職業 スポーツトレーナー スポーツトレーナーになるには?

スポーツトレーナーの資格を8種ご紹介!取得方法やメリットを解説

スポーツトレーナーになるために必要なものは色々とありますが、中でもほぼ必須と言えるものが資格です。

しかし、一言で資格と言っても、国家資格や民間資格、専門的な資格や汎用的な資格など様々です。一般のクライアント向けにシェイプアップ指導などを行うのか、それともプロアスリートに指導するのかなど、自分の目的に沿った資格を取得することが重要です。

今回はスポーツトレーナーとして活動している方が、実際に取得している資格を8つ厳選して紹介します!

スポーツトレーナーとは

スポーツトレーナーとは、アスリート向けにパフォーマンス強化やコンディション調整、ケアなどをサポートする職業です。

主にプロアスリートのサポートや、民間チーム・学校の部活動のトレーニングコーチなどが具体的な業務内容です。

スポーツトレーナーの仕事内容

スポーツトレーナーの仕事は、アスリートのパフォーマンス強化と、コンディション調整のサポートです。具体的には、コンディショニング、怪我の対策、リハビリ指導、栄養管理などです。

似たような言葉にパーソナルトレーナーがありますが、パーソナルトレーナーは主にアスリートではなく、一般のクライアント向けに身体づくりやシェイブアップをマンツーマン指導する職業です。

スポーツトレーナーが資格取得する必要性

スポーツトレーナーを目指す際には、資格を取得するのがおすすめです。資格の取得を通じて専門知識や技術を習得することができますし、資格を持つことで信用も付きます。また、就職の時にも資格を持っていると選択肢の幅が広がります。

取得できる資格には国家資格と民間資格の2種類ある

スポーツトレーナーに適した資格は、国家資格と民間資格の2種類に分かれます。国家資格の場合は、柔道整復師など、法律上資格の取得が義務付けられているものもあります。

自分のニーズにあった、適切な資格を取得することが重要です。

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スポーツトレーナー資格の代表的な8種の一覧紹介

スポーツトレーナーの資格として代表的な8種の一覧を、国家資格と民間資格に分けて紹介します。
スポーツトレーナーの国家資格
スポーツトレーナー向けの代表的な国家資格は、

・あん摩マッサージ指圧師
・柔道整復師
・鍼灸師
・理学療法士
・NATA-ATC

以上の5つです。

スポーツトレーナーの民間資格

スポーツトレーナー向けの代表的な民間資格は、

・NSCA
・JSPO-AT
・JATAC-ATC

以上の3つです。

スポーツトレーナーの持つ国家資格5選

あん摩マッサージ指圧師

『あん摩マッサージ指圧師』は医療系国家資格です。気や血液の流れを良くすることで、筋肉や神経の張り・緊張をほぐす施術を行います。
スポーツトレーナーとして、あん摩マッサージ指圧師を取得するメリットは次の通りです。

・練習や試合後の選手の疲労を取り除く手技が身に付く
・怪我の予防に繋げることができる
・道具を必要としないので、急な対応も可能である

スポーツトレーナーだけでなく、整骨院・整体院など一般人のケアでもこの資格は重要です。
コンディション系のスポーツトレーナーになりたい方は、あん摩マッサージ指圧師の資格取得をおすすめします。

資格の取得方法

あん摩マッサージ指圧師になるには、国家試験に合格する必要があります。

国家試験の受験資格を得るには、あん摩マッサージ指圧師施設として認定されている専門学校または大学を卒業しなければなりません。学校で3年以上合格に必要な知識やスキルを身に付ける必要があります。

勉強を通じて学ぶこと

資格の勉強を通じて、人体の基礎を学ぶ学問の生理学・解剖学・心理学などを学習します。他にも怪我や病気の原因や予防法、指圧なども学び、実技実習で実際の施術やカウンセリングのスキルを身に付けます。

試験の難易度と合格率

国家試験は毎年2~3月に筆記の形式で行われます。150点満点の内、6割以上得点出来れば合格になります。

令和5年度の試験では、1,109人が受験して932人が合格しました。合格率は84%です。

あん摩マッサージ指圧師を徹底解説!

柔道整復師

柔道整復師は骨折・靭帯損傷・脱臼など急性の怪我に対して対応が認められている資格です。

上記の対応は医師と柔道整復師のみが法律的に認められているため、スポーツトレーナーとして貴重な存在となれるでしょう。

スポーツトレーナーとして柔道整復師の資格を取得するメリットは次の通りです。

・練習や試合中の骨折や脱臼などに対して、法律的に早急な対応が認められている
・電気治療など、怪我に対しての治療行為が認められている
・保険適応の障害対応が可能なため、幅広い外傷にアプローチができる

怪我の治療ができるスポーツトレーナーになりたい方は、柔道整復師の資格取得が有効です。
いきなりスポーツトレーナーになることが難しくても、整骨院でそのキャリアを積むことができます。

資格の取得方法

柔道整復師になるには、国家試験に合格する必要があります。

国家試験の受験資格を得るには、柔道整復師施設として認定されている専門学校または大学を卒業しなければなりません。学校で3年以上合格に必要な知識やスキルを身に付ける必要があります。

勉強を通じて学ぶこと

柔道整復師の資格勉強を通じて、生理学・解剖学などの人体の基礎学問や、実際の施術で使用する整復法や固定法などを学びます。

試験の難易度と合格率

国家試験は毎年3月に筆記の形式で行われます。

令和5年度の試験では、5,027人が受験して3,337人が合格しました。合格率は66.4%です。

柔道整復師を徹底解説!

鍼灸師

『鍼灸師』は、鍼(はり)と灸(きゅう)を使って自然治癒力を高める施術を行います。
スポーツトレーナーとして鍼灸師の資格を取得するメリットは次のものがあります。

・専門的な道具を使った治療行為が可能になる
・治療行為を通じて、怪我や病気を未然に防ぐことができる
・筋肉の張り感などによるパフォーマンス低下を防ぐアプローチが可能になる

自然治癒力を高め、選手が常にコンディションを整えておくために、鍼灸師の技術はとても有効になります。

資格の取得方法

鍼灸師になるにも、国家試験に合格する必要があります。

他の国家資格と同様に、受験資格を得るには、「はり」や「きゅう」について学べる専門学校または大学を卒業しなければなりません。

勉強を通じて学ぶこと

資格勉強を通じて、生理学や解剖学など人体の基礎に関する学問を学習します。加えて、東洋医学が基になった、「はり」や「きゅう」の治療法を身に付けます。

試験の難易度と合格率

鍼灸師は、はり師ときゅう師2つを合わせた名称です。どちらの資格も取得する場合は2つの試験を受けなければなりません。

令和5年度は、はり師試験は4,176人が受験し2,892人が合格、合格率は69.3%で、きゅう師試験は4,111人が受験して2,887人が合格し、合格率は77.3%でした。

鍼灸師を徹底解説!

理学療法士

『理学療法士』はリハビリ系の資格です。
スポーツトレーナーとして理学療法士の資格を取得すると、次のメリットがあります。

・怪我をした選手のリハビリに対応可能となる
・医療行為が可能になるため、担当可能な幅が広がる
・体の使い方の改善指導ができるようになり、同じ怪我を繰り返しにくくする指導力が身に付く

病院等でのリハビリ現場でも、理学療法士の資格が求められます。
怪我をした選手へのサポートをしたい方は、理学療法士の資格取得がおすすめです!

資格の取得方法

理学療法士も国家試験に合格する必要があります。

また、他の資格と同様に理学療法士を養成する専門学校や大学を卒業しなければ、受験資格を得られません。

「作業療法士」の資格を所持している場合は、学校で2年学ぶだけで受験資格を得られます。

勉強を通じて学ぶこと

理学療法士になるための勉強を通じて、他の資格と同じように生理学・解剖学などの人体の基礎学問を学べます。また、整形外科学や神経内科学などの理学療法士としての専門的な知識も身に付けます。

試験の難易度と合格率

試験は毎年2月頃に行われます。合格するためには約6割の得点が必要です。

令和5年度の試験では、12,629人が受験し11,282人が合格、合格率は89.3%でした。

理学療法士を徹底解説!

NATA-ATC

NATA-ATCは今回紹介する資格の中で唯一、アメリカの大学または大学院へ通わないと取得できない資格です。

スポーツトレーナーとして『NATA-ATC』を取得するメリットは次のものがあります。

・NBAやMLB、サッカー日本代表など海外で活躍するチャンスを得られる
・アメリカで認められている国家資格であり、日本でも非常に地位の高い資格である
・英語力も身に付けている証となり、通訳も兼ねて契約を勝ち取りやすい

おそらく、スポーツトレーナー関連の資格では最難関と言えるのがこのNATA-ATCです。しかし国際的に活躍したいという野心を抱いている方は、ぜひチャレンジしてみてください!

資格の取得方法

NATA-ATCを取得するためには、まずCAATE(アスレティックトレーニング教育認定委員会)が公認する4年制大学、もしくは、大学院のアスレティックトレーナープログラムを卒業することが必要です。加えて、決められたインターンシップの時間数を修了する必要もあります。(目安は、卒業までに 700時間~800時間)

最後に、学校を卒業した後にBOC certification exam(認定試験)に合格することでNATA-ATCを取得できます。

勉強を通じて学ぶこと

NATA-ATCの勉強では、人体の基礎に関する学問を中心に怪我や病気の予防方法、診断や応急処置の方法、治療の手順やその他のトレーナーとしての健康管理や責任について学びます。

また、上記の学習はアメリカの教育機関で行われるため、全て英語で学習することになります。英語力を身に付けることもNATA-ATC取得に必須です。

試験の難易度と合格率

BOC受験者の合格率は毎年80%から90%と、高い水準になっています。しかし、BOCを受験するためにはアメリカの大学・大学院を卒業しなければなりません。加えて、700~800時間のインターンシップもクリアも必要です。

合格率が高いからと言って、簡単に取れる資格ではないでしょう。

NATA-ATCを徹底解説!

スポーツトレーナーが持つ民間資格3選

NSCA

これからスポーツトレーナーを目指す人が最初に目指す資格としておすすめなのがNSCAです。

NSCAは、国際的なスポーツ教育機関であるNSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)が認定する、アスリート、スポーツチームを指導対象とするトレーナー向けの資格です。

日本はもちろん国際的に知名度の高い団体であるからこそ、トレーナーだけではなくスポーツ選手や研究者からも信頼があります。

資格の概要

NSCAには、「NSCA-CPT」と「NSCA-CSCS」の2種類があります。「NSCA-CPT」は、主に一般人に対してトレーニング指導を行うパーソナルトレーナー向けの資格です。一方で、「NSCA-CSCS」はアスリートへの指導も見据えたより上位の資格になります。

自分の目的を確認し、「CPT」か「CSCS」ニーズに合った方を取得しましょう

資格の取得方法

NSCA-CPTとNSCA-CSCSは共に認定試験に合格することで資格を取得できます。

NSCA-CPTの認定試験を受けるための条件は、

①満18歳以上
②NSCAジャパン会員である
③高等学校卒業者または高等学校卒業程度認定試験(旧:大学入学検定試験)合格者
④有効なCPR/AEDの認定者

以上の4つです。

CPRとは、人工呼吸や心臓マッサージによる心肺蘇生法です。AEDは電気ショックを与えて心臓を蘇生するための医療装置です。CPTを受験するにあたって、パーソナルトレーナーが身に付けておくべき救命知識が求められます。

NSCA-CSCSの認定試験を受けるための条件は、

・学位(学士・修士・博士)取得者、または高度専門士の称号の保持者

です。

つまり、4年制の大学を卒業していることで必要な学歴条件を満たすことができます。なお、NSCA-CSCSを受験に必要になる学歴の条件は2030年に変更される予定のため注意が必要です。

資格を取得するメリット

NSCAを取得することで、傷害予防とスポーツパフォーマンス向上を目的とした、安全で効果的なトレーニングプログラムを計画・実行する知識とスキルを得ることができます。

NSCA-CPTについて詳しく知りたい方はこちらの記事を、NSCA-CSCSについて詳しく知りたい方はこちらの記事をぜひ参考にしてください。

試験の難易度と合格率

NSCAジャパンによって公開されている、NSCA-CPTの合格率は約65%です。決して簡単に合格できる資格ではないでしょう。

同じくNSCAジャパンによって公開されているNSCA-CSCSの合格率は約50%です。NSCA-CPTよりもさらに低い合格率で、より難しい資格と言えるでしょう。

上記の通りNSCAの合格率は低く、難関資格といえます。公式テキストは700ページ以上あり、独学で0から勉強して資格を取得するのは非常に困難でしょう。

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JSPO-AT(日本体育協会公認アスレティックトレーナー)

日本のトレーナー業界の中でも、ハイレベルな資格として知られるのが通称『AT』で知られている『アスレティックトレーナー』です。

スポーツ現場でトレーナー活動をしたいのであればこの資格がほぼ必須です。非常に難易度が高い資格なので合格するためにはしっかりとした準備が必要です。

資格の取得方法

アスレティックトレーナーの資格は、試験に合格することで取得できます。試験の受験資格は、

①満20歳以上の者
②アスレティックトレーナー養成講習会を受講または免除適応コース承認校を卒業したもの

以上の2つです。

②のアスレティックトレーナー養成講習会は、日本スポーツ協会に加盟している団体から推薦された人しか受講できません。そのため、基本的には免除適応コース承認校に定められた大学や専門学校を卒業する必要があります。

資格を取得するメリット

資格を取得する過程で、怪我の予防法や健康管理、怪我をした選手のリハビリ、テーピングなどのいずれもアスリートのケアでは欠かせない知識や技能を身に付けることができます。

試験の難易度と合格率

試験は理論試験(筆記試験)と実技試験が課されます。理論試験では解剖学・生理学など人体の基本に関する知識が試されます。理論試験に合格して初めて実技試験の受験が可能です。

アスレティックトレーナーの合格率は約10%です。日本のトレーナー系資格の中では最難関であると言われています。合格のためには入念な準備が必要です。

JATAC-ATC(ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会 認定アスレチック・トレーナー)

JATAC-ATCとは、ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会によって認定される、トレーナー向けのスポーツ資格です。

他の資格と同様に、スポーツ現場でトレーナーとして活躍したい人におすすめの資格です。

資格の取得方法

JATAC-ATCは試験に合格して取得する資格ではありません。資格要件を満たした人が、ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会に正会員として登録することで認定される資格です。

登録のための資格要件は、

①あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、鍼灸師、理学療法士、などの資格を所持し、協会のスポーツ科学分野の通信教育講座単位を取得する
②2年制以上の専門学校、大学または大学院でスポーツ科学系のコースを卒業し、協会が認定する臨床医学系専門科目とスポーツ科学分野の単位を取得する

以上の2つです。NATA-ATCやNSCAの資格を持っていれば、①の単位取得が免除されます。

資格を取得するメリット

JATAC-ATCを認定してもらうためには、国家資格か教育機関を卒業することが必須です。加えて、スポーツ科学分野や臨床医学系科目の単位を取得する必要があります。

JATAC-ATCはそれだけの知識や技能を証明する資格として役に立つでしょう。

パーソナルトレーナーになるために資格取得と一緒に必要なこと

今回紹介した資格のいずれかの取得ができれば、トレーナーが身につけるべき知識の最低限の基礎を知ることができます。

しかし、本当に大事なのは現場に通用する実力を持ったパーソナルトレーナーになることです。

その点で考えると、資格取得だけでは実践経験が積めず、就職・転職や現場での業務に苦労するかもしれません。

実は最近、実技や座学を通じてパーソナルトレーナーに欠かせないスキルを身につけ、かつ資格取得も支援してくれるというパーソナルトレーナー専門の養成スクールが全国に増えています。

知識だけではなくノウハウ・スキルを身に付けたい方、パーソナルトレーナーとしてしっかり活躍できる人材になりたい方は、ぜひパーソナルトレーナー養成スクールをチェックしてみてください!

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まとめ

スポーツチームや選手に帯同するトレーナーは、アスレティックトレーナーの資格を取得し、同時に医療系国家資格を取得している方がほとんどです。

これらの資格取得は決して簡単ではありませんが、スポーツ現場で活躍するために大きく役立ちます。

この他、トレーナーエージェンシーではスポーツトレーナーやパーソナルトレーナーを目指したい方への、個別アドバイスも行なっています。

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服部拓也

パーソナルトレーナー

服部拓也

大手ジム、整体サロンでのトレーナー経験を持ち、パーソナルトレーナー養成スクール「2nd PASS」を卒業した後にトレーナーとして独立。トレーナーエージェンシーでは、パーソナルトレーナーになりたい人、現役パーソナルトレーナー向けコラムを執筆。ダイエットに悩むお客様、集客に悩むトレーナーの両方の悩みの解決を目指している。

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