トレーニング指導者の仕事や資格内容、主な就職先を解説!
現在、様々なメディアで取り上げられるトレーニングブームに伴い、「トレーニングの指導者として活躍したい!」とお考えの人も増えているでしょう。
しかし、トレーニング指導者は具体的にどのような業務に取り組んでいるのでしょうか?またトレーニング指導を生業にする場合、どのような資格を取得するべきなのでしょうか。
今回の記事ではトレーニング指導者を目指す方向けに
・具体的な指導内容・業務内容
・取得を目指すべき資格
・資格取得後の主な就職先
などを徹底解説します。
トレーニング指導者の仕事内容とは?
トレーニング指導者の仕事内容はどのようなものなのでしょうか。
具体的には以下4種類の仕事内容が挙げられます。
・トレーニングメニューの考案
・トレーニングの指導
・怪我の予防・応急処置
・トレーニング機器の掃除
以下で詳しく解説します。
トレーニングメニューの考案
トレーニングの指導者としての主な仕事の1つは、お客様一人ひとりに合わせたトレーニングメニューの考案です。お客様の目標や体力、身体の特徴に基づいて、最適なトレーニングプランを作成することが求められます。
例えば、ダイエットを目指すお客様には、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせたメニュー、アスリートには競技に応じた専門的なトレーニングを提案します。
また、クライアントが安全にトレーニングを行い、効果的に目標に近づけるように、負荷や回数、頻度を適切に調整することも重要です。トレーニングの成果を定期的に確認し、必要に応じてメニューを更新・調整することも、指導者の重要な役割です。
クライアントに合わせた個別のプランを考案・サポートすることで、目標達成に向けた効率的なトレーニングが実現できます。
トレーニングの指導
トレーニング指導者は、お客様に対してトレーニングの実技指導も行います。
例えば、初心者には基本的なフォームや動作を丁寧に指導し、怪我を防ぎながら効果的なトレーニングができるようサポートします。一方で、アスリートや経験者には、より高度なトレーニング方法や負荷の調整、フォームの改善などを行います。
また、お客様の体力や技術レベルに応じて負荷や回数を調整し、無理のないトレーニングをサポートします。さらに、トレーニング中は適切なタイミングで声をかけ、モチベーションを維持するためのサポートを行います。
トレーニング指導者は、お客様が効果的に目標に向かって取り組むことができるよう、個々に合わせた指導を行うことが必要です。
怪我の予防・応急処置
怪我の予防と応急処置もトレーニング指導者の重要な仕事です。
トレーニング中の怪我を防ぐためには、お客様が適切なフォームでエクササイズを行うように指導することが欠かせません。また、体力や筋力に応じたトレーニングメニューを作成し、過度な負荷をかけないようにすることも怪我予防に繋がります。
しかし、どれだけ注意を払っていても怪我が起こることは避けられない場合もあります。こうした際には、基本的な応急処置のスキルが必要です。
例えば、捻挫や筋肉の軽い損傷が発生した場合、適切にアイシングを行ったり、圧迫を加えることでダメージを最小限に抑えることができます。
応急処置後は、専門の医師や理学療法士への連携が必要になることもあるため、指導者はその判断力も必要です。
トレーニング機器の掃除
トレーニング指導者の仕事内容には、トレーニング機器の掃除も含まれます。
清潔な環境は、ジムやフィットネス施設の利用者にとって重要であり、機器の定期的な掃除は安全面や衛生面の向上につながります。特にトレーニング機器は多くの人が使用するため、汗や皮脂が付着しやすく、感染症や肌トラブルを引き起こすリスクがあります。
トレーニング指導者は、機器を清潔に保つことで利用者が安心してトレーニングできる環境を提供し、お客様に快適な運動体験を提供することが必要です。
また、機器のメンテナンスも重要であり、機器の清掃を通じて異常や故障を早期に発見し、適切な対応を取ることができます。
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トレーニングの指導者として意識すべき大切なこととは?
トレーニングの指導ができる資格は多くありますが、指導する上で意識すべき大切なポイントは同じです。
トレーニングは人と人とのコミュニケーションがあって成り立っています。そのため、いくら資格を取得する際に勉強をしたからといって、上手く指導ができるとは限りません。
そこで本項では、トレーニング指導者として気をつけたい大切なポイントを3点まとめました。
・正しい知識を理解できているか
・お客様の目的を理解する
・説得力のある指導者になる
正しい知識を理解できているか
「正しい知識を理解できているか」は当然、読者の皆さんもわかっているポイントだと思います。
ただ現場でのトレーニング指導は、テキストと同じように進めることができないこともあるでしょう。その時、いかにお客様に寄り添い、指導するお客様に合った指導をすることができるかは、トレーニング指導者自身がどのくらい知識があるかにかかっています。
トレーニング指導の現場では、テキスト通りではなく自分の言葉としてわかりやすくお客様に伝えることができるか、を意識することです。
自分では理解できていても、何も知識のないお客様からしたら難しい言葉かもしれません。噛み砕いて説明するには、自分が本質を理解していないといけないということを、覚えておきましょう。
お客様の目的を理解する
トレーニングの指導者は、お客様に寄り添い、その目的達成のためのサポートをしなければなりません。そのためには、よく話お客様の話に耳を傾け、どのような課題や要望を持っているか理解することが重要です。
まずは、トレーニング指導に専念しすぎず、きちんとお客様の話を聞きましょう。そしてお客様の要求が難しいことだった場合でも、全てを否定するのではなく、その要求にどうやったら近づけるのかを一緒に考える必要があります。
また、お客様の中には明確なトレーニング目的を持っている人もいれば、「なんとなく運動をした方が良いから」と漠然とした目的の人もいるでしょう。
その時は、お客様と一緒にトレーニングをするゴールを決め、モチベーションを保つ努力が必要です。
説得力のある指導者になる
指導をする上で、まずはお手本となるような自分でなければいけません。例えば、痩せることを目的としたお客様を多く持つのであれば、指導者も太るわけにはいきません。
筋肉を付けるボディメイクをして、フィジークやボディビルなどの大会に出ることを目的とするお客様を多く持つ場合、トレーニング指導者自身も憧れられるような筋肉がついてなければ説得力は半減してしまいます。
また、自分でもその身体を手に入れる大変さやコツを知っていれば、トレーニング指導をする際に役立つでしょう。お客様も具体的な例を出されれば理解もしやすいはずです。
ぜひ、自分の身体も仕事と同じように管理のできる指導者となってください。
トレーニングの指導をするにはどんな資格があるの?
トレーニング指導者になるためには具体的にどんな資格を取れば良いのかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本項では、トレーニング指導者におすすめの、
・JATI-ATIトレーニング指導者
・NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー
・NSCA-CSCS(NSCA 認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
・日本スポーツ施設協会公認トレーニング指導士
・日本体育協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
以上の5つの資格について、以下で詳しく解説します。
JATI-ATIトレーニング指導者
日本トレーニング指導者協会(JATI:Japan Association of Training Instructors)が認定するトレーナー資格です。
こちらの資格には
・トレーニング指導者(JATI-ATI)
・上級トレーニング指導者(JATI-AATI)
・特別上級トレーニング指導者(JATI-SATI)
の3段階の資格があります。日本の環境や特性に合ったトレーニング指導を目指しています。
NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)
NSCA-CPTは、全米ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)が認定する資格で、科学的な根拠に基づいた安全かつ効果的なトレーニングを指導できることを証明する資格です。
トレーニング指導者として活動するためには、解剖学や運動生理学、栄養学といった専門知識が求められますが、NSCA-CPTを取得することでこれらの知識と技術をしっかりと身につけられます。
NSCA-CPTは、一般の人からアスリートまで幅広い対象に対してトレーニング指導ができるため、就職やキャリアの幅も広がります。
この資格を持っていると、ジムやフィットネス施設での採用率が高まるだけでなく、独立してパーソナルトレーナーとして活動する際にも有利です。
NSCA-CSCS(NSCA 認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
NSCA-CSCSもNSCA-CPTと同様に全米エクササイズ&コンディショニング協会(NSCA)が認定する資格です。この資格も安全で効果的なトレーニングプログラムの作成、指導を行います。
NSCA-CPTが一般のお客様向けの資格なのに対して、NSCA-CSCSは主にスポーツ選手やアスリート選手を対象としたトレーナーを目指します。
日本スポーツ施設協会公認トレーニング指導士
日本スポーツ施設協会の認定する資格です。
本資格を取得することで、トレーニングジムでのマシンやサーキットトレーニングの指導をすることができるようになります。
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
こちらは日本スポーツ協会が認定する資格です。
本資格の保有者は、対象者の健康管理や傷害予防、スポーツ外傷・障害の救急処置、アスレティックリハビリテーション及びトレーニング、コンディショニングなどを行います。
トレーナーの認定資格を取得する難易度は?
前項では、トレーニング指導者が取得を目指すべき資格を5種類ご紹介しました。知っている資格はありましたか?
次に本項では、資格の取得方法をお話したいと思います。
資格の取得には、まず受講条件のついているところがほとんどです。JATI-ATIやNSCA-CSCSは、大学卒業、医療や健康系の資格を持っている人が受講条件として記載されています。まったく違う業界にいた人にとっては少し取りにくい資格かもしれません。
それに対し、トレーニング指導士とアスレティックトレーナーは、受講条件はあるものの前者より基準が厳しくありません。資格はないが、すでにスポーツジムで指導されているという方にも受講資格が与えられています。
中でもトレーニング指導士は、4日間の講習を受けたあとに認定試験に合格すれば取得することができます。その試験の合格率は90%ほどと比較的易しい内容で、講習会で学んだ内容は出題されるの試験です。
この資格はトレーニングジムのマシンやサーキットトレーニングの指導ができるようになり、難易度も低めの資格なので、取得しているインストラクターの方は少なくないようです。
当然ですが、試験受験に必要な条件の多さや試験の合格率などの資格取得の難易度が上がることは、仕事で求められるレベルも上がることを指します。また、取得難易度の高さは、それだけお客様からの信頼も得ることができるでしょう。
難易度だけで資格を決めるのではなく、それぞれの資格の特徴を理解し、自分のやりたいことを実現できる資格をぜひ見つけてください。
主な資格取得後の就職先とは?
実際、多くのトレーニング指導者がスポーツジムで働いています。中には、スポーツジム・フィットネスクラブで多くのお客様と接するところからはじめ、徐々にパーソナルトレーナーへ転職する人もいるようです。
私たちの身近には、こうしたジム施設で働くケースが散見されますが、その他にも就職先は多く存在します。
そこで本項では、資格を取得したトレーニング指導者が働く環境・就職先をご紹介します。
・フィットネスクラブ・ジム
・プロチーム・競技団体
・教育分野
・身にしか館企業・自治体
フィットネスクラブ・ジム(一般人向けトレーナー)
資格を取得した後、トレーニング指導者として就職できる場所の1つは、一般のお客様向けのトレーナーとして働くフィットネスクラブやスポーツジムです。
フィットネスクラブやスポーツジムでの業務は、ダイエットや体力向上、健康維持を目的にするお客様をサポートする仕事が中心です。
ジムに通うお客様の多くは、トレーニングのやり方がわからない、健康のために運動を始めたいと考えている方が多く、彼らに適切なトレーニングプランを提供するのが主な役割です。
資格を持っているトレーナーは、効果的かつ安全な指導を行うことができるため、信頼性が高く、お客様からの評判も良くなりやすいでしょう。
プロチーム・競技団体(アスリート向けトレーナー)
一般のお客様向け以外にも、アスリート向けトレーナーとして働くことも可能です。
資格を取得したトレーニング指導者がアスリート向けトレーナーとして活躍する場は、プロスポーツチームや競技団体、さらに専門的なトレーニング施設など多岐にわたります。
アスリート向けトレーナーは、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるように、個々のニーズに合わせたトレーニングプランを作成し、指導することが主な役割です。また、トレーニングだけでなく、怪我の予防やリハビリテーション、栄養管理、ストレス管理やモチベーション維持のサポートも行います。
アスリート向けトレーナーは、高度な専門知識と技術が求められるため、常に最新のスポーツ科学を学び続ける姿勢が重要です。
教育分野
トレーニング指導者の資格を取得した後、資格勉強を通じて身に付けた知識を活かして教育分野に就職することも選択肢の1つです。
教育分野でのトレーニング指導者は、主に学校やスポーツクラブ、専門学校などで活動します。学校では体育の授業や部活動の指導、スポーツクラブでは若いアスリートの育成に携わることが一般的です。
また、専門学校や大学のスポーツ関連学科で、未来のトレーナーを育てる教育者としての役割も果たせます。ここでは、トレーニング理論や運動生理学など、基礎から応用まで幅広い知識を学生に伝えることが求められます。
教育分野では個々の学生に合わせた指導方法を考え、彼らの成長をサポートするためのコミュニケーション能力も重要です。
教育分野での経験は、自身の知識を深めるだけでなく、多くの人々に健康と運動の大切さを伝えるという、社会的な意義も感じられる職業です。
民間企業・自治体
トレーニング指導者の資格を取得した後、スポーツブランドや用具メーカー、自治体への就職も可能です。
スポーツブランド用品・用具メーカーでは、製品開発や販売促進においてトレーニング指導者の知識を活かすことができます。具体的には、製品の性能を最大限に引き出すための使用方法の提案や、ターゲットとなる顧客層に対するトレーニングプログラムの提供などが主な業務です。製品の実演や指導を行うことで、ブランド価値を高める役割を果たします。
また、自治体での活動もトレーニング指導者としてのスキルが役立ちます。地域の健康促進プログラムやスポーツイベントにおいて、トレーニング指導者としての知識とスキルを活かし、地域住民の健康増進をサポートします。
特に高齢者や子どもたちを対象にしたプログラムでは、適切な運動の指導やアドバイスを提供することで、地域社会に貢献できる点が魅力です。
トレーニング指導者のQ&A
【Q1】トレーニングの指導者になるには学校に行かないとだめですか?
先ほど資格の受講条件に大学卒業など、規定があることをお話しました。確かにその規定を満たすことを考えると、学校に行くこともひとつの手ではあります。
しかし、現在の日本ではトレーニングの指導に、必ずしも資格が必要ではないのです。未経験の方でも働けるスポーツジムも存在します。無理に資格取得を考えず、まずは経験してみるのもいいと思います。
ただ、自信をもって指導をするうえで、専門的な知識は必ず必要となるため、フォロー体制の整った環境であることが大切です。働いていく中で、自分の取りたい資格が見つかったら資格の取得を考えましょう。
【Q2】トレーニングの指導者って大変ですか?
お客様のサポートをし、結果が出れば大きなやりがいを感じることができる仕事ですが、もちろん大変なこともあります。
トレーニング指導者は、とにかく身体を使う仕事です。スポーツジムによっては早朝から深夜まで営業しているところもあり、体力面は鍛えないとハードに感じるかもしれません。
また、お客様とのコミュニケーションも大切になります。日ごろから意識してコミュニケーションをとり、お客様の目的をくみ取ったアドバイスができるよう、努力が必要です。
【Q3】将来性のある仕事ですか?
現在の日本は、空前のトレーニングブームです。男女問わずトレーニングを始めた人が増えています。
さらには高齢化が進み、高齢者を対象にした健康運動も大切になっています。2021年にはコロナ禍でも東京オリンピックも開催され、スポーツをより身近に感じる機会となり人々の健康意識は上がっていると言えるでしょう。
日本はアメリカなど海外に比べるとまだまだスポーツ文化が根付いていません。それを考えると、これからまだまだ成長が見込める分野なのではないでしょうか。
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まとめ
今回の記事では、トレーニング指導者の仕事内容・大切なこと・おすすめの資格・就職先を解説しました。
トレーニングを指導する上では、「正しい知識を理解する」「クライアントの目的を理解する」「説得力のある指導者になる」の3つが大切です。
トレーニングを指導する上で役立つ資格はたくさんあります。それぞれの資格の特徴を理解し、自分が身に付けたい知識・スキルや自分の目標を実現できる資格を選ぶことが重要になります。
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