や移動が難しい人にもアプローチできるため、新たな層への認知拡大にもつながります。
状況に応じてさまざまな指導方法を使い分けられる力は、今後の活動を長く安定させるうえで大きな武器になります。
独立開業するなら集客力やマーケティングスキルを学ぶ
自分のスタジオを持つ、またはフリーで活動の幅を広げたいと考えるなら、ピラティスの指導力だけでなく、集客力やマーケティングの知識も必要になります。
いくら質の高いレッスンを提供できても、その魅力が知られなければ集客にはつながりません。SNSでの情報発信、ターゲットの設定、リピーターを増やす仕組み作りなど、基礎的なマーケティングスキルを身につけることで、集客や売上は安定しやすくなります。
特に開業を目指す場合は、理念やコンセプトを明確にし、自分のインストラクターとしての指導力やスタジオの魅力を正しく伝える力が不可欠です。ビジネス視点を取り入れることで、インストラクターとしての可能性はさらに広がります。
トレーナーエージェンシーでは、
・トレーナーとして必要な素養
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まとめ
ピラティスインストラクターは、健康志向の高まりとともに需要が拡大しており、将来性のある職業といえます。正社員やフリーランス、独立開業など多様な働き方ができ、自分のスタイルに合わせてキャリアを築ける点も魅力です。
成功のためには、資格取得による知識とスキルの習得はもちろん、自分の専門性を明確にし、信頼関係を築くコミュニケーション力や発信力も求められます。時代の変化に柔軟に対応しながら、自分らしい働き方を模索することで、安定した収入とやりがいのある仕事を両立することができるでしょう。

パーソナルトレーナー 業界総合支援サイト「トレーナーエージェンシー」編集部です。